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自由診療SaaSでARR100億円達成できるの?

どうも、これからの産業の成長プロセスを合理化したい大嶋です。

本日(2022年8月24日)、メディカルフォースはシリーズAラウンドでの6億円の資金調達を実施しました。

弊社は自由診療向けSaaS『medicalforce』を提供していますが、”最初の”PMFを無事達成することができたため、SaaSの拡販および新プロダクトの開発を見据えて資金調達を行いました。

2020年3月のリリースから1年半が経とうとしていますが、現在の導入院数は120院に迫る勢いで、月間ARPAが10万円を優に超えるプロダクトとしてはそれなりのスピードで伸びています。
ちなみに去年8月のMRRは30万円だったので、ざっと4000%成長です(!?)

参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000075856.html

このnoteでは、メディカルフォースの今後の展開をメインに、

「自由診療特化ってニッチすぎない?」
「自由診療だけで時価総額1兆円いくの?」

などの疑問にお答えできたらと思います。

※この記事は、【2022 medicalforce Advent Calendar】1日目の記事です。

メディカルフォースがやっていること

株式会社メディカルフォースは、2020年11月24日に美容医療に縁がなかった創業メンバーによって設立された2期目の会社で、美容クリニックを主とした自由診療向けSaaS『medicalforce(メディカルフォース)』を提供しています。

参考note:https://note.com/tsubasadaniel283/n/n85a5135ef6d5

僕たちのお客様である美容クリニックでは、各業務をそれぞれバラバラのツールで管理しているということもあり、しばしば業務が非効率な形で行われています。

今まではそれでも成り立っていましたが、昨今の美容ブームによって患者さんが殺到し、多忙な中今まで通りの業務を行うことに限界が来ています。その結果、待ち時間が長くなったり予約が取りづらくなったりと、エンドユーザーである患者さんの満足度が低下傾向にあります。

「medicalforce」は予約、問診、カルテ、会計をはじめとする診療業務に必要な情報を一元管理することで、クリニックさんの業務効率化、患者さんの満足度向上に貢献します。

サービスURL:https://service.medical-force.com/

さて、前置きはここまでにして、ここからは現在メディカルフォースがターゲットにしている市場と、これからの展開についてお話します。

美容医療市場について

自由診療の中でもメディカルフォースが現時点でターゲットとしているのは美容医療市場です。

矢野経済研究所の『美容医療の展望と戦略2021』によると、国内の美容医療の市場規模は、2017年に2014年比114.8%の3,252億円、2019年には2017年比125.2%の4,070億円です。

ここ数年は年間成長率が10%を超えており、このままのペースで進めば2030年代には1兆円を超える勢いです。

近年では、「整形」と聞いてイメージする美容外科ではなく、肌をきれいにしたり皺やたるみを予防する美容皮膚科が盛り上がっており、実際に開業件数ベースで見ても外科と比較して美容皮膚科が増えています。美容皮膚科は外科と比較しても料金が安いので、20代でも既に多くのユーザーがいるのが特徴です。

このように、自由診療の中でも美容医療はコロナとの相性も良いことから特に今ホットで、メディカルフォースが参入したタイミングも悪くなかったと思います。

リリースから1年間ほとんど広告予算を使わずにインバウンドと紹介だけで導入院数がここまで増えたのも、市場参入のタイミングがよかったことの証拠だと思っています。(大前提プロダクトが強いからできることです!)

美容医療の業務システム市場

では、メディカルフォースが主戦場に置く予約管理や電子カルテなどの業務システム市場を見てみましょう。

美容医療の市場規模の内訳は、そのほとんどを施術代が占めており、次いで来るのは広告宣伝費だと言われています。

よって、メディカルフォースが手がける業務システム市場だけで見ると、SAM(Serviceable Availabke Market)は150~200億円程度(当社調べ)で、市場シェアの50%を取ればARR100億円いかないこともないですが、天井が低すぎてこれではお話になりません。

メディカルフォースの5年後のミッションは「美容医療業界の経済圏を確立し、業界の成長を牽引している」ことです。業務システム市場を独占したとしても、「経済圏を確立」したことにはならない。

メディカルフォースのMVV

しかし、この市場にはメディカルフォースを除いてスタートアップが存在せ
ず、シェア約15%を占めるオンプレミス型のサービスを提供する企業1社が単独トップにあるという、スタートアップの身としてはかなりワクワクする市場です。

ここで美容医療業界のトレンドに話を戻しますが、前述の通り最近はインフルエンサーの発信等により美容ブームが起きています。当然需要増に反応してクリニックの数も増えており、クリニック間の集客競争が激化することで、新規患者獲得のコストが上昇しています。さらに、大手クリニックでは施術料金も安価に抑えられており、小規模のクリニックが同じ戦い方をするのは経営面で健全ではありません。よほど技術に定評がある有名な医師でもない限り、広告予算をかけて集客力を維持するには限界があります。

そこで差別化ポイントになるのがクリニックのオペレーション力です。

Googleの口コミを見ると、患者さんの不満の代表例は待ち時間です。

来院してからカウンセリングに呼ばれるまでの待ち時間や、施術やカウンセリング中の急な電話対応による待ち時間などパターンはいくつかありますが、現場の多忙さや業務の複雑さがあるのもあり、これを改善するだけでも十分な差別化になるという現状です。

上記のトレンドは業界の中でも既に気づいているお客様がおり、それが今medicalforceを使っていただいているお客様なのではないかと思っております。
(medicalforce導入前のお客様の課題は本当に幅広く、全然これだけではないですが。)

これからも「medicalforceを使うことが差別化につながる」と感じていただけるよう顧客コミットしたいです。

話が横に逸れましたが、業界の中でも業務効率化へのニーズは徐々に顕在化しつつある一方で、それに耐えうるサービスが数少ない上に既存のシステムへの不満もそれなりにあるという市場です。

確か以前のnoteでもピーターティールを引用しましたが、メディカルフォースは彼の言いなりが如く原則を徹底します。

独占企業を作るには小さな市場を狙え

出典:ピーター・ティール

現時点でメディカルフォースがこの市場を独占できる未来は見えており、今回調達した資金はその未来への蓋然性をより高めること、そして「経済圏を確立する」ための次の一手を打つために使おうと考えています。

メディカルフォースが目指す未来

冒頭にも呟いた通り、メディカルフォースのビジョンは
「これからの産業の成長プロセスを合理化する」です。

ここにはあえて「自由診療」や「美容医療」といったワードは入れておらず、現在のメディカルフォースがターゲットにしている美容医療や自由診療だけにとどまらないという意味を込めています。

5年以内に別の領域への事業を立ち上げ、10年後には当該領域での「成長プロセス合理化」を再現するのがミッションです。

とはいえメディカルフォースが今ターゲットとしている美容医療に軸足を置くのは大前提です。

僕自身業界にバックグラウンドはないですが、この業界のデジタル化
を進めること、それによってエンドユーザーである患者さんの体験が良くなることを推し進めることができているのは、人生の中で一番楽しい経験です。

美容医療は今後美容室に通うように当たり前の習慣になる、「これからの産業」です。

成長産業にもボトルネックは存在しており、それを取り除くことが「成長プロセスの合理化」であり、メディカルフォースはそこに責任を持ってベットします。

メディカルフォースが考える「美容医療の経済圏」とは

では、美容医療産業の成長プロセス合理化の一つである「経済圏」とは何なのか?

それはトランザクションにあると思っています。

最近日本のスタートアップでもSaaS+Fintechを手がけるところが出てきましたが、海外のバーティカルSaaSではもはや当たり前になっています。

飲食業向けSaaSの「Toast」や美容院向けSaaSの「Squire」などが代表例ですが、彼らの売上割合を見ると、本業のSaaSよりもFintechでの収入が大幅に上回っています。

顧客とエンドユーザー間のトランザクション、顧客と取引業社間のトランザクション、それらがSaaSのプラットフォーム上で完結し、弾み車のようにぐるぐる周り続ける状態を僕たちは経済圏と呼んでいます。

美容医療向けSaaSに加え経済圏までも確立することができれば、メディカルフォースのターゲット市場は大きく広がり、ARR100億円など通過点に過ぎないということがわかると思います。

序文で「”最初”のPMF」という表現を用いましたが、メディカルフォースの挑戦はまだ始まったばかりで、今後はバーティカルSaaSの王道であるマルチプロダクト戦略で市場シェアを拡大します。

最後に

メディカルフォースでは、これからの産業の成長プロセスを合理化するメンバーを強く募集しています。

営業、マーケ、CS、開発など全職種採用中ですので、まずはエントランスブックをご覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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