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日本人である、ただそれだけ。

インドネシア・マカッサルに着任して約3週間、
職場の同僚以外で、そして損得を別にして
すごく世話をしてくれるお父さんが2人いる。
二人とも50代なので友達というよりはお父さんという感じ。


一人目はレストランの経営者。
たまたま入ったレストランでご飯を食べてると声をかけてくれて話をすると
どうやら子供2人が今大阪にいるとのこと。
自身も6回日本に行っていて、日本が好きだと言ってくれていた。
このお父さんには会ったその日に車で市内の色々な場所を案内してもらい、
買い物にも付き合ってもらったりした。
そのあとも映画に誘ってくれたり、マカッサル名物のご飯を一緒に食べたり。
家に少しお邪魔したら、家も凄く立派だし、住み込みのお手伝いさんもいる。
今週子供に会いにまた日本に行った。
全て奢ってくれる。というか払わせてくれない。



二人目はアパートのお隣さん。
挨拶したらどうやらリンナイ等の電化製品の販売代理店に勤めており、
マネージャーをしているとのこと。
日本にも会社の旅行で1回行ったことがあるそう。
挨拶したその日の夜にご飯に行こうと誘ってくれて
一緒にお寿司を食べた。
その次の週も一緒に出かけようと言ってくれて
ご飯食べたりモールに行ったり。
今2人の養子を取ろうと調整してるみたい。
こちらも全部奢ってくれる。払わせてくれない。



インドネシアは既に発展しているとは言っても、
むやみに人を信じたりついて行ったりしない。
向こうも日本人の方がお金持ってるって知ってるし
だまそうとしてるのかと疑ってかかる。

この2人にも最初はそうだった。
だけど身なりとか、仕事の話聞いてると
圧倒的にお金を持っていて生活には全く困ってない。
言葉が不自由なこちらに合わせて、言葉を選んでゆっくりしゃべってくれる。
そして日本との関わりが何かしらあって、悪意が全く感じられない。
何より心配してくれる。財布取られない様にしろよ、とか。
だから大丈夫だと信じて、今も仲良くして頂いている。
ちなみに2人とも華僑系。


最初は「え、奢ってくれるの?ラッキー!」なんて思ったり
「色々な場所や名物とか教えてくれてありがたい!」って思ってたんだけど
段々と疑問が出てきた。



何で俺と仲良くしてくれているのか。



彼らにとっては何にもいいことはない。
レストランに行っても彼が払ってくれるし、
電化製品を売りつけられることもない。
移動中の車内だって話すこともあまりない。
(これは語学の問題が大きい。)
そもそも彼らには生活に困らないほどのお金もあるし。

最初はラッキーって思っていたけど、段々と不気味に思えてくる。
彼らにとって、俺といる時間は何になるんだろう。
すごくお世話になっているけど、俺は何も提供出来ていない。
彼らにとって何も得るものないだろう。
それでもなんで誘ってくれるのか、彼らのニーズが未だに分からない。

一つの可能性としては、友達に日本人がいる!って周りに言えるくらい。
箔を付けるとでも言うのだろうか。
でもそんなのでここまで良くしてくれるものなのか?
未だにそれが良く分からない。



ただ一つ分かることは
「日本人だから」ということ。
だから声をかけてくれる。
だから良くしてくれる。
日本人であるというだけで得している。
(もちろん損している事もたくさんあるとは思う)



ここインドネシアでは地理的にも日本に近い。
政治的にも関係は長いし、日経企業も多く進出している。
ナルトやドラえもん、ワンピースなどのアニメも大人気。
そんなこともあって非常に親日だと言われている。
日本に行ったことがあるという人もよく聞く。

この2人もそう。
日本に行ったことがあるし、今も日本との関わりがある。
日本が好きだと言ってくれている。
多分理由なんてそれだけなんだ。
日本人というだけですごく助けてくれる。


それはきっと今までJICAを始めとした日本政府の取り組みや
日本製造企業の進出の努力と成果、
面白いコンテンツ力とその展開成果。


それらすべてに今ものすごく助けられていると日々感じる。


助けられる為だけに来てるんじゃない。
ここで何か力になるために来ているんだ。
そんな彼らに何かプラスになるようなことをしたい。
少しでも力になりたい。日本人面白かったと感じてもらいたい。


活動の上でももちろんそうだけど、
そういう生活の中でも何か出来ることを考えていきたいなあ。
そして日本に好感を持ってもらうことも、
きっと将来の日本の為になると信じたい。

青年海外協力隊は草の根外交官とも呼ばれる。
人口約2億6,000万人分の1人であるけど、
確立的に言えばこのパーセンテージは殆ど0と変わらないけど、
最終的にそれが何か日本にとっての何かのプラスになると信じたい。
そうやって目の前の人、一人ひとりに何かを残していくことをしていきたい。


海外でこうやって生活してみないと
日本人であることのありがたさって感じる機会なかったんだろうな。

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