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「江戸の恋」@太田記念美術館

2022年の目標(やりたいこと)の一つが、「月1展覧会」。月に1回は展覧会に行って、インプットを増やそう、ということ。現在は、インターネットミュージアムやデジタルアーカイブなどて見ることもできます。でも、「百聞は一見に如かず」ではないけれど、実物を見ることで、自分なりの新しい発見もあると思うからです。



浮世絵に描かれた、江戸の恋バナ

1月は、太田記念美術館の展覧会『江戸の恋』に行ってきました。

展覧会『江戸の恋』は、浮世絵に描かれた恋に焦点を当てたもの。
昔も今も、「恋」は絵や小説、ドラマなどのテーマとなり、様々な恋愛模様が繰り広げられています。もちろん、江戸時代の浮世絵にも様々な恋愛が描かれています。

今回の展示は2部構成。
「第1部 恋に恋して」では、ロマンチックな恋の場面や、遊里を舞台にした恋模様を描いた作品を紹介。当時の流行ファッションを着た美男美女の浮世絵を見て、
「私も、こんな恋がしたい……。」
と憧れていたのでしょうか?

「第2部 ドラマチックに恋して」では、八百屋お七、揚巻と助六、「吉田屋」の夕霧と伊左衛門など、歌舞伎や人形浄瑠璃にもとり上げられた恋愛模様を切り取った作品が紹介されています。
ロマンティックな恋模様もありますが、歌舞伎で取り上げられるのは、不義密通やストーカー的な恋、不幸な結末の恋など、「事件を引き起こす恋」が多いかもしれません。

浮世絵は、あまり大きくないため、大きな展覧会で作品が展示されていると、見たくてもよく見ることができない、混雑していてじっくり見ることができない、ということが少なくありません。
私が行ったのは平日の午後だったためか、それほど混んでいなくて、自分のペースでゆっくり見ることができました。


百聞は一見に如かず?

今回の展示を見て、浮世絵の細かい線、繊細な色使いだったり、紙の質感を見ることができました。作品によっては、「空摺からずり」と呼ばれるエンボス加工というか、凸凹があるものも。空摺は、目の前で作品を見ないとわからないかもしれません。


鈴木春信「つれびき」

今回の展覧会のポスターやチラシの使われ、『江戸の恋』の最初に展示されているのが、鈴木春信の「つれびき」。カキツバタの咲く水辺で、身を寄せ合い一棹の三味線を引く若い男女を描いた作品です。
実は、この姿は、中国・唐(8世紀)の玄宗皇帝とその寵愛を一身に受けた楊貴妃の見立てなのだとか。

江戸時代、一本の横笛をともに吹く「並笛図へいてきず」が二人の愛情の深さを示す画題として知られており、本作はこれをふまえて描かれました。春信の描く華奢で繊細な男女に重ねられた、玄宗皇帝と楊貴妃の古典世界。現実離れした恋人たちの姿には幻想的な雰囲気が漂います。

【オンライン展覧会】「江戸の恋」(太田記念美術館)

シカゴ美術館に、同じような浮世絵がありますが、着物の模様が違っています。個人的には、太田記念美術館所蔵浮世絵の着物の模様のほうが好みです。(アイキャッチ画像は、シカゴ美術館の浮世絵を使っています。)

鈴木春信「Lovers Playing the Same Shamisen (parody of Xuanzong and Yang Guifei)」 
シカゴ美術館

そして、同じような水辺で、笛を吹きあう男女、胡弓を弾く男女を描いた絵もあるそうです。
笛を吹き合う男女の絵は、シカゴ美術館にありました。

鈴木春信「Lovers Playing the Same Fute (parody of Xuanzong and Yang Guifei)」 シカゴ美術館


2月はどこに行こう?

太田記念美術館の展覧会『江戸の恋』は、本日で終わりなのですが、太田記念美術館のnoteで、オンライン展覧会を見ることができます。解説付きで、わかりやすいと思います。

外出しにくい状況が続きますが、「月1展覧会」は続けたいと思っています。
来月は、どこに行こう?

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