クリームパンとアンネ・フランク

「クリームパン」なんてどれも同じものと思っていたら、お店によって大分違うのですね。

今日のおやつは、ドンクで買ったクリームパンを食べました。つい、先日も千葉駅の中にあるピーターパンというパン屋でクリームパンを買って食べました。

どちらも、トングでつかむのが大変なくらい柔らかいし、トレーに入れる時は、かなり慎重になります。気を付けないと落として崩すのではないかという位、ドキドキものです。

ドンクは、カスタードクリームの卵の味が濃厚なタイプで、思ったよりクリームに弾力があります。反対にピーターパンは、ドンクよりもクリームが柔らかくてトロトロの食感でした。

クリームパンって、子供の頃から食べている菓子パンの定番で、パン屋さんでも、スーパーでも、そんなに味は変わらないし、基本ハズレなしと思っていたので・・・。クリームパンは、意外と奥深いことに気付かされました。

クリームパンを食べるとアンネ・フランクが書いた童話の中に登場するヘンリエッタという女学生の話を思い出します。

アンネが隠れ家で書いたのは、日記だけでなく童話もあることは多くの人に知られていることです。ヘンリエッタの物語は、友達と放課後にクリームが入ったパイを買って歩きながら食べるということが書かれています。そんな、ヘンリエッタたちをうらやましそうに見ている少女がいて、ヘンリエッタがお菓子を分けるというお話です。

『アンネの日記』を最初に読んだのは、小学2年生の時になりますが、童話もいくつか掲載されていました。そのなかで、最も印象に残ったのがヘンリエッタの話でした。子供なので話のあらすじよりも登場するお菓子が美味しそうで。きっとカスタードクリームがたっぷり入っているのだろうな?と勝手に妄想していました。

アンネの童話のヘンリエッタのお話は諸説あるみたいで、翻訳によっては名前もヘンリエッタではなくリタで、パイもフルーツタルトに訳されているものもあります。

見てはいないのですが、Eテレで放送された『グレーテルのかまど』でも、フルーツタルトバージョンが紹介されているので、こちらの方がポピュラーみたいです。

子供の時は、お菓子が美味しそうで、キラキラしている女学生の物語としか思っていませんでした。大人になってから読んでみると隠れ家の中で物語を紡いだのだなぁと改めて色々考えさせられます。

アンネも、いつか、平和な日常を取り戻したら、ヘンリエッタ(リタかも知れない)のように親友のリースと一緒に放課後に美味しいお菓子を食べたいと思っていたのかも知れません。

海外とだって、ネットがあれば指1本で繋がれる時代なのに世界のリーダーたちは自分の国が一番で、分断も辞さないといった状態です。いつになったら、世界に平和は訪れるのか、菓子パンひとつでも考えてしまいます。

私がクリームパンを食べると思い出す「ヘンリエッタの物語」は、青春時代を奪われたアンネの希望でもあっただろうし、平和であることの大切さを説いている物語といえます。

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