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【本の感想】ちょうどよい出来事

『夜に星を放つ』
窪美澄・著
文芸春秋・刊
第167回直木賞受賞作品


5編の短編集です。
著者の窪美澄さんは、同じ年の56歳。
同年代の著者さんの小説は、わたしにとってとても読みやすいです。
同じ年代に生まれて育って、同じ出来事の中で生きてきているからです。

そして。
短編という小説の世界の中で、それぞれの物語が、ちょうどよい出来事の中で描かれています。
心がぐらんぐらん揺さぶられてどうしようもないという過度なものでもなく、かといって登場人物に何も共感するところがない、というわけでもありません。

ああ、ちょっとわかる。
そういうところ、あるよね。
そんな出来事ある。

わたしが生きている日常の、半分隣くらいのフィクションの世界をみちゃったのでした。
それが、ちょうどよくて、読みやすいのです。


たしか、以前『ふがいない僕は空を見た』を読んでます。
それよりも、今回の『夜に星を放つ』の方が好きだし、共感できるし、いいなあって思うし、やっぱり好きです。


中野谷つばめがTwitterに投稿した感想

「窪美澄さん。 直木賞受賞おめでとうございます。 現在読書中。 この渇いた感じ、すきだわあ。」

「窪美澄さん。 同じ年でした。 どおりで、わたしには詠みやすいわけで。 今日も、読書。」

「毎日のルーティーンの中過ぎていくけど、ときどき出来事が降ってくる。不意打ち。 なにがあっても、受け止めるしかなくて、励みの言葉は「一生懸命生きてればいいことあるよ」だ。 別れたり死に別れたりしても、誰もが泣けるってわけでもないんだよね。」


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