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利他主義から見るINFJ

MBTIの説明を見てINFJは「利他主義」である、と書かれていて「私って利他主義なのかな?」と思ったことはありませんか?

私は別になんでも人に譲るような性格ではないし、全て相手の利を考えて行動しているわけでもない。だからその説明は当てはまっていないのだ、と考えていました。

ですが最近「はじめての利他学」という本を手に取りました。
「利他主義の本質とは何か」が書かれていて非常に興味深かったので共有できたらと思います
(仏教の偉人等も登場する本ですが、知識がない状態でも丁寧に説明してくれるのでわかりやすいです!)

まず、現代では「利他」は「利己」の対義語として使われるが、本質としては大きく異なるのだということである。
「利他」という言葉は真言宗の開祖・空海が日本で初めて使った。その時空海は「自利利他」という言葉を用いたように、「自利」と「利他」は切っても切り離せないものだとしている。

さらに、天台宗の開祖・最澄は利他の実践の意味を語りはじめた人物であるが次のような言葉を残している。

三際の中間に修するところの功徳は、独り己が身に受けず、普く有識に回施して、悉く皆、無上菩提を得せしめん。

『日本の思想1 最澄・空海集』「願文」渡辺照宏編 筑摩書房 より

修行する人の多くは、自分の救いのために戒律や厳しい修行に耐えようとする。しかし、最澄は修行の功徳を独り占めせず、修行のできない人、さらには「いのち」あるものと分かち合いたい、というのである。

他者に限らず、人間を超越した存在とも功徳を分かち合いたいという考えであり、それは自分の信念に大きく通づるものがあるように思う。だからこそ、海の向こうの人に思いを馳せ自分ができることはないだろうかと考える。また環境破壊や気候変動を含めた自然の変化が今の景色が永遠ではないと告げているようでどこか寂しく、だからこそ自然がより美しく尊いものだと感じる。

利他の原動力とは菩提心である。その理由を本書から引用する

菩提心が開花しているとき、人は、他者ー自然や動物を含んだーの苦しみを自らのもののように感じるからです。それは他者の痛みを自分の痛みのように感じ取る心のありようだと言ってもよいかもしれません。

「自分と他者との境界が曖昧になりやすい」「感じ取りやすい」INFJの特徴と結びつく。

また、最澄にとって重要なのは自分が誰かに良いことをすることではなく、むしろ一緒に苦しむこと、共苦することがもっとも高貴な利他の行いである。

人が苦しんでいるとき、「この苦しみを取り除けたら」とも思う。しかし、苦しみが後にその人のためになったと感じる瞬間が訪れるまで、すぐ傍にいて寄り添うこと、それが最も尊い行いではないだろうか。

別に仏教における考えが全て正しいと言えるわけではないけれど、「利他」の解釈の本質を知ったことで私は少し心が軽くなった。

それと同時に他のINFJさんの他者との接し方や自然に対する考え方が素敵だと思えるのはこういう理由なのかもしれないと思った。利他の精神を持つことは簡単ではないけれど、持とうとしているその姿がまたかっこよく見える。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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