『新しい星』彩瀬まる 良かったです!
直木賞候補の『新しい星』(彩瀬まる)を読みました。
最後にじんわりと希望があふれてくる、温かい小説でした。
本のリンクはこちら。
↓
『新しい星』(彩瀬まる)
https://amzn.to/3FvSrc7
主人公は4人いて、皆40代の大人。
彼らは大学時代、同じ合気道部の部員でした。
流産で娘を亡くした青子。
癌になってしまった茅乃。
会社のパワハラで傷ついて、1年も引き込もっていた玄也。
コロナのせいで、出産で実家に帰省した妻に会えず、離婚の危機を迎える卓馬。
茅乃の入院をきっかけに4人は久しぶりに再会し、
共に合気道の練習に出ます。
そして、自分の抱えている心の傷を、少しずつ打ち明けていきます。
自分自身が人生で痛みに直面しているからこそ、
4人は友達の痛みを、ちゃんと受けとめることができます。
そういう意味で、人生で困難にあうことは、財産だと感じました。
また、昨年、合気道の道場に入門した私は、
小説の中に描かれた合気道の練習メニューの描写に
自分の道場との共通点を見出して、少し嬉しくなりました。
ところで、青子の職業は、英語塾の教師です。
授業で英語のクリスマスソングを教えてしまったため、
「公的な教育の場で、宗教的な歌を教えるのは、問題行為にあたる」
と上司に注意されるエピソードがありました。
(※このエピソードは、本筋とほとんど関係ないです)
生徒さんや保護者様からクレームが来たわけではなく、
上司から言われた、という点で、ちょっとおかしい気もします。
(私も先月、「きよしこの夜」の英語の歌を、
自分の塾で子供達と一緒に歌いました。
誰からも何も言われませんでしたが、こういう注意を受けることはあるのかもしれないな…と思いました)
1月19日に直木賞が発表されます。
個人的には、直木賞は『同志少女よ、敵を撃て』が受賞すると思います。
こちらは、面白くて徹夜で読んでしまって、読み切った後、呆然として何も手に付きませんでした。
でも、その次に読んだ『新しい星』も、じんわりとして、とてもあたたかい小説でした!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?