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『マナーはいらない』の連載元がCobaltだったので※BL注意な話しちゃうよ

先日紹介した『好きになってしまいました』の作者、三浦しをんさんのエッセイに相変わらずドハマりしている。図書館にすっ飛んでいて、在庫ありになっていた『のっけから失礼します』と『マナーはいらない』をひっつかんで帰ってきた。

おもしろい作品に出会うと「早く続き読みたーい!! はやく、はやく次のページめくってー!!!」という自分と「いや、少しでも長く楽しみたい! もっとちびちび読むのよ~!! こら! 勝手にページをめくるな!!」という自分がせめぎ合う。

『のっけから失礼します』はもうタイトルからして、おもしろエッセイだとわかっていたので、そうやすやすとページを開いてはいけないと心に固く誓いまだ本棚に眠らせている。

『マナーはいらない 小説のかきかた講座』は、タイトルの通り小説の書き方についての解説本。noteでストーリーを書くときの参考になるかな、程度の軽い気持ちで読み始めたら、1ページ目にこう書いてあった。

本書は「WebマガジンCobaltコバルト」で連載していた、「小説を書くためのプチアドバイス」を一冊にまとめたものです。

『マナーはいらない』

Cobaltだとぉぉぉ!? ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、知らない人のために一言書いておく。Cobaltは集英社が隔月で発行していた小説誌で、主な読者層はティーンエイジャー。ジャンルは幅広く、ファンタジー、SF、学園モノ、ミステリー、果てはBLまで。今でいうライトノベル作品が数多く発表されていた知る人ぞ知る小説誌。

大人になってすっかり忘れていたが、この1行目を読んで懐かしさが込み上げてきた。前田珠子、真堂樹、藤原眞莉、響野夏菜……みんな夢中になって読んでたなあ。Cobaltのその後が気になって検索してみたら、現在は残念なことに休刊してしまったらしい。現在はWebマガジンとして運営されている。それが『マナーはいらない』の小説の書き方連載に繋がったのね。Webマガジンを覗いてみると、学生時代に夢中になっていた作品があるじゃないか!
当時の私のハートをわしづかみにした作品もちゃんと載ってた。

真堂樹『四龍島』シリーズ

四龍島(スーロンとう)は、その名のとおりに『青龍(チンロン)』『白龍(バイロン)』『朱龍(チューロン)』『黒龍(ヘイロン)』と呼ばれる四人の主が統治する島。白龍市の後継者・マクシミリアンは、妾腹の生まれゆえに『半龍(ハンロン)』と呼ばれ、侮られていた。しかし、歓楽街『花路(ホワルー)』の頭・飛(フェイ)は、彼の瞳に常人とは違うものを感じる。二人が出会うとき、運命は鮮やかに輝きはじめる。疾風怒涛のカンフーアクション!

Amazonより引用

花街を守る花路(ホワルー)の頭、飛(フェイ)と、その島を治める後継者白龍(バイロン)ことマクシミリアンのヒリヒリしたやりとりを毎夜毎夜、夜更かしが苦手なことも忘れて読みふけった。このシリーズは一見、BLのようでいてそうじゃない(少なくとも私が読んでいた頃はそうだった)。なにかが起こりそうで起こらない、でも背中は預けられる二人という激熱な設定で、その新鮮さに私は一気に沼に転がり落ちてしまった。

今考えると、これ、いわゆるブロマンスってやつだったんだよね。当時はまだそんな言葉も知らなかったし、なぜそんなにハマっているのか分からなかったけど。私は学生のときからBLにもまったく抵抗がなくて、漫画も小説もわりとどんなジャンルも大丈夫なオタクだった。でも少女漫画でもBLでも「両想いでラブラブ、うふふ」な展開よりも、くっつくのかくっつかないのか、はっきりしろぃ! なもだもだしたじれったい二人の間を楽しむ方が圧倒的に好きなのである。このもだもだ感が四龍島シリーズにはあったからあんなにもハマってしまったんだろうなって今になれば思う。久しぶりに続き読んでみようかな。

ちなみにBLといえば、私がCobaltを愛読していた当時、急にCobaltでBL特集が盛んになった時期があった。今まで硬派だった作家さんまでもが突然BL小説を書き始めるという猫も杓子もなカオス状態。あの当時は「Cobalt大丈夫? なんかあった?」って言わずにはいられない異常事態だったと思う。
当時はこんなにBL作品が市民権を得る日がくるなんて思ってもなかったけど、今思うと時代を先取りしてたのね。

『マナーはいらない』を読みながら、古き良きCobaltについて思い出し、非常に懐かしい気持ちになった。Webマガジンになっても、あの頃の作家さんが今でも現役で活躍されてることがわかって胸がワクワクした。
あー、なんか学生時代に戻った気がする。

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