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つあおとまいこのゆるふわアート記

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みなさん、こんにちは! 浮世離れマスターズのつあお&まいこです。ゆるゆるふわふわのアートツアーに参加しませんか。
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#現代美術

つあおとまいこのゆるふわアート記とは?

浮世離れマスターズのつあおとまいこがアート作品を実際に見ながら語るゆるゆるふわふわのトーク記です。読者の皆様と一緒に浮世離れできれば本望です。「和樂web」(小学館)にもたくさんのトーク記事を掲載しています。 ※つあお/小川敦生と「アートでハッピー」こと菊池麻衣子、それぞれの記事も時折こちらで配信しております。 えっ? つあおとまいこって誰だって? 年間美術展訪問数は、2人合わせて年間300件以上。 アートを前に、スーパー浮世離れな会話を繰り広げては、ハッピーワールドに

新時代の日本画を見定めるのは可能か

上野の森美術館(東京・上野)で6月4日まで開催中の「第9回 東山魁夷記念 日経日本画大賞」展。選考結果を、大変興味深く受け止めた。 ともすれば保守的になりかねない日本画の表現を、若い作家たちはどう切り開いているのかを知りたい。はたして新時代の日本画を見定めるのは可能か。そんな期待を持って、3年に一度、作家・作品の顕彰を続けているこの展覧会に出かけた。 大賞を受賞した村山春菜は日展に所属する。日展といえば保守の象徴というのが筆者の認識だ。その中で若手作家がどんな作風を展開し

大雨で倒れた樹齢1300年の御神木から生まれた佐藤壮馬のアート作品@資生堂ギャラリー

東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催中の第16回 shiseido art egg展で、佐藤壮馬のインスタレーション作品《おもかげのうつろひ》が展示されている。会場でこの作品を初めて見た人は、おそらく何をどう表現しているのかがまったくわからないのではないだろうか。 しかし、感じられる何かがあるはずだ。曲面を成した白い物体が、見えない何かを円柱状に囲んでいる。つまり、その円柱部分には、何かが存在していることをほのめかす。 それは、2020年7月11日に豪雨によって倒れた、岐阜

大竹伸朗と「別海」の酪農生活

NHK「クローズアップ現代」をたまたま見ていたら、テーマが「朝一杯の牛乳が消える!? 酪農危機の知られざる実態」。興味を引かれ、見続けていると、ほんの少しだけだったが、北海道・別海の酪農家が映った。 現代美術に親しんでいる者の中には、「別海と言えば大竹伸朗!」と思う人も結構いるのではないだろうか。大竹さん独自の書体による「別海」の文字を施したTシャツなどもミュージアムグッズとしてかなり以前から販売されており、「別海=大竹伸朗」というつながりは、瀬戸内国際芸術祭などを中心に、

田中泯が山梨県の農村地域で起こしたアートムーヴメントを顕彰する展覧会のキュレーターは名和晃平

千葉県市原市の市原湖畔美術館で「試展―白州模写」と題した展覧会が開かれています(1月15日まで)。この展覧会、ゲスト・キュレーターが何と気鋭の現代美術家の名和晃平さん。それを聞いただけでもちょっとわくわくしますよね。 内容はさらに興味深いもので、舞踊家や俳優として知られる田中泯さんが1980年代後半から山梨県の白州町(現・北杜市)に移住、約20年間にわたって展開した「アートキャンプ白州」などのアートイベントを「模写」するという展覧会なのです。すでに著名だった田中さんのもとに

人工知能美学芸術研究会が企画したアイヴズの交響曲第4番を聴いてしまった!

3人の指揮者と合唱を必要とする交響曲――こう聞いただけでも、かなりの大曲であることが想像できるのではないだろうか。加えて独奏ピアノ、オルガン、さらにはオンドマルトノという、メシアンの『トゥーランがリラ交響曲』での使用が有名だが、ほかにはほとんど聞かない鍵盤楽器も。米国の作曲家チャールズ・アイヴズの交響曲第4番(1916年)は、こうしたきわめて特殊で大規模な編成を取っているためか、1世紀ほど前に作曲されたにもかかわらず、演奏機会にはあまり恵まれてこなかったようだ。 12月25

川内倫子の光の魔術師ぶりに感じ入る

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「川内倫子 M/E 球体の上 無限の連なり」展へ。会期終了が近いので駆け込みで書き込み。 川内倫子(写真家、1972年生まれ)の作品の被写体は、主に「地球」と「生命」である。上空から遠くの地平線を写した作品は、人間などは小さな存在であり地球の営みのごく一部に過ぎないことを思わせる一方で、樹木のみずみずしさや鳥の飛来などが、地球のスケールに比べればミクロなものにこそ生命力は存在するのだということを感じさせる。柔和な表現による作品の

岡本太郎のギョロリとした目ににらまれるととても楽しい

東京都美術館で開かれている「展覧会 岡本太郎」を訪れた。これまで川崎市岡本太郎美術館や東京・青山の岡本太郎記念館、数年前に東京国立近代美術館で開かれた「生誕100年 岡本太郎」展などでかなり多くの岡本太郎(1911〜96年)の作品を見てきたにもかかわらず、ここでも新しい「発見」があった。そうした経験をさせてくれるのは、企画を十分に練り上げるキュレーターの力があってこそだと思う。今回発見させてくれたのは、太郎の作品に「にらまれる」ときに持つ特殊な感覚である。 のっけから、本流

荒神明香の神秘体験が意外な現代のアマビエを生んだ!

疫病退散を象徴する妖怪「アマビエ」をテーマに数々の美術家に作品の出品依頼を続けている角川武蔵野ミュージアム。この夏新たにラインナップに加わった荒神明香(こうじん・はるか)さんの作品は、高さ7mの美しく、そして気高いオブジェでした。浮世離れマスターズのつあおとまいこの二人は荒神さんに話を聞いて改めて作品の前にたたずみ、その存在感を受け止めたのです。 荒神明香《reflectwo》(2021年) つあお:角川武蔵野ミュージアム! ようやく来ることができましたよ。昨年大晦日の『

生身の人間と立方体が人間性を共有?!ライゾマのロボティクスが描く未来は明るい☼

立方体が踊っていたんです! ライゾマティクスというテクノロジカルなアートユニットの個展を見に東京都現代美術館を訪れたつあおとまいこは、そのすさまじい動きに目が釘付けになりました。 つあお ライゾマティクス、なかなか衝撃的でしたね。 まいこ ホントに! デジタルアートというイメージはありましたが、もっと複雑でダイナミックでした。 《Rhizomatiks ✗ ELEVENPLAY"multiplex"》2021年 部分 《Rhizomatiks ✗ ELEVENPLAY

お目当ての作品は予算オーバー😭『アートフェア東京2021』は大型の傑作に満ちあふれていた👑✨

「こんなアート作品がおうちにあったらな〜」つあおとまいこは、ホントによくこう思っています。2年ぶりに開かれたアートフェア東京に出かけて、まず向かったのは、まいこの目当ての作家の作品が出品されているブースでした。アートフェアは、たくさんのギャラリーが出展しており、よりどりみどりの中で作品を買えるところです。さて、戦果はあったのでしょうか? アートフェア東京2021には140軒のギャラリーが出展している まいこ 杉田陽平さんのコーナーを見つけました! 今回のアートフェアで私が