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リストベース仕事術の到達点『マニャーナの法則』を『時間管理革命』で乗り越える

文庫版が出ていたので、12年ぶりに『マニャーナの法則』を読み返してみた。

まったくもって素晴らしい本である。
タスク管理に関する本としては、100点満点で99点はつけられると思う。

なかでも、「クローズリスト」は、リストベース仕事術の到達点だといってよいだろう。
私自身、12年前にクローズリストを実践して、驚くほど効率が上がったことを記憶している。

しかし、到達点であるがゆえに、リストの限界を露呈してしまっている。

『マニャーナの法則』では、一日の仕事量を制限するために、リストに載せる仕事量を制限するべきだと主張している。

これは一見正しいように思える。
リストにほいほい仕事を追加していたら、いくら時間があっても仕事が終わらなくなる。

しかし、この思想を突き詰めていった結果、「メールは翌日に集中処理しよう」という結論を導いてしまっている。

多くの仕事では、メールを翌日まで放っておくということはありえない。
もし私の部下がそんな仕事の仕方をしていたら、育成することを諦め、他部署へ異動させるよう人事部に懇願するだろう。

突き詰めていった結果、一見おかしな結果につながってしまったのは、リストベースで仕事をすることに限界があるからである。

この問題を乗り越えるためには、『川本裕子の時間管理革命』の「時間の総量管理」の考え方が必要となる。

「時間の総量管理」の肝は、「時間の枠」を明確化することである。

「時間の枠」は固定なので、
リストに項目を追加する=時間が増える
とはならない

リストに項目を追加する=時間の割り当てを見直す
ということになる。

従って、「時間の総量管理」においては、リストをクローズリストとする必要はない。
「時間の枠」を前提として、時間の割り当ての最適化を繰り返しながら、柔軟に状況に対応すればよいのである。

『マニャーナの法則』は大変に素晴らしい本である。素晴らしいがゆえに、リストベース仕事術の限界を露呈してしまっていた。
幸い、『川本裕子の時間管理革命』によって、その限界を乗り越えることができる。

『マニャーナの法則』に書かれているほぼ全ての内容は、「時間の総量管理」を実践するためのヒントになる。そして、これほどヒントが詰まっている本は他にはない。

タスク管理を見直したいと考える全ての人に、『マニャーナの法則』と『川本裕子の時間管理革命』をセットで読むことをお勧めしたい。

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