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見えない何かが見えて来る ~ 舞踏 クレイジーキャメルガーデン 大駱駝艦 ~
そんな心境に至った「大駱駝艦のダークマター」。
カルト映画の「恐怖奇形人間」の土方巽さんに衝撃を受けて、その大分前に何かで見た「山海塾」の訳の分からなさから、いつか「舞踏」とやらを見てみたい、そんな気持ちが「大駱駝艦のダークマター」のチケットを取って観劇に至る道でした。
観劇後、「わからなくても、きっとそれで良い」心境に至り、部屋に帰ってから「クレイジーキャメルガーデン」という金粉ショーがあることを知りました。その時期(2月頃)は島根の公演で涙を飲みましたが、5月に東京都庭園美術館でも開催があると知り、チケット受付を今か今かと待ち焦がれ、無事にゲット!
整理番号は90番台。
どれくらいの規模の会場かわかりませんが、無事にチケットを取れたことが嬉しく5月を楽しみに待っていました。
しかーし、緊急事態宣言がまたも発令されて「中止は勘弁ですよーー!」と、祈るように過ごしていたところ、開催は継続。ただ、払い戻し希望の方は受け付けますとのアナウンス。
もちろん払い戻しなんか致しません。きちんとお願い事を守って出掛けるに至りました。
東京都庭園美術館へ向かう道すがらにカラスに勘違いで襲われるアクシデントに見舞われましたが、無事に会場へ到着。特に整理番号順ということもなく、空いている席の前から三列目を確保致しました。
今回の客層も至って「普通」、むしろ払い戻しをしない「待っていた、この時を」な意気込みを感じる方々でいっぱいでした。案外とヤングな女性やカップルが多めなのは「金粉ショー」といったホットなオプションを増したライブだったからなのかもしれません(推測)。
前日はかなり天気が悪かったのですが、自分の観劇日は曇天に近い感じの晴れでそんなに暑くもなく寒くもない程良いコンディション。カラスに襲われる出来事でカルマを落とせたのかもしれません(本当か?)。
読書をしながら踊りの始まりを待っていると、徐々に会場の照明が落ちて行って、入れ替わりに音楽が徐々に大きくなってきます。
サっとカバンに本を仕舞って舞台に向き合うと、舞台の両袖から全身金粉の男性たちがスサーーっと雪崩出て来て踊りに踊ります。しばらくすると、鎖骨と肩甲骨の辺りから上は白塗りで頭に桜の小枝をかんざしのように差し、そこから下は金粉の女性たちがファーーっと踊り出て来ます。
「これがそうなのね」といった雰囲気に包みこまれて行く内に、ひとりの全身白塗りでおさげ姿のセーラー服女性が、金粉軍団と入れ替わりで踊り始めます。軍団と違った存在感を放ちます。すると、麿赤兒さんもボリューミーに広げたヘアースタイルに赤の大きなリボンの白塗りセーラー服姿で登場。
「おおお??!」と思いながら見ていると、何となくこの二人の気持ちが、本当に何となく「わかってきた」のです。しばらくすると白塗りの学生服を着た男性も登場。
この三人の気持ちが何となく伝わって来る辺りで、金粉軍団が雪崩れ込んで来ました。
そこで自分的に金粉軍団の存在の意味も「何となく」わかってきました。
その頃には金粉軍団の男性の中の数人が汗だくで、頭から胸から背中から汗をほとばしらせて踊りに踊りまくり。
ふいに学生服男性に異変が起こります。
急ですが、最近「浦島太郎」は実はこんな話だ!といった動画を見て驚いたのですが、それがフラッシュバックしました(内容は気が向いたら検索してみて下さいね)。方向性は違うにしても、何とは無しに重なって見えたのです。
そこから終盤に向けてセーラー服女子(麿さんがもはや女学生にしか見えない)と学生服男子の心情を、金粉軍団が激しく際立たせているかのような踊りで表現していました。
休憩無しのノンストップで約1時間半、圧倒的な世界観って何が何だかの中にあるんだろうと思います。堪能致しました。
カーテン無しのカーテンコールがあり、最後は麿さんの熱い投げキッスで終焉と相成りました。
解釈なんかきっと必要無いと思うのですが、今回は「女学生の気持ち」を勝手に感じ取ったような気がします。
ブルース・リーも言っていました。
「Don’t think, feel.」
観に行けて本当に良かったです。
麿さんがもうひとりのセーラー服女子よりも可愛かったこと、これこそが舞台だと思いました。
また機会があったら、感じに行こうと思います。
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