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思い出が行ったり来たり。 ~ ミュージカル『ラフヘスト~残されたもの』 ~

この方が出ている舞台は観たいわぁと思っている中のお一人、その昔(アイドル時代)に土佐犬と勝負をしていたソニンさん。

ソニンさん出演で韓国が舞台のミュージカルであることもあり、訳詞にも挑まれたと聞きチケットをポチリ。

東京芸術劇場シアターイーストへ出掛けました。

グッズ付きのチケットを取っていたため、入場後にグッズを受け取りました。

ファンのかたにはたまらないグッズかと。
本のしおりにしようかしら。


ここからネタバレを含む感想となります。

観劇予定の方は後日お読み頂けましたら幸い♪


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1930年代のこと。

若き日のトンリム(ヒャンアン)こと山口乃々華さんは読書が大好きな女性です。

いつもカフェで本を読んでいます。

そんな山口さんが気になって仕方ない、詩人のイ・サンこと相葉裕樹さん。

相葉さんはどうにか山口さんをおデイトに誘い出すことに成功しますが、おデイトはいつも相葉さんの作った詩を渡され、遊歩道をひたすら歩く、そして詩の感想を聞かれるだけでバイバイとなります。

山口さんはそこから先を密かに期待していますが、相葉さんはひたすら歩くことに終始します。

行を煮やした山口さんの思い切ったプッシュにより、ようやく二人は恋人同士になります。

こういった出来事を山口さんはずっと手帳に書き綴っています。

相葉さんから「一緒にこれから死ぬか、遠くへ行くか」を素敵な歌声に乗せて問われる山口さん。

詩としてもすごい二択ですが、もちろんこれは相葉さんのプロポーズ。

どうしよう・・と悩みつつ、本とフランス語の辞書と手帳だけ入ったカバンを持って、家族に「ちょくら出かけてくる!」くらいの軽さで、山口さんは相葉さんと遠い地へ旅立ちます。

しばし新婚アツアツの時間を過ごしますが、作った詩をなかなか評価されない相葉さんを支えるために、相葉さんの才能を世に知らしめたい山口さんは仕事を見つけて働くことを告げます。

相葉さんは病に侵されているため、薬代のお金が必要なのです。

そんな相葉さんが急に「東京へ行きたい」と言い出します。

仕事先を見つけたばかりなのですぐには辞められない、半年後に一緒に行こう!と言う山口さんへ「ひとりで行きたい」とすげない山口さん。

自分の詩の才能を試したい相葉さんを断腸の思いで送り出す山口さん。

「芥川賞を取った賞金で東京へ行くため」に、山口さんは小説を書き始めます、斬新です。

東京で頑張る相葉さんですが才能はなかなか認められず。

病が悪化し病院へ入院しているところへ、旅路のお金を貯めた山口さんがやって来ます。

また一緒にいられるようになりますが、山口さんの渾身的な寄り添いも実らず、相葉さんはその一生を閉じます。


時は流れて。

芥川賞は取れなかったけど文才を発揮し、小説や評論で活躍するだいぶ大人になったトンリム(ヒャンアン)ことソニンさん。

そんなソニンさんに一回だけ会ったことがあり、すっかりフォーリンした画家のファンギこと古屋敬多さん。

古屋さんはまた会えるかもしれないと、ソニンさんに手紙を送ります。

もう芸術家を好きになるのはこりごりと思っているソニンさんですが、静かで控えめな古屋さんと手紙のやり取りを重ねるうちに、その手紙に入っていたはがきに描かれた風景画に才能を感じ、人となりにも心を動かされます。

ある時送った手紙に返信が来ないソニンさんがそわそわしていると、古屋さんが急に訪れます。

手紙のやり取りでお互いにフォーリンしているため、もう芸術家を好きにならないと決めていたソニンさんでしたが、すっかり古屋さんに夢中。

そんな古屋さんの絵を見ている内に目が肥えて来たソニンさん。

俄然、絵に興味を持って色々な絵画を見て回る内に、絵の評論を始めますが、またも文才を発揮してその評論が評価されるようになります。

「見ているだけでなくて描いてみなよ」と古屋さんに進められますが、「わたしは絵の才能ないし~」と筆を持たないソニンさん。

そんな仲睦まじく過ごしている二人でしたが、古屋さんが早逝してしまいます。

相葉さんは詩を、古屋さんは絵を。

「 Les gens partent mais l’art reste 」 人は去っても芸術は残る。

二人の天才芸術家と過ごした時間で文才を発揮したソニンさんは、自分自身が芸術となったことを知ります。


サササーっと書いたストーリーですが、実際の舞台は時系列がバラバラで、理解がちょっと難しかったです。

そしてソニンさんは、若い自分の山口さんが人生の岐路に立つ度に、背中を押すように現れます。

思い切って進め!と。

派手な演出は無く、舞台には中央に設置された二等辺三角形を互い違いにくっつけたものが手動で回転、時に椅子になり、時に道となったり、時計のように回して過去や現在の時間を表すような演出となっているようでした。

自分は韓国ドラマや韓国映画を見たことが殆ど無いのですが、衣装やヘアスタイルはひと昔前の韓国っぽい落ち着いた感じでした。

全員(三人)は実在する人物で、それぞれ著名人です。

出身地の韓国を飛び出し、フランスやアメリカ、東京で才能を開花するような刺激を受けているようです。

芸術が軸ですがストーリーにあるようにラブロマンスも軸で、ラブロマンスものが苦手な自分はなんだかソワソワしました(笑)

舞台にはピアノとヴァイオリンの奏者がおられて、時に楽し気に、時にしっとりしたシーンを盛り上げていました。

ソニンさんが青年期から老年期を演じていて、それぞれの時期をしっかりその年齢で演じ分けているのが素晴らしかったです。

他のお三方も若さ爆発のフレッシュさに溢れている演技で、中年バリバリには眩しかったです。

こういった好きなことに振り切れる人生を選ぶ勇気があってこそ、後世に残る出来事をやり通せるってことなんでしょうね。

男性陣は太く短く、ソニンさん演じる女性は二人の才能を広める才能を発揮出来たのかと。

物凄く派手な出来事は起こらず、穏やかな舞台でしたが、熱い情熱のこもる人生を見た気がします!


終演後のミニライブコーナーにて、歌唱中は撮影OKとのことで写真を撮りました。

スマホのクオリティが爆上がりしたことを改めて確認出来ました♪

自分の記事で分かりにくい説明をしていた
回転する二等辺三角形がこちら。
動画を撮る情熱的なファンの方々。
その中でおっかなびっくり風に激写。


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