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中古リノベマンションという「一点モノ」を買う・売るということ

4月から、cowcamo(カウカモ、と読みます🦆)という中古リノベーションマンションの仲介のお仕事をしています。

とはいえ新卒1年目なので、まだまだ見習い。最近ようやく、実際にリノベーション前・後の住宅を見たり、内見に同行する機会が出てきたり。

その中で、中古リノベーションマンションという「一点モノ」を売ることの難しさと奥深さを身に染みて感じています。

「一点モノ」という観点から、中古リノベーションマンションを買うとはどういうことなのかを考えてみました。不動産仲介の仕事に興味がある方、あるいは家を買おうかな〜と迷っている方、ぜひ読んでみてください。

(あくまでぼく個人が考えたことなので、会社を代表しての意見ではありません。ご了承くださいませ。)

自分らしいライフスタイルを叶えるための「一点モノ」

cowcamoというサービスは、東京の中古リノベーションマンションのセレクトショップのようなもの。それぞれ異なるリノベーションをされた、「一点モノ」のマンションを紹介しています。

首都圏にある新築住宅や新築マンションって、かなり画一的なことが多いです。だいたい同じような外観、同じような間取り、同じような内装。

でも、住まいって自分らしいライフスタイルを叶えるためのもの。そして、自分らしいライフスタイルって人それぞれ違いますよね。

自転車が好きだから、駅から遠くてもいいけど、自然があるところの方がいい
週3で自宅でリモートワークをするから、集中できるワークスペースが欲しい
どうせ夜しか自宅には帰らないから、日当たりはなくても大丈夫

ひとりひとり異なる「自分らしいライフスタイル」を叶えるための選択肢として、個性にあふれた「一点モノ」の中古リノベーションマンションをcowcamoでは紹介しています。

…こんな説明は、内定者の時からしていました。ただ、「一点モノ」を売るということがどういうことか、深く理解することはできていなかったなと思います。

代替品がないということ

そもそも、住宅って基本的には全て一点モノです。全く同じ間取りで、全く同じ場所にある住宅はありませんよね。

リノベーションされている場合は、より「一点モノ」としての色合いが強いです。

新築のマンションの場合は、一棟まとめて売りに出されることもあるので「7階の物件はもう埋まっちゃったけど、代わりに8階でもいいか」みたいなことができる可能性もあります。でも中古マンションの場合は、売りに出されるタイミングも様々。

なので、「こちらが売れちゃったから、似ているこっちにする」みたいなことができません。その時の出会いが、一回きりの奇跡的な出会い。代替品がないのです。

これは裏を返すと、どの住宅も「誰か1人」が求める物件だったら売れるということです。どんなに個性が強かったり、大衆ウケはしない物件でも、たった1人でも需要があればOKなのです。

状況や情報が流動的に変わるということ

物件にまつわる情報は、かなり流動的に変わります。

例えば売りに出されている期間中に、価格が変わることもしばしば。

また、マンション内の規約(ペット飼えるかどうかとか、最近だと民泊OKかどうかとか)もちょくちょく変わります。駐輪場・駐車場の空きとかも結構気になる情報なんですけど、その時点で空いているかどうかしかわかりません。実際に入居したときには埋まっていた…なんていう可能性も。

また、中古マンションに特有のものとして、マンションの管理組合がどのようにマンションの修繕計画(外装や設備のメンテナンスの計画)を立てているか、そしてその修繕計画を実行するための修繕積立金がいくら貯まっているのか、みたいな管理情報もかなり変動します。

不動産に紐づく情報は、こんな風に流動的で変化する情報が多いのです。「一点モノ」の住宅に、これだけ流動的な情報が紐づいているのです。管理がタイヘン。

だからこそ、各物件の情報をリアルタイムで取る必要性があります。新しい物件が売りに出されるたびに、売主や管理会社・管理組合に確認しないといけないのです。

これは、不動産業界のオンライン化が進みにくい要因の一つでもあるかもしれません。どうせ売主や管理会社に聞かなきゃいけないのなら、電話でパッと聞いちゃった方が早いみたいな感覚は、一定納得できるものだなと思います。

目で見てわからない情報が多いということ

先ほどもあげたような、物件に紐づいてくる情報は、間取りや内装といった目で見てわかる情報だけじゃありません。

追加リノベーションがしたいんですけど、この壁って壊せますか
このマンションの管理状態ってどうなっていますか
耐震性能はだいじょうぶですか

そんな「目で見てわからない情報」が、買うときのポイントになることが多いです。

これらの情報の元となるデータを確保するためには、お金もかかる場合も多いですし、前提知識がないと読み解けない、解釈できないものも。

この辺に不動産を「仲介する」という役割が介在する必要性があるんだろうなと思います。ただずらっと物件の客観的な情報が並んでいるだけでは、物件を買うことは難しいのではと思います。

過去に経験したことがあまりない、大きい買い物だということ

cowcamoではライフステージに合わせて住宅を住み替えていく世界を描いているし、実際にそういう人も増えてきています。家を購入するのが2回目・3回目という人もいるでしょう。

でも、まだ多くの場合、お客様は初めて住宅を購入します

そして住宅を買うって、めちゃくちゃ大きな買い物です。多くの人にとっては、人生で最も大きな買い物の一つになるのではないでしょうか。

だから住宅を買う際には、当然たくさんの不安が生まれます。いろんなことが気になってしまいます。

不安を丁寧に聞き取り、解消していくこと。そしてその不安の裏には、どんな願いがあるのかを一緒に探っていくことが大切なのかなと思います。

買うときも同じことが言えるかも🦆

ここまでは中古リノベーションマンションを「売る」側の視点が強かったですが、「買う」ときもこれまで述べてきたような特徴はポイントになりそうです。

まず、物件との出会いは本当に一期一会だから、「これだ」と思ったら意思決定のスピードが大事かもしれません。

だからこそ、事前に自分が住まいに求める軸や、その優先順位を整理しておくと、出会えたときに見逃さないでしょう。たくさん内見するよりも、腰を据えて自分の軸を見つめていく時間を取る方が良いかもしれません。

同時に押さえておくべきなのは、すべての条件を完璧に満たす物件は基本的にはないということです。すべてが「一点モノ」だからこそ、どこかは妥協する必要がある。

なので、住まい探しの軸に優先順位をつけることが大切なのです。

また、専門家でないとわからない情報が多いので、気になることは不動産のプロである仲介の人にどんどん聞くといいかもしれません。オープンに相談すればするほど、いろんな情報や機会を提案してくれるはずです。

cowcamoでは中古リノベーションマンションという「一点モノ」の物件を扱っています。だからこそ、ここまで述べてきたように理解すべきこと、注意すべきことがたくさんあります。

それは仲介の仕事においては難しさにもなりますが、一方で、そこにこそ仲介の仕事が存在する意味があるのだろうなあと思っています。

東京で家を買おうかな…なんて思っている方、ぜひ気軽に相談してみてくださいね。(宣伝)

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