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淡い感情/アフェクト

こんにちは。
最近、寒くなりましたね。
こういう時こそ、お家へ早く帰って暖かいものを食べてゆっくり過ごしたいものですね。

さて、今日は突然ですが「淡い感情」についてシェアさせていただきます。

みなさんは、感情というと「喜怒哀楽」を想像するのではないかと思いますが、「淡い感情」は「喜怒哀楽」とは少し違います。

「喜怒哀楽」のように大きな出来事を受けて湧き起こるものではなく、美味しそうな食べ物を目の前にしたら、ちょっと気分が上がる。ネガティブな言葉を聞くと、ちょっと嫌な感じがする。こんなほんの一瞬よぎる微妙な感情を行動経済学では「アフェクト」(淡い感情)と呼んでいます。

日々の生活の中でこの「アフェクト」によって意思決定に影響を与えることが頻繁に起こっています。



「アフェクト」は非合理な意思決定を生む

これは実際にあった実験ですが、ある精神科の医師を集めて、「患者さんAは退院しても良いかどうかを決めてもらった」実験です。
医師たちを2つのグループに分け、それぞれに違った表現で質問をしました。

【グループ1への質問】
「これまでのデータを見ると、Aさんと同じ症状の患者100人のうち20人が、他者へ暴力を振るったと推定される」
【グループ2への質問】
「これまでのデータを見ると、Aさんと同じ症状の20%が他者に暴力を振るったと推定される」

行動経済学が最強の学問である

2つの質問は表現が違うだけで、内容は全く同じです。
しかし、医師たちの判断にははっきりとした違いが出ました。
「100人のうち20人」と聞いたグループ1の医師たちは41%が退院を拒否。
「20%」と聞いたグループ2の医師たちで退院拒否をしたのは約半分の21%でした。「20%」と比率で言われてもあまりぱっとイメージが湧きませんが、「20人」という具体的な数字が「実際に暴力を振るう人間のイメージ」を喚起させ、医師たちの中にネガティブな「アフェクト」を生み出したのです。もし、人間が合理的な存在であれば、表現が変わっただけで意思決定が変わることはないでしょう。


「アフェクト」はどのように生み出されるのか

過去の経験が脳に残っていて、それが「アフェクト」を作っていると言われています。たとえば、犬をみると「かわいい」と感じる人もいれば、「噛みつかれるかもしれない」と感じる人もいます。視覚から入ってくるもので「どう感じるか」その微々たる感情の積み重ねがその人の「アフェクト」を形成していきます。

普段使っている言葉を思い浮かべてみてください。
ポジティブな言葉だとすぐに行動を起せそうですが、ネガティブな言葉だとできるだけ後回しにしようと考えませんか?
このように「アフェクト」が意思決定に作用し、実際の行動に影響していることが分かると思います。


ポジティブな「アフェクト」

ポジティブな感情は視野や思考の幅を広め能力・活力・意欲が高まり、人脈や活動の範囲が広がります。また、仕事の効率や質も上がります。
この感情によってビジネスに影響を及ぼしていると言えるでしょう。

アフェクトは淡く微かな感情なので多くの人は無意識です。

アフェクトは淡いものなのですぐに消えますが、逆にいえばすぐに生み出せます。大好きなコーヒーを飲んだり、お気に入りの写真をデスクに飾るだけでもいい気分になり、ポジティブなアフェクトを感じることが出来るのです。
ポジティブ・アフェクトを積極的に取り入れることは重要な仕事なのです。


ネガティブな「アフェクト」

「なんとなく、この仕事気乗りしないなぁ」という感情。
そのせいで、いつまでもその仕事に取りかかれない。
こんな経験をしたことはないでしょうか?

そんな時はまず「脳の中にネガティブ・アフェクトがある」と気がつくようにしましょう。次にそれを認めます。そして、「この仕事気乗りしないなぁ」と感じたら「なぜ、気乗りしないんだろう?原因はなんだろう?」と考えます。原因がわかるだけで落ち着けます。また、そのことを再評価し、「この仕事が終わればスッキリして早く帰れる」とポジティブなアフェクトに変えることもできます。ずるずると悩むよりも、再評価し少しでもネガティブアフェクトを減らしていきましょう。


喜怒哀楽より”淡い感情”が人の判断に影響する

人は頻繁に「はっきりとした感情」を抱くわけではありません。
むしろ日々の生活の中で「淡い感情」を抱く機会のほうが多いのです。

「淡い感情」は瞬時に行動に移すことができます。熟考して行動するものではありません。このアフェクトがあることで、いろいろな物事を時間をかけずに効率よく決めることができるのですが、無意識な意思決定に影響を与えるので、非合理な判断をしてしまうこともあります。


まとめ

ポジティブなアフェクトが良くて、ネガティブなアフェクトが悪いということではありません。どちらも深く理解し、合理的な判断をするには再評価することが大切なのではないかと感じました。

いかがでしたでしょうか?

「淡い感情」、日頃はあまり意識していないものだと思います。
しかし、この「淡い感情」が自分の人生に大きく関わっていることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

「淡い感情」アフェクトー大切にしたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。







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