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「給食室のいちにち」を読んで (大人の読書感想文) (#36)

こんにちは。
絵本「給食室のいちにち」という素敵な絵本に出会いました。
読んで感じたことを綴ってみたいと思います。

僕はたまたま、東京・神保町の大好きな共同書店 PASSAGE でこの本に出会い、表紙とタイトルに一目惚れし、我が家の本棚にお招きしました。

その後、夏の読書感想文コンクールの課題図書 (小学校・中学年) に選定されていることを知ったので、
もはや中学年を通り越して「学」も欠けて「中年」になってしまった僕も読書感想文を綴ってみます。
(あまりネタバレにならぬように・・・)

この絵本では、そのタイトルの通り、給食室の中の人がどんなふうに働いているか、その一日が描かれています。
この日のメニューは、みんな大好きカレーライス。
そしてその数、450人前。

食欲旺盛な小学生が、昼休みの時間を捻出するべく無我夢中で全力一直線に給食を食べる姿が思い浮かんできます。
しかし、450人分のお昼ごはんに関わる大人たちの、朝早くから日が暮れゆくまでの様子が、本当に事細かに描かれています。

例えば、
出勤時の体調や服装のチェック、
食材の納品チェック、
色々な理由で同じものを食べられない子へのケア、
お休みの子が多いクラスの分量調整、
提供前の最終チェックである「検食」など。

これを読んだ後にカレーを作りたくなるくらい、絵が魅力的であるのはいうまでもありませんが、
こんなリアリティあふれるストーリーも、とても魅力的です。

また、「人の多様性」ということも、受け取ったメッセージも一つです。
ストーリーの枠組みに大きくは絡まず、ライトに描かれているものの、
多様なバックグラウンドを持った人たちが働いていることが伝わってきます。
外国籍と思われる人、耳がきこえにくい人、別の夢を持ちながら働いている人、
それぞれが、それぞれにできることを通じて、450人分のカレーライスに向き合う姿。
僕には、コロナ禍を経てなんだか分断ぎみになってしまった世界に一石を投じているようにも感じられるのです。

この本は、2022年8月に第1刷が発行されました。まさに、コロナ禍が明けようとしている頃でしょうか。
裏表紙裏にあった、こんなメッセージがとても印象的でした。

2020年春からの新型コロナウイルス感染症の広がりとその予防のために、
食事中も人と距離をとって、会話を控えることが求められるようになってしまいましたが、本作は「対面で会話しながら食事を楽しむ」給食の本来のありかたを、その日常が一日も早く戻りますように、願いも込めて書いています。(編集部)

「給食室のいちにち」裏表紙裏より

食事とは、まるで車にとってのガソリン給油機のような、単なる栄養摂取の場ではない。
コミュニケーションの場であり、楽しむ場なのだ。
食事を通じて豊かな時間を過ごしてほしいという作者陣の願いを、ストーリーや絵からひしひしと感じるのです。

「いただきます」「ごちそうさま」
この言葉の向こう側にいる、給食室の「中の人たち」に思いを馳せてみると、また違ったものが見えてくるかもしれません。

もうまもなく始まる小学生の夏休みに向けて、小学生だけでなく、昔小学生だった方にもにもぜひおすすめします。
これをきっかけにお手に取ってくださる方がいらっしゃれば、すごく嬉しいです。

今日も佳い日で。

* * *

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