船着久稔

ライフサイエンス業界 専門保険コンサルタント 株式会社TSI

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最近の記事

新CRO保険が出来ました

お世話様です。 この度新しいCRO保険を保険会社とともに作り上げました。 これまでと違い国内の保険会社の商品です。 商品が出来るまで「CROとはなんぞや」という点からみっちりレクチャーさせていただきましたので概ね満足の商品となりました。 これまで躊躇していた国内のCRO各社もこの商品ですととても加入しやすくなると思います。 お問い合わせは 株式会社TSI Team Super Insurance 船着久稔 03-3667-7770 090-9003-7707 fu

    • 「薬の治験」で大量改ざん、組織ぐるみ不正の唖然 え?SMOで?

      おはようございます。 少し違和感があるので理解も含めて記しておきます。 そもそもSMOでこのような事件が起きたということが不思議です。CROがメーカー側に虚偽のデータを提供し「賠償責任を負う」というのは理解できるのですが、本当にSMOなのでしょうか? CROとSMOはご存じのとおりですので省きますが、CROの場合、1社がこのような不正もしくはエラーをおかして「データ」を使えないものとした場合は、賠償責任を問われるのが一般的です。 現実に事件は確実に増えていて、1例では

      • 創薬ベンチャー企業と賠償保険

        2023年5月から銀行系代理店と提携し、バイオベンチャー企業への賠償保険のご案内を進めております。 気づきがありましたので記録しておきます。 創薬ベンチャー企業で「臨床試験」まで進むまでに時間がかかり、賠償保険は最後に検討されるケースは少なくありません。 ただ、保険会社または代理店と関わるのは早い方が良いのです。 理由は2つあります。 一つは、プロトコル作成時に「賠償保険」の補償範囲の理解が必要であること。 これは、がんや心不全のフェーズによっては補償が必要とされない場合

        • CRO保険について

          今から20年近く前に「CRO保険」の商品開発に関わり、その後ライフサイエンス業界の賠償保険を専門に取り扱う代理店を起業し現在に至ります。 この度、新たな「CRO保険」が商品化されました。 正式にはもう少しかかりますが(約款を精査します)概ね完成して、これから忙しくなりそうです。 残念ながらグローバルには様々な規制がありますので、Chubb社のスペックには劣りますが、保険料面と国内クライアント向けには十分頼りになるものと確認しています。 弊社は代理店ですので「保険商品開発

        新CRO保険が出来ました

          海外のライフサイエンス企業との契約書

          おはようございます。 TSI船着久稔です。 今日は特に海外のクライアントとの契約について日本とは異なる文化的な背景から理解が必要!というポイントでご案内させていただきます。 海外のクライアントとの契約に「Insurance」の項目があります。つまり「契約にあたってこのように保険に加入すること」という項目です。 さて、例えば「この契約において貴社は我々に賠償責任を負った際に補償できる保険に加入すること」「その付保証明書を提出すること」 この程度の無いようでしたらそれほ

          海外のライフサイエンス企業との契約書

          CRO保険の現況

          お世話様です。 TSI船着久稔です。 最近のCROでの賠償事故はだいぶ少なくなりましたがクライアントからのクレームは増えている気がします。まあ、ほとんどはコストなのですが(ディスカウントを求められているようです)そのような中で気が付いたことがあります。 CRO保険の新規の加入者様の理由が「クライアントから保険加入を契約書上で求められた」ということが一番の理由であることが判明しました。 海外クライアントではなく日本の依頼者からです。 もう数年前ですが「CROのグロー

          CRO保険の現況

          劣化ウラン弾についてだいぶ誤解があるようなので専門ではないのですが記しておきます。劣化ウラン弾は人の健康被害を目的とした兵器ではなく戦車等に用いる砲弾の質量をあげて貫通力を上げるものです。 世界各国で保有されていて韓国もその一つです。 核分裂は起こしません。

          劣化ウラン弾についてだいぶ誤解があるようなので専門ではないのですが記しておきます。劣化ウラン弾は人の健康被害を目的とした兵器ではなく戦車等に用いる砲弾の質量をあげて貫通力を上げるものです。 世界各国で保有されていて韓国もその一つです。 核分裂は起こしません。

          臨床試験に賠償保険は必要なのか

          これは強制保険ではないので絶対に必要とは言えない。ということが正解となります。 しかし、世界的に見ても保険会社の保険商品を買って「被験者の健康被害に対する賠償」を備えることが一般的です。 日本ではGCP14条により「保険等を用いて」という一文がありますので、依頼者側の判断もさることながら施設側からIRB資料として(CRBも含む)求められることが多いようです。 被験者に対する「賠償」の他に「補償」というものがありますが、それぞれの違いについて説明します。 「賠償責任」は法律上

          臨床試験に賠償保険は必要なのか

          CRO賠償リスク

          CRO業界が負う賠償責任は、様々な要因によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。 データの誤りや不正確性による責任:CROは臨床試験においてデータを収集・分析する責任があります。もしCROが不正確なデータを提供した場合、それが後に臨床開発プロセスの中で問題を引き起こした場合、CROはその責任を負うことになります。 違反行為による責任:CROが臨床試験において法律、規制、契約等に違反した場合、CROはその責任を負うことになります。例えば、CROが試験の進行

          CRO賠償リスク

          臨床試験に賠償保険の付保が求められる場合があります。(ほぼ全件ですが) 任意なのに、なぜ? これはGCP14条の被験者保護の節に「保険等を用いて」と一文があるからで、施設IRBなども、その点で依頼者に保険付保を求めてくるのが一般的です。

          臨床試験に賠償保険の付保が求められる場合があります。(ほぼ全件ですが) 任意なのに、なぜ? これはGCP14条の被験者保護の節に「保険等を用いて」と一文があるからで、施設IRBなども、その点で依頼者に保険付保を求めてくるのが一般的です。

          CROのサイバーリスクでよく相談されるのですが、物理的な防御は難しいと思います。 アタックされた場合は結局お金がかかるので「保険」で。ということになるでしょう。その場合、「賠償」ではなく「費用」を重点に考えたほうがいいです。 TSI船着久稔

          CROのサイバーリスクでよく相談されるのですが、物理的な防御は難しいと思います。 アタックされた場合は結局お金がかかるので「保険」で。ということになるでしょう。その場合、「賠償」ではなく「費用」を重点に考えたほうがいいです。 TSI船着久稔

          海外で行う治験

          国際共同治験でなくとも外国で行う治験でも賠償保険付保を求められることは大概です。 いrbIRBからであったりCROからであったりはしますが。 現地で入る方法もありますが本邦で現地をたん担保した保険契約をする方が多いですね。 理由は保険契約を正しく理解しておくことも依頼者に必要なことだから。ということもありますね。 株式会社TSI 船着久稔

          海外で行う治験

          治験保険の保険料算出

          一般的には症例数と試験期間、プロトコルの内容。 補償責任を担保するか否か。 と言うようなことで計算します。 細かくいえばフェーズや剤型、医薬品、医療機器によっても算出基礎数字が異なります。 あ!後は保険金額(リミット)ですね。免責金額とか。国内か海外かでも異なります。 明日は国内試験の見積もりです。 臨床研究も概ね一緒です。 TSI船着久稔

          治験保険の保険料算出

          海外治験補償ガイドライン

          日本の臨床試験で補償を担保して実施しようとすれば、補償ガイドラインは医法研ガイドラインが一般的です。保険商品も賠償の特約として保険契約が可能です。(一部免責以外) 海外では独自のガイドラインがあったり、ABPIガイドラインであったり、アメリカのように賠償のみで補償という概念が薄かったりと、それぞれの事情の理解が必要です。先ずCROが教えてくれれば良いのですが、実情としては依頼者が引き受けて保険会社を探して慣れない保険契約を結んでいるケースも少なくありません。 気をつけなければ

          海外治験補償ガイドライン

          被験薬の提供

          海外治験または臨床研究に被験物質を提供する際も保険付保を求められるのですが、医薬品PLでは、ダメな場合があるのです。 未承認薬は製造物と異なると言う考え方で、これを保険会社に説明するのが結構な面倒くささで… 最近増えてますでしょ

          被験薬の提供

          CROのグローバルリスク

          日本には多くのCROが存在しています。 国内の受託(ICCC含む)でもクライアントへの経済賠償事案は増えてきていて、保険で賠償することも多くなりました。 ところで海外でのCRO業務は可能性と同時にリスクもグローバル化するわけで、クライアントとの契約書をみても理解が足りないとポイントがずれていて、いざという時に役に立たない可能性も出てくるわけです。 契約書のだいたい11条〜に「insurance」の項目があるのですが、契約ですので大事な事なのです。 あ、あとサイバーリスク

          CROのグローバルリスク