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freee+専門SaaSでのバックオフィス効率化

2020年のBrownies Worksの集大成としてBrownies Fes. Specialを2020年12月3日に開催しました。ゲストに5つのツール(freee、invox、board、STREAMED、Manageboard)の担当者さんをお招きするてんこ盛りの内容で、Zoom&Youtube配信で130名を超える方々にご視聴いただきました。

もともとBrownies Fes.はBrownies Worksが基本的にはすべてリモートで完結するサービスのため、「リアルのイベントで接点を増やしたい」という思いで始めたものでしたが、リアルで開催できたのは結局1回目のみで、コロナ禍になったため、結局は以降の4回はオンラインイベントになってしまいました。

会場のキャパ制約がないため、今回のように100人超でも、東京にいなくても、ご参加いただけるというメリットはあるものの、オンラインイベントだと参加者の反応がダイレクト見れないため、主催者としては若干寂しいところはありますが、参加者のアンケートやSNSでの「とても勉強になったという」フィードバックを励みに開催しています。

イベントレポートについては、後日こちらのマガジンで発信していきますので、気になる方はぜひフォローをお願いします。

このnoteでは、今回のイベント企画にいたった背景やバックオフィスDXの本質について考えていることなどを書いていきます。

1. freee+専門SaaS

今回は以下のスライドで登壇しました。

Brownies Worksそのものが、freeeを中心におきながら、いくつものSaaSを連携させて設計・運用をするサービスになっています。今回はその連携の仕方や事例紹介ではなく、業務全体を効率化するために私たちがどのように考えて業務設計をしているか、という考え方に触れてもらいたいと思ってこのスライドを作りました。

実はちょうど1年前の2019年12月、今回のイベントのきっかけとなる会食がありました。STREAMEDを提供するクラビス・菅藤社長からManageboardを提供するナレッジラボ・国見社長をご紹介いただく席だったのですが、色々な話をする中で国見社長から「ManageboardをfreeeとAPI連携したいのですが、担当者さんをご存じないでしょうか」とご相談いただいたのです。

僕はエンジニアではないですし、プログラミングはできないのですが、IT系スタートアップでの経歴が長いこともあって、クラウドやAPIという概念は会計界隈の中ではかなり理解している方だと思います。freeeさんのAPIのイベントで登壇したこともあって、APIのチームの方との交流もありました。

世間的に見れば、freeeとMFグループはクラウド会計周辺でバチバチしています。会計界隈はかなり閉鎖的な世界ということもあり、こういうライバル同士が連携するということはなかなかイメージできない方も多いでしょう。

実際に、freeeとMFグループの間は横のつながりはほとんどなかったらしく、Manageboardを躍進させるためにfreeeとのAPI不可欠だとMFグループとして意思決定してもツテがなく、たまたま会食の予定があった僕にご相談いただいたという経緯でした。

その後、両社の担当者をおつなぎさせていただき、無事にAPI連携がスタート。そして、このイベントの数日前にはついにfreeeアプリストアにManageboardが掲載されるというニュースリリースもありました。

実は会食の際に「連携ができるようになったら、うちが主催するイベントにfreeeさんとナレッジラボさんで一緒に出てください」という話もしていました。それが1年の時を経て、こうして実現できたことは本当に感慨深い限りです。

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freeeはこの図のように、単なる会計ソフトというよりも会計データを集約する箱であると僕は考えています。会計ソフトとしてのガラパゴスな進化を追求するのではなく、SaaSやAPIが発展していく時代ならでは考え方です。

今回のFes.は、せっかくなのでManageboardさんだけでなく、このfreeeに連携する複数の専門SaaSに登壇していただき、次世代の会計業務のイメージを広げていただきたい、という思いで開催しました。

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freee単体でも一通りの処理は完結するのですが、あくまでもスモールビジネス向けの機能レベルになっていますので、処理量が増えたり、複雑化した際は専門SaaSと連携させて、レベルアップをさせるということが可能だということを認識していただければいいかと思います。

2. システム導入はDXではない

バックオフィスに限らず、2020年はあらゆるところで「DX」という言葉がバズワードとなりました。しかし、その大半がシステムベンダーが「新しいシステム」を売り込むためのお題目に過ぎず、多くは当初期待された効率化も変革も成し遂げられずに失敗に終わるでしょう。

これまでもみんなが非効率だと思っていたものはハンコや紙の書類など数多くあったはずですが、それらの改革はずっと先送りされてきました。それがコロナによって変えざるを得なくなったのです。東日本大震災をきっかけにLINEが大ブレイクしたように、社会の変革とはこういう大きな出来事をきっかけに起こるのでしょう。

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「DX」として語られる事例の多くがデジタライゼーション止まりです。タチが悪いものだと、デジタイゼーション止まりのものもあります。ピンチはチャンス。この機会に根本から仕組みややり方を変えることができた企業だけが真のDXを実現し、生き残るでしょう。なぜならば、アナログとデジタルでは生産性が数百倍以上も差がつくからです。

業務フローすべてをデジタル化し、DBを1つに集約するためにはこれまでは相当な金額の投資が必要でした。それがSaaSやAPIの普及によって中小企業でもきちんと組み立てれば実現ができる時代になりました。そのために最も必要なものは高度な機能やセキュリティではありません。業務をデジタル上で行うために、全体を再設計することができるスキルです。

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「ITを導入することでコストを削減する」という観点が全く不要だとは思いませんが、それを目的にしてしまうとすぐに行き詰まります。テクノロジーの得意なところも苦手なところもきちんと把握した上で、人間は考えることや判断することに特化する。それが正しいITの活用法です。ITを魔法のように過度な期待をするのもダメだし、人間がやる必要のない単純作業を従業員にいつまでもやらせるのも意味がありません。

DXというバスワードに踊らされるのではなく、デジタルを活用して変革(トランスフォーメーション)を成し遂げるためには、まずは今やっている業務をそのままにすることはできない、ということを理解し、システムを選ぶ前に徹底的に業務やデータの取り扱いを見直すことが重要なのです。

ITベンダーの口車に乗せられる前に、まずは自分たちの業務をしっかりと再構築するという覚悟が必要です。

3.税理士には税務や経営支援のプロであって欲しい

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税理士事務所や社労士事務所は、税務や労務の専門的なサービスももちろん提供していますが、記帳や給与計算などの事務作業の代行で生計を立てているところが多いのではないでしょうか。顧客がそれらの作業を行う手段を持たない時は、非常に有効なビジネスモデルだったと思います。

しかし、会計や労務分野のSaaSが進化し、インターネット上で専門的な情報をいくらでも入手できるようになった現代において、専門家が提供するオペレーションサービスの価値は相対的に低下しています。

会計も税務も労務も非常に奥が深く、専門家の知識と経験は非常に重要です。しかし、前述のように多くの士業事務所が事務作業サービスにリソースを投下しすぎた結果、専門家の対価に見合うだけの価値を提供できる事務所はかなり少なくなってしまいました。

Brownies Worksを作ったときに考えていたのは「税理士事務所から仕事を奪うのではなく、税理士事務所と協業できるサービスになる」ということです。会計や税務の知識だけでは業務全体の再設計はできません。ITが苦手と言っているようでは話になりません。

餅は餅屋と言いますが、Brownies WorksはIT×会計・労務×設計力を総合的に兼ね備えたサービスです。税理士事務所の職員の方々が、これから苦手なITや業務全体の解像度を高めるのではなく、Brownies Worksと連携いただくことで、顧問としての税務アドバイザリーや経営支援に注力できるのではないか、そんなことを考えています。

働き手が少なくなり、人件費が上がっていく中で、アナログで非効率な事務作業を低単価でやってくれる人を見つけることそのものが難しくなります。記帳代行のために大量の紙の書類を回収してから、ようやく作業をはじめるのではダメなのです。

記帳以前に、取引そのものが発生するプロセス全体を再構築し、処理をすべてデジタル化することで、効率化や自動化が可能になり、人間は知識と経験に基づいて確認や判断をすることだけに注力できる。そういう状態を作り出さなければいけません。

今はまだなんとか持ちこたえられているかもしれません。しかし、5年後、10年後に、紙だらけのアナログな業務を続ける事務所で働いてくれる人はいなくなるでしょう。事務作業に忙殺されても知識は身につきませんし、なによりも生産性が低すぎるために、給料も低いままだからです。

Brownies Worksは税理士事務所とのパートナーシップを強化していきたいと考えています。SaaSをフル活用したバックオフィスの再構築&運用で、顧客の業務効率化を実現しつつ、適切な月次決算の数字がタイムリーに把握できることで、税理士事務所はより高いレベルの税務アドバイザリーや経営支援が可能になる。それが結果として顧問先の業績を伸ばすことにもつながります。

Brownies Worksはリモート対応のサービスですので全国どこでも対応可能です。業務全体の再設計やSaaSの移行・導入などを私たちが主導させていただきますので、ぜひ一緒に顧問先のDX推進を進めていただければと思っております。

ご関心をお持ちいただいた税理士事務所様は、こちらのフォームよりお申し込みをお願いいたします。Brownies Worksの詳細や連携の仕方については、オンラインミーティングで詳細にご説明もさせていただきます。

Brownies WorksおよびBrownies Fes.はこれからもバックオフィスの方々及び士業事務所の方々にとって有用は情報発信を続けていきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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