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短気:現状に疑問をもち改善し続ける

プログラマ三大美徳を次世代バックオフィス人材に当てはめてみる企画。前回は『怠慢』について書きましたので、今回は『短気』について。

バックオフィスは細かい業務がいくつも組み合わせてできています。ルーティンワークも結構ありますが、年に数回しか発生しないような単発のものもあります。マニュアルでしっかり定められたものもあれば、なんとなく運用されてきたものもあるでしょう。

これまでのバックオフィスでは「決められた通りに処理する」のが常識とされてきました。どんなに非効率な手順であっても、無駄だと思える手続きであっても黙々と処理することができるのが優秀なオペレーターでした。会計ソフトや税務申告ソフトなどは、UXデザイナーが見たら気絶してしまうほどひどいものが、現場で使われています。

次世代バックオフィス人材は、そういうやり方や仕組み、システムに怒りを覚えなければいけません。なんのためにこんな手間がかかることをやっているのか、そもそもこの手続きは必要なのか、疑問を持ち、改善しようとするのが優秀な人材です。

処理することは目的ではありません。マニュアル通りに処理するだけなら、早々にシステムに代替させるべきです。意味のない処理をどんなに頑張っても成果はゼロですし、時間をかけても成果に影響がないのであればその手間は無駄です。

ただし、その怒りは前任者に向けてはいけません。それを作った当時はそれが正しかったのかもしれません。そして、システム開発者に文句をいってもいけません。現場から出された要件がそもそも間違っていた可能性があります。

業務システムがSaaS中心になるにしたがって、「業務をシステムに合わせる」ことが重要になってきていますが、それにはシステム開発者が「ベストプラクティスにしたがって機能を開発できている」必要があります。すべての業務要件をシステム開発者が把握するのは不可能ですし、作った当初から要件が変わった可能性もあります。

次世代バックオフィス人材は、システムの仕様に感じた怒りをそのまま開発者にぶつけるのではなく、「こういう業務要件を実現したいので、ここはこういう仕様になっていると嬉しい」という風に前向きなフィードバックをするべきでしょう。

SaaSは個別にカスタマイズするのではなく、自分がやりたいことを実現するために併走してくれるパートナーです。「使いにくくても我慢する」のではなく、パートーナーにもっといいものになってもらうために、適切なフィードバックを粘り強く行いましょう。

変えることは悪ではありません。これまでずっとやってきたやり方がベストとは限りません。SaaSの機能も、業務フローも常に見直して改善していくべきです。いつまで経っても完成はしないのです。

非効率な仕組みに耐える必要はありません。ましてや、非効率な仕組みのままシステム化するのは最悪です。まずはその非効率さに怒り、知恵を絞り、改善をすることを諦めてはいけません。

改善の第一歩は怒りなのかもしれません。

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