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引き継ぎの機能不全

こんにちは、BYARDの武内です。
BYARDは全員がリモートワークで働いていて、私も基本的にはずっと自宅の書斎で仕事をしています。社内外のオンラインミーティングが頻繁に入っているせいで、外出ができない、という方が正しいのかもしれません。

会議のために移動するということがなくなり、業務効率はあがったかもしれませんが、ずっと同じ場所でモニターを見つめていると気分転換が難しいことも事実です。

スギ花粉も飛ばなくなり、少しずつ暖かくなってきたので、最近では会議と会議の間が空いている時は、気分転換に近所の公園を散歩するようにしています。10〜15分ぐらい外の空気を吸うことで驚くほど心身ともリフレッシュしますね。

さて、今回のnoteは「引き継ぎの機能不全」についてです。

1.異動と引き継ぎ

スタートアップ界隈ではあまり見ないのですが、日本企業の多くには定期異動(ジョブローテーション)があります。ジョブ型雇用では本人の意思を聞かずに異動辞令がでることはあり得ないのですが、メンバーシップ型雇用であり、特にスキルを持たない新卒を採用し、ジョブローテーションを通じてスキルを磨きながら育てていく、という考え方がこの慣習を正当化してきました。

また、特定の人物が同じポジションに長期間留まることは不正のリスクにもなり、特に金融や役所では3年程度で定期異動をすることが慣例になっているようです。

異動が発生すれば、引き継ぎが必要になります。しかし、これだけ異動というイベントが当たり前になっているにも関わらず、引き継ぎを体系立ててしっかりやっているというケースは、ほとんど見たことがありません。

異動の辞令が出てから着任までは1〜2週間程度。その半分の期間を現在の職場で引き継ぎを行い、残りの半分で新しい職場で引き継ぎを受ける、というのが一般的だと思います。期間は短く、かつ「引き継ぎをしてください」ということは決まっていても、何をどのように引き継ぐかは当事者任せというケースがほとんどです。

BYARDを開発するにあたって、かなりの人数のバックオフィスの方とお話しをしたのですが、一定規模以上の日本企業の方からは必ずといってもいいほど、「引き継ぎがうまくいっていない」という課題が出てきました。

また、BYARDのユーザーでもあるクラウドサーカス・辻田様からは「当事者同士の引き継ぎがブラックボックスで行われることによって、属人化が進む」という指摘もありました。

マニュアルやチェックリストを引き継ぎの際に頑張って用意したとしても、細部はどうしても抜け落ちてしまい、口頭で補足するにしても限界があります。そして、「マニュアルがあれば誰でもできる」レベルのマニュアルを作ることは普通の人間には容易ではありません。

異動はもちろんのこと、退職や休職などでも引き継ぎは発生します。組織で仕事をする以上は、引き継ぎからは逃れられないにも関わらず、引き継ぎという行為についてはほとんど振り返りも分析も行われることなく、放置されています。

引き継ぎが機能不全を起こし、それらが積み重なって、結局あらゆる業務が属人化していくのです。

2.引き継ぎを滑らかにするBYARD

BYARDを開発しようとしていた時期に、オンライン上でマニュアルを共有するツールはTeachmeBiztoaster teamがあり、タスク管理ツールとしてはAsanaTrelloBizer teamがあり、様々な企業で導入されていました。でも皆さんが口を揃えて「引き継ぎや共有がうまくいっていない」と言う。

マニュアルツールやタスク管理ツールをもっと使いやすいものにしたり、機能を追加したとしても、この問題は解決しないだろう、と私は直感的に思っていました。

引き継ぎのことも含めて、様々な要素を考慮した上で、BYARDは「ストリーム」という概念を構築しました。

BYARD社内でも、プロダクトとしてのBYARDはフル活用していて、様々な業務をストリーム上で回しているのですが、先日、私が作った「リーガルチェック」のストリームを使って、いつの間にか契約書レビューが法務に依頼されている、ということがありました。

BYARDの契約書は、SmartHR社の法務部門がレビューや反社チェックなどを実施してくれる体制なのですが、依頼から完了、契約書の送信・締結までをストリームにしています。

BYARD社の「リーガルチェック」ストリーム

私自身がバックオフィス領域が長いので、この手の業務に全く苦手意識がなく、BYARD社内の法務や経理の取りまとめはまだ当面私がやっていくつもりでしたが、とりあえずストリームだけは作って、それでSmartHR社の法務とやり取りはしていました。

しかるべきタイミングでは、社内メンバーには引き継ぐつもりだったので、ワークカードの中のタスクもきちんと書いてはいたのですが、まさか引き継ぎのミーティング等がない状態で勝手に業務を回してくれるというのは、嬉しい誤算でした。

BYARDはまだ小さい組織であり、業務もシンプルだからできたという要素はもちろんあります。ただ、私が作っていたのが、従来のマニュアルやチェックリストだったら、おそらく口頭での補足説明が必要だったはずです。

BYARDのストリームは「業務の棚卸し」「業務プロセスの共有」という部分に魅力を感じていただける方が多いのですが、どの企業でも根深い課題である「引き継ぎ」についても、かなり滑らかに実現してくれる仕組みになっていますので、異動が多い組織でもぜひ活用してみてください。

採用関連情報

BYARDは積極採用中です。求人一覧にない職種でも「こういう仕事ができる」というものがあればご連絡ください。

まずはカジュアル面談からで結構です。お気軽に30分お話ししましょう。


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