見出し画像

いいアウトプットのための3STEP

ビジネスとは「いかにいいアウトプットができるか」ということにつきます。営業トークと資料作りや、聴衆を熱狂させるためのプレゼンテーション、現場のマニュアルや仕様書、要件定義書まで、すべてはそれを作る人のアウトプットの質で決まります。ではいいアウトプットをするためにはどうすればいいのでしょうか。今回はいいアウトプットのための3STEPを解説します。

1.ざっくりとアウトプットの形をきめる

まずはざっくりとアウトプットの形を決めましょう。

一番良くないのが、この過程をすっ飛ばして、いきなり資料探しやデータ集めをしてしまうパターンです。最終的なアウトプットのためにはもちろんインプットが必要ですが、闇雲にインプットしてもその情報が使えるかどうかの判断基準がないため、非常に非効率です。

そのアウトプットによって達成したい目的(「製品を買ってもらうこと」「プレゼン大会で優勝すること」など)をしっかり見据えて、まずは受け手がその目的に到達するためのストーリーを組み立てなければなりません。

そして、組み立てたストーリーに沿って、ざっくりとしたアウトプットのイメージを固めていきます。起承転結の流れであったり、各スライドのタイトルであったり、人によってこの段階の粒度は様々だと思いますが、まずは全体の形をつかむことが重要です。

そして、ここで初めて「インプットするべきもの」が見えてきます。学術的な研究データや競合調査、市場調査、関連分野の書籍はこの段階で収集するのです。実際に探してみるとしっくりする情報が見つからない場合もあるでしょうが、ただなんとなく関連する書籍やサイトを読みあさるよりも遙かに効率的です。

2.一気にインプット"だけ"をする

インプットするべきものが明らかになれば、次はインプットの段階へ進みます。ここで重要なことはインプット"だけ"をすることです。よくインプットをしながらアウトプットをしようとする人がいますが、とても非効率です。学生の論文やレポートで関連書籍を丸写ししたようなものによく遭遇しますが、まさにこの典型です。インプットした情報を自分の中で咀嚼することもせずに、なんとなく並べてしまうからそうなってしまうのです。

自分の中で「知識」と呼べるところまで昇華するためには、とにかくいったん自分の中に取り込むことに集中する必要があります。それが細部まできちんと理解できている必要はありません。関連する分野の書籍を数冊読めばだいたいの概要が理解できてきます。インプット"だけ"をすることによって、理解度や情報収集の効率は圧倒的にアップします。

この段階で当初想定したストーリーが180度変わってしまうような場合は、再度アウトプットのイメージ作りに戻る必要がありますが、多少の修正は想定の範囲内です。本当のアウトプットはこれからなので、次のステップに進みましょう。

3.アウトラインを作ってからアウトプットしていく

当初作ったアウトプットのストーリーは念頭に置きつつ、ここでしっかりとアウトラインを固めます。いわゆる章立てやプレゼンの流れに相当するものです。マインドマップを使う人、アウトライナーを使う人、ポストイットを使う人、色々いるとは思いますが、中味をいきなり作り始めるのではなく、全体の流れをしっかりと作ることが重要です。コンサルティングファームなどでは「ブランク資料」と呼ばれている資料の作り方がこれにあたります。

絶対に最初の部分から書き出したり、スライドの中味を作り始めてはいけません。細かい部分を作り上げるのは一番最後。重要なのは全体の流れの中でその部分が必要か、それによって効果的に相手に伝わるか、ということなので、アウトラインがしっかりしていなければ細かい部分を作り込んでも無意味です。

ここまでの3STEPを践んで、ようやくアウトプットに本格的に取りかかれます。この3STEPをきちんとやったかどうかがアウトプットの質を決めます。いきなりパワポに向かって資料を作り出してはいけないことを肝に銘じておきましょう。

■おわりに

このステップの中で多くの人ができていないのが、2つめのステップの「インプット"だけ"をする」ことです。インプットとアウトプットはきちんと切り替えなければ非効率ですし、インプットしたものが自分の中で消化されません。特に本を読む場合などは、一気に最後まで読み切ってしまってから、アウトプットに取りかかりましょう。

この手順は、質がいいアウトプットができるだけでなく、実はとても早くアウトプットができるためのコツでもあります。遠回りのようで、無駄がないので実はとても早く最終成果物にたどり着けるのです。いつも期限ギリギリに徹夜で資料を仕上げていたりする人もぜひ試してみてください。


ノートの内容が気に入った、ためになったと思ったらサポートいただけると大変嬉しいです。サポートいただいた分はインプット(主に書籍代やセミナー代)に使います。