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バックオフィスのDXの進め方

コロナウイルスの影響によってこの1、2ヶ月間の働き方を在宅勤務に変更された方も多いでしょう。弊社はもともと全スタッフがリモートワークで働いていますが、2月まではなんだかんだで週に2、3回は打ち合わせなどで外出していました。それが、3月と4月の打ち合わせはすべてオンラインミーティングに移行し、駅前に借りているオフィスに行く回数も極端に減りました。

この外的要因による強制的な変化によって「DX(デジタルトランスフォーメーション)」というキーワードが再び注目されています。まだ2020年の前半ですが、早くも今年のビジネス界隈のホットワードだという話まででてきています。そんな時流もあって、AI Travel社主催のセミナーで『バックオフィスのDXの進め方』というテーマで登壇してきました。

持ち時間15分しかないなか、ちょっと駆け足での説明にもなってしまったので、このnoteでは少し丁寧に解説していきたいと思います。

1.DXに取り組む必要性

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いまさら改めて説明するまでもないですが、これからの日本の生産年齢人口が減少一途を辿ることは火を見るよりも明らかです。2020年時点でピークの1995年の84.2%、2060年には50.7%まで減少すると予想されています。

この事実を受け止めた上で、日本の生産性を維持するには効率化するしかありません。そのためにはデジタル技術を活用してビジネスを大きく変革をしていかなければなりません。これがDXです。

しかし、日本企業は仕組みを根本から見直して再構築することが非常に苦手です。効率化できるツールはあるのに、「やらない理由」を見つけてはそれらの導入を先送りにしてきました。

IT化推進といいながらも、小手先の対応でデジタライゼーション止まり。ITオンチの上層部も多く、ITに過度な幻想をいただくものの、根本的な仕組みの見直しには手をつけず、付け焼き刃のシステム開発・導入を繰り返してきました。儲かるのはシステム開発会社だけで、コストはかけても生産性はまったく上がらず、という事例がゴロゴロしています。

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ITは魔法ではなく人間の仕事を支援するツールです。これまでの人間がやっていた仕事のプロセスを単にデジタルに置き換える(デジタライゼーション)ではなく、ITのポテンシャルをフル活用して柔軟な発想で仕事の仕方や仕組みを根本から作り替えること(デジタルトランスフォーメーション)をしなければ、人口減少によるリソースの減少を補うような効率化はどう考えても不可能です。小手先のIT活用では話にならないのです。

ましてや、システムを導入する=DX、ではありません。システムをきちんと業務フローに組み込んで全体を圧倒的に効率化させることが目的です。そのためには、システムの選定や導入検討以前に、業務全体の最適化が必要になってきます。

2.業務フローとデータフロー

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DXを考える上でもう1つ重要な視点が「データフロー」です。デジタルファーストで運用全体を再構築するためには、業務フローだけではなく、データをどのように流して、処理をするかという観点で最適化しなければいけません。

SaaSとAPIが当たり前になりつつある中で、複数のシステムを組み合わせて運用を組み立ていくことは珍しくなくなりました。ただ、その分だけ、業務フローとデータフローをきちんと整えて全体を設計するという難易度は確実にあがっています。

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今までやっていたことをそのままシステム上で再現するのは無意味です。デジタルな情報処理を前提とし、アウトプットから逆算して最適な形に業務フローを作り替える必要があります。多くの場合は、システムに合わせて業務フローを最適化させていくことになります。

3.バックオフィス業務の変換点

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バックオフィスにはアナログな仕組みが多く、仕事の中に「作業すること」の比重がこれまでは多かったと思います。しかし、DXによって仕組みが大きく見直され、「人間の作業を必要としない」ようになると、作業を自分の仕事だと思っていた人たちは職を失うでしょう。これが、AIの台頭によってなくなる職業の上位に「経理職」などが入っている理由です。

しかし、観点を変えて「作業がある程度完了した状態からスタートできる」ようになるということは、これまで膨大に作業に忙殺されてたどり着けなかった付加価値業務にきちんと人間のリソースを割くことできるようになる、ということでもあります。

仕訳伝票をひたすら打ち込むような仕事はどんどんなくなっていく一方で、会計知識や経理管理をする上での分析やシミュレーションなどのスキルはますます重要性が高まっていくでしょう。

これからのバックオフィス人材に求められるのは、処理のスピードや単調な作業を黙々とこなす忍耐力ではなく、ITを活用した業務フローの構築できるスキルや、処理工程において人間の判断が必要になるポイントで正しい判断できる知識と経験値です。

一つだけ確実なのは、今までの仕事の仕方の延長線上には答えはないということです。小手先のデジタライゼーションではなく、デジタルファーストで運用全体を見直したDXしたバックオフィス。そこで活躍する人材像はいわゆる「事務職」とは全く違うものになるでしょう。

この変化を脅威と見るか、チャンスと見るか。

その捉え方ひとつで、10年後に生き残っている人材になるかどうかが決まる。そんな大きな転換点に私たちは立っているのかもしれません。

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業務設計士、税理士。金融系での商品開発、システム企画を経て、会計事務所に勤務して税理士資格を取得。その後、ベンチャー企業のバックオフィスを中心に営業やマーケを含めた業務改善を手掛ける。バックオフィス×ITという領域で、ツール導入から運用設計まで幅広く手掛けています。

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自分自身の業務改善から組織全体の業務改善まで、仕事に役立ちそうなノウハウや情報を書いています。色々な仕事の情報やノウハウをつなぐ1つのピースとして役立ててもらえれば嬉しいです。

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