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ミュージカルを”新解釈”したジャズ的イノベーションに学ぶ創造力

マイルス・デイヴィスは いつも 歌っていた

オレは、地球上で最高のサウンドは人間の声だと思っている。だからシンガーが歌うようにトランペットを吹いている。

曲の歌詞の意味 作られた背景 を知った上で マイルス流の『新解釈』を加えることで ジャズ・スタンダード曲を創造していったと思っています


定説や当たり前を”ぶっ壊す”


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【定説】を起点にして 【逆説】を考えて 【新解釈】を創造する


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マーケティング発想で考えていくと

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国内線に絞って考える

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【原点】【定説】【当たり前】を徹底的に調べぬく

「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」 原理原則を調べつくす


【引き算】していって【足し算】 【引き算】していって【掛け算】

『オリジナル』に対する”リスペクト精神”があるので 

インスパイア されて オマージュ が創造される


【 0→1 】を生み出すことは極めて難しく ヨーゼフ・シュンペーターの解説にあるように 

イノベーションは「新結合」

当たり前を疑うことからスタート

『定説』を起点にして『逆説』を考える 


『定説』の”原理原則”を十分に理解した上でないと 『逆説』は立てられないと思います



現状維持が好きな人が障壁?


『攻撃こそ最大の防御』 というフレーズがありますが

『現状維持が最大の防御』と考えるようになると

自分が知らないことは まず否定から入る 「それはダメだな」「時期尚早だな」「もう少し検討してから」


「試してもないのに 分かるのか?」ってツッコミを入れたくなるんですが 実は 大企業では多いシーンなんです

これが 新しい発想を潰す壁 なんです



『It Never Entered My Mind』


1940年に初演されたブロードウェイ・ミュージカル『ハイアー・アンド・ハイアー(Higher And Higher)』の中の1曲

【リチャード・ロジャース(作曲)ロレンツ・ハート(作詞)】

ミュージカルのストーリーはコメディ 歌詞の中に何度も登場フレーズ

It Never Entered My Mind 「そんなこと考えてもなかった」

て感じで 笑い飛ばす感じの ”失恋ソング”


ベニー・グッドマン(作曲者の意図に近いと思われる)バージョン


1949年 フランク・シナトラが SPアルバム『フランクリー・センチメンタル』でリリース 

この曲は スロー・バラード で録音されました


ブルーノート1502番『マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.2(Miles Davis Volume 2』(1954年3月6日録音)で この曲は取り上げられています(この当時のマイルスは ヘロイン依存が悪化して低調な時期)


アルバム4作分の演奏を一気にレコーディングしてしまったという伝説のマラソンセッションによって作られたアルバム『WORKIN'(PRESTIGE 7166)』で再度 この曲を演奏します

1954年と同じ編成の同じアレンジですが

トランペットにハーマン・ミュートを付け マイルス・デイヴィス流の『新解釈』で創造された

( 録音:1956年5月11日 / 10月26日)バージョン


ジャズで演奏されるのは バラード

ミュージカルで演奏されるのは インテンポ(譜面どおりの正確な拍子)


作者の意図と違うのかもしれませんが ジャズ・スタンダード曲として多くの演奏者から取り上げられています



「そんなこと考えてもなかった」


他人から言われて

「あっ!そうか そんなこと考えてもなかった」

と気がつかされることは多々あります


楠瀬啓介さんの投稿は いつも勉強なって刺激をもらっているのですが 

この投稿通り『元ネタは案外古い』ところにあるんでしょう


私はよく『着眼点』という言葉を使うのですが 


鳥の眼 ・・・・・全体を俯瞰して見る

虫の眼 ・・・・・細かいことを見る

魚の眼 ・・・・・流れ(トレンド)を見る

コウモリの眼 ・・ひっくり返ってみる

鷹or鷲の眼 ・・・サイバー空間を見る


オフィスのデスクに座っていて アイデアが浮かばなければ 外出して歩きながら考えてもいいし 誰かと雑談することによって 何かが閃くかもしれません

時には ボーっとして 外の景色を見ていることも大切です

時には コーヒー飲みながら BGMを聴き込んでみるのもいいのでは?



まとめ


自分の知らないことを否定するのが一番の無知


SNSの誹謗中傷問題も 相手を否定 することから始まります


『ダイバーシティ』『インクルージョン』『ビロンギング』が重要と言われている時代において 

試してもいない やってもいない ことを「まず 否定する」 考え方を変える


こんなところから 変えないと イノベーションは生まれません


「若者」「よそ者」「変わり者」 寄ってらっしゃい

それくらいの寛容さが 必要でしょう




【雑感】マイルス・デイヴィスのアイドルがフランク・シナトラという噂は本当か?


マイルス・デイヴィスが演奏したミュージカル曲

『My Funny Valentine』

1937年 ミュージカル『ベイブス・イン・アームス(Babes in arms)』で発表された曲【リチャード・ロジャース(作曲)ロレンツ・ハート(作詞)】

マイルス・デイヴィス(録音:1956年10月26日)バージョン


『I Fall in Love Too Easily』

1945年 『錨を上げて(Anchors Aweigh)』というミュージカル映画で フランク・シナトラが歌った曲【ジューリー・スタイン(作曲)サミー・カーン(作詞)】

アルバム『Seven Steps to Heaven』(録音1963年4月16日-17日)


どちらの曲も マイルスの前に フランク・シナトラ が録音しています

フランク・シナトラの マイクに口を近ずけてささやくように歌うバラード唱法に インスピレーションを得て 

マイルス・デイヴィスは『ハーマン・ミュートによるバラード奏法』を編み出したそうです

濃厚なオリジナリティを加えて「パクり」でも「カヴァー」でもない「元ネタ」をはるかに超える名演

ここが マイルス・デイヴィス が素晴らしいイノベーターである所以です


マイルス・デイヴィスのアイドルがフランク・シナトラという噂は本当か?

答えは?

It Never Entered My Mind 「そんなこと考えてもなかった」






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