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【雑感】『フレームワーク』に当てはめて『アート思考』を学ぶ?はぁ?

教育に対する北野武師匠の名言より


子供の教育で大切なのは タガのはめ方と外し方なのだ。タガを外しすぎれば 桶はバラバラになってしまう。タガをきつくはめすぎても長持ちしない。自由に何でも好きなことをしなさいと言われたって 何をしていいかわからないという子供が多いんじゃないか。自由というのはある程度の枠があって初めて成立する。なんでもやっていいよという枠のない世界にあるのは 自由ではなくて混沌だ。子供に自由の尊さや、喜びを教えたいのなら、きちんとした枠を与えてやるべきなのだ。


子供たちだけを オモチャも何も無い大きな部屋に入れて 何の制約を与えずに(親は退室)「はい 自由に遊んでいいですよ」と指示したら 子供たちは どんな反応をするでしょうか?

走り回って騒ぐ子供もいれば ジッとしてフリーズする子供もいれば 急に不安になって泣き出す子供もいるかもしれません


北野武師匠の『枠』は「こうじゃなければいけない」と『型』に無理やり入れ込むのではなく ルールとして示すだけのものです

子供たちには まず一定程度の『枠』を与えた上で その『枠』の中から”自由な発想”を育むということが大切

と説明していると理解しています


親が自分の子供に「こんな人になって欲しい」という思いは理解できますが 『枠』を与えるのではなく『型』に当てはめようとしていませんか?

子供たちの自由な発想を潰しているのは『親の思い込み』かもしれませんし誰も定義することが出来ない『世間体』という妖怪の仕業かもしれません



思考法の洪水状態


『〇〇シンキング』『◎◎思考』は世の中に洪水のように溢れかえっています

学者先生やコンサルタント先生は「これこそ最高の思考法」として講演会やセミナーで語っておられるようですが 自分でゼロから創造していった完璧オリジナル思考法なのでしょうか?

多くの先生方は 頭脳明晰で 様々な思考法が頭の中に入っているので 瞬時に思考法の組み合わせすることが出来て この思考法の組み合わせを体系的に纏めて『独自の思考法』として発表されているのでしょう


思考法は『発想思考』と『論理思考』の2つのカテゴリに整理できます

『思考を広げていく思考法』『思考を絞り込んで深くしていく思考法』

といった分類もできるでしょう


『ロジカル思考』

「物事を整理し 根拠を基に 順番に筋道に沿って結論を出す考え方」

『デザイン思考』

「社会や顧客起点で課題解決方法やニーズを満たすものを考える」

『アート思考』

「自分起点で課題を探しそれに対するアプローチを発想する」


いずれにしろ『思考法』は それぞれの人が「どう活用するか?」が重要なのであって 瞬時に様々状況に応じた最適解に導きやすいサポート・ツールでしょう



『フレームワーク』って必要なのか?


『フレームワーク』は「枠組み」「骨組み」「構造」を意味する言葉で システム開発をする際の土台となる部分で システム開発の効率を上げるために用意されたものです


ビジネスで使われている『フレームワーク』とは?

課題解決や戦略立案など考えて議論する場合などで 考えるべきポイントや思考の流れをパターン化して 比較的誰でも効率的な思考が可能となる雛形

『フレームワーク』を目的によって使い分けることで 自分達のビジネスで「何が必要なのか?」「何が課題なのか?」ということを論理的に導くことができます


あくまで個人的な意見ですが

『フレームワーク』は よくやることをスムーズにやれるための枠組み

と考えていて「使うべき」「使わない方が良い」と決めつけるのではなく 状況に応じて「どのように活用するか?」と判断しながら使うものと考えています



「アート思考」を学ぶ?


昨今『アート思考』が注目されているのは アーティストの自由な『発想力』『創造力』『即興力』『融合力』といったクリエイティブ感覚・感性を学んでイノベーションに繋げたいのが理由と思います

『アート思考』は 個人の内側にある独自の思考や価値を掘り下げていくものなので 論理的に説明が難しく 周囲の人には理解されにくいケースも多く チームプレーには適さないというデメリットも考えられます


事前の擦り合わせをしっかり行っていなければ 社内で承認を得ることは難しいでしょう


『アート思考』を導入するのならば 一旦 社会の常識やこれまでのデータといったもの 『固定観念』『既成概念』『先入観』そして『思い込み』を全て取り払った状態でなければ 成果は生まれてこないでしょう


『アート思考』の根源は【自己の中にある表現への強い想い】です

『枠』に当てはめて 考えていくなんて 全くのナンセンスです



アーティストと企業を繋ぐゲートキーパーの重要性


長谷川一英さんの次の投稿記事から抜粋したものを紹介します

アーティストが企業などの組織に一定期間加わり、企業の常識を揺るがすようなアイデアを提供することでイノベーションを創出したり、組織変革を促したりすることをアーティスティック・インターベンションといいます。

【『枠』に当てはめがちな企業】が 『アート思考』の研修を行いたいのならば?

企業とアーティストとの橋渡し役となる長谷川一英さんようなゲートキーパーがいなければ 体感する『アート思考』研修開催は難しいでしょう


あくまでも個人的な意見ですが

『アート思考』を【机上のお勉強】で学べるはずはありません

Don't think,feel !

アーティストの感性や考え方を目の当たりにして 体感することで 受講生が感じた発想術をビジネスに昇華させる能力を養うことです

論理的・言語的な思考ではなく 知覚や審美的判断力をもちいた思考をひらくことで個人及び組織の創造性を開花させる


アーティストをファシリテーターとして招聘する場合には アートとビジネスを媒介するコーディネーター(ゲートキーパー)の存在が不可欠です


✅ビジネスの目的とアーティストの目的が符合するようコーディネート

✅参加者の学習・創発が起こるようなワークショップデザイン



一旦『枠』に当てはめるのを止めましょう


企業の決定権限者の多くは 受験戦争で勝ち上がってきた勝者で 多くの『思考法』や『フレームワーク』をマスターしていることでしょう

そのことは 素晴らしいことなので 否定するつもりはありません


しかし 危機状態や絶体絶命の状況に陥った時に 

論理的思考より直感でアクションに移す『即興力』

『思考法』や『フレームワーク』を使うことが 必ずしも良い結果につながるわけではないことは ご理解頂けると思います


『アート思考』を学ぶには 

まず企業の決定権限者の方々が 従来の『思考法』『フレームワーク』といった『枠』に当てはめて考えることを取り去った状態にしましょう


仮に 前述の子供たちの話と同様に 何も置いていない会議室で『クリエイティブ発想で何かを創造してください』とだけ示した研修を突然行ったとします

大人ならば 

【0⇒1】何もない状態(0)から何かを創造する(1)ってこんなこと?

と理解して 積極的にアクションするはずです


経営陣の「思い込み」が 従業員の自由な発想を潰していませんか??



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