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組織間通訳の役割を担うゲートキーパー的存在の必要性を教えてくれた挫折

『ゲートキーパー(gatekeeper)』とは

直訳すれば「門番」のことですが 

経営学では【組織や企業の境界を越えて その内部と外部を情報面からつなぎ合わせる人のこと】を指します

つながりの深浅・濃淡は別として 組織内外の多くの人と接触がスムーズにできる人材と考えていいでしょう

『業務』『仕事』『作業』のそれぞれの重要性


会社員時代の私は『引き受け業務』をこなしているだけだったのですが それなりの満足感もあり『業務遂行能力が高い』と自惚れていました

素行の悪さから 社内で出世レースの脱落者が収容される部署と噂されていた【未取引企業開拓業務の専任者】という『左遷ポスト』に飛ばされた時に 自分の大きな勘違いに気がつかされました


『引き受け業務』は 自分で仕事を『創り出している』ことではない

『前任者もいない』『マニュアルもない』『ノウハウの蓄積もない』

【ターゲット発掘】~【業界情報・関連情報調査】~【アプローチ方法の検討】~【トライ&エラーの繰り返し】を全て自分一人でやらなければいけない状況になって 

やっと理解できたのが

『業務』・・・会社側から与えられた受動的なもの

『仕事』・・・自らの意思で考え出した能動的なもの

『作業』・・・業務・仕事を達成するための細かなプロセス
 

『業務』『仕事』『作業』は全て大切なことで それぞれの部門が有機的にスムーズな連携できていることの大切さ



個人プレーで創造したプロセス(暗黙知)は組織内に伝わらない


『左遷ポスト』にいる先輩方から聞かされる話には 多くのヒントが隠れていて「こんな着眼点があったんだ」と驚かされることも多く 私にとっては大いに勉強になりました

この貴重な話(ノウハウ)は その人に対する「好き嫌い」という感情は捨てて  

与えられるものではないので 自ら行動しなければ得ることはできません


更に挫折と試練が教えてくれたのが

「百聞が一見に如かず」~「百見は一考に如かず」~「百考は一行に如かず」~「百行は一果に如かず」


✅ 成果を出さなければ 誰も話すら聞いてくれない

自分ではどうすることもできなかった

✅「何を言ったかではなく誰が言ったかが重要」な組織文化の残念さ

✅ 個人プレーで創造したプロセス(暗黙知)は表面化しない


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社内で ゲートキーパー的存在(=組織間・部門間の通訳的存在)の人がいたらノウハウ(暗黙知)は伝わりやすくなるのでは? 

との思いはありましたが 他力本願では何も解決しないので 自ら動くしかなかったことと

「社内の人間なんか聞きもんか」という意地もあって 

社外へのアクションを強めていきました 


【ご参考迄】当時作成したもの

私が辿り着いた先


自分一人で完結しなければならなかったので 

【自分が知りたい情報が入手できる人との出会いが必要】という短絡的な発想だけで 出会いを増やすために『セミナー後の懇親会』『勉強会後の懇親会』『異業種交流会』『各種パーティー』に参加しまくること


参加するにつれて 名刺の数だけは増え続けます

そこで 毎朝モーニングセットを食べながら 自分の勘だけでチョイスした人に対しての携帯電話(ガラケー)から『昨日の御礼メール』発信をルーティンにしました(当時はスマホもSNSもありません)


『昨日のお礼メール』に対する反応は様々でしたが 徐々に数名の方との【ゆるい”つながり”】コミュニティが出来ていきました

そのコミュニティのメンバーは

『中小企業診断士』『税理士』『社労士』『地銀(他県が本部)』『地方雑誌の記者』『起業家&起業家予備軍』などバラバラでしたが

それぞれの人の思惑が 概ね一致していました

「新規取引先を増やしたい」「既取引先の深耕を図りたい」「自分が苦手な分野の情報を知りたい」「新しい発想や思考法が欲しい」


飲食店の個室で 各自の取組発表や テーマを決めてのデスカッションを行っていたのですが

ここでの話をもっと多くの人に聞いてもらいたい

という思いもメンバー間に芽生えてきたので

【パネルディスカッション&音楽(生演奏含む)のライブ・イベント】

開催を提案しました


コミュニティ・メンバーへの口説き文句は?

関与先飲食店には”いい顔”できるし 堅い雰囲気じゃなく自分たちの主張やPRできるし 集客はコミュニティ・メンバーがそれぞれ数人集めるだけだし 新しい交流も生まれるし 一粒で何度も美味しい でしょ?


メンバーからの共感も得られて ついにライブが開催できる直前に

日頃の不摂生で 体調を崩し ドクターストップ

幻のライブとなってしまいました


(この時の口惜しさと挫折感が 今の続けているイベントかも?)


TRF結成時のエピソード


先日バラエティ番組で「TRF」のSAMさんが披露したTRF結成の話です


音楽プロデューサー・小室哲哉氏が自ら SAMさんのライブに足を運び 初対面で

「オリジナルの曲で踊らない?」

SAMさんはユニット参加を打診されました 


その後 半年ほど連絡が来なかった或る日の夜11時に小室氏から連絡が 

「今 築地でレコーディングしているから来ない?」

と誘われ「いよいよメジャー・デビューか」と思い 急遽スタジオ入りした時 SAMさんは驚きの連続で愕然とします


✅ SAMさんには邪道でしかなかったテクノ・サウンドの楽曲

✅ ボーカルがいるなんて聞いてなかった


そこでSAMさんは小室氏に 勇気をもって本音を伝えました

「ダンサーとして有名になりたいんです バックダンサーじゃないんです」

すると小室氏は悪びれる様子もなく


「DJブースの前のお立ち台にボーカル立たせて ダンサーが前で踊るんだったら“バックダンサーじゃないでしょ”」


逆転の発想と思える説明を聞かされて SAMさんを納得させたそうです


これこそ【ゲートキーパー的機能を果たした発言】だったと思います



「越境人材」であるゲートキーパーがイノベーションの突破口


内部部門vs外部部門 理科系vs文科系 現場vs首脳陣 組織vs他組織

様々の立ち位置の違いによって『モノゴト』のイメージは異なります

「~な感じ」という見える化できない考え方は 特に立ち位置の違い 環境の違いによって齟齬が生じるのが当然のことです


その 齟齬・相違を 出来る限り小さする【組織間通訳】としての機能を発揮する ゲートキーパー的ポジションの人が極めて重要と考えます

「越境人材」の存在はイノベーションの突破口となるはずです


インフルエンサーは 情報の発信者としてクローズアップされていますが

インターネット革命後の世界では 多くのビジネス・シーンでもっと注目されていい 必要とされる存在は?

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「こんなこと知らない?」と問いかけた時に

直ぐに答えは返ってこなくても

「あの人に聞けば分かるかも?」

と軽く調整してくれる多くの人と繋がっている人


人の”つながり”の【ハブ(中心・中核)】的ポジションの人材



失われた30年になった遠因には


✅ 縦割り組織の弊害と思える『引き受け業務~役割領域細分化』による【他組織への相互不可侵】的な考え方

✅ ゲートキーパー的人材(各部門間の通訳的存在)が不足している?そもそも そんな存在の必要性・重要性を感じていない?

上記理由が 

● イノベーションに結び付かない組織構造から抜け出せない
● 他企業・個人とのオープン・イノベーションという考えには至らない

遠因なのでは?



【おまけ】

note上の「弱いつながりの強さ」

note投稿記事を読むことで 投稿者の考え方や投稿の意図は掴みやすいですが ニュアンスや「言わんとしてること」を文章だけで全て理解するのは難しいです


コメントすることだけでは 単語ひとつの意味解釈の違いによって 大きな誤解が生じることもあり 文章上でのディスカッションに至りません

「じゃあ zoomで対談できたらいいね」

これも短絡的な発想でトライしてみたら 素晴らしい人々に出会え 素晴らしいアイデア・発想を持っていることが分かり 感動・感激しました

「こんな凄いノウハウは もっと多くの人に聞いて 観てもらいたい」

という思いから 対談コンテンツ【The TAKUMI(匠)】の準備に入りました



この取組であれば 私もゲートキーパーとして クリエーター コンサルタント アーティスト 起業家 との繋ぎ役の一部になれるのでは?と考えています

【The TAKUMI】に興味がある方 遠慮なくお声かけください




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