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【心理的安全性】が高い組織作りに必要なことが少し分かってきた事例

Googleが「生産性が高いチームは【心理的安全性】が高い」という研究結果を発表した後 多くのコンサルタントの先生方が この【心理的安全性】について論じています

「そりゃ そうだろう」と思うのですが 

「で?どうやったら【心理的安全性】が高い組織になるの?」という点に関しては ありきたりの一般論と精神論しか論じられていません

果たして 具体策はあるのでしょうか?

これが心理的安全性?


「球団のため、監督のため、そんなことのために野球をやるな。自分のために野球をやれって、そう言ったんだ。勝敗の責任は俺が取る。お前らは自分の仕事の責任を取れってな」

『 嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか 』(文藝春秋)の一部を抜粋したものです

リーダーが 落合博満氏のような『責任と覚悟』を チーム・メンバーに語れるチームが 【心理的安全性】が高い と思います


落合博満監督の解任


2011年9月22日 中日ドラゴンズが首位争いをする真っ最中

異例のタイミングで球団は 落合博満監督の解任を発表

同時期 中日が負けた際に『球団社長がガッツポーズをしていた』という目撃談も話題になりました

チームは 10月6日に首位に浮上して 10月18日(142試合目)にして優勝を決め 球団史上初のリーグ連覇を達成

日本シリーズは 3勝4敗でソフトバンクホークスに敗れ日本一を逃した


「あんた、嫌われたんだろうねえ」

落合夫人の ”この一言” が 解任劇の全てと思います


落合博満ゼネラルマネージャー


中日オーナーの白井文吾氏は 球団フロントに対して、与えられた予算内での年俸抑制を以前から求めていました

2013年10月9日 白井文吾オーナーは 監督時代の有無を言わさない統率力のあった落合博満氏のゼネラルマネージャーへの就任を発表

落合博満氏は ゼネラルマネジャー就任後初めて実施された 選手との契約交渉で 

総年俸から総額推定8億円超のコストカットを実現


しかし短期的なチーム成績では低迷(2016年の中日は19年ぶりの最下位)


球団は 契約切れとなる2017年1月限りで落合博満氏のGM退任を発表



人数規模と創造性


Amazonのジェフ・ベゾスCEOが語っている「ピザ2枚の法則」

構造がどうであれ 全員が積極的にイノベーションのプロセスに貢献でき 意思決定に参加できるようなチームが理想

つまり ピザ2枚でお腹がいっぱいになれる人数でなければ チームが大きすぎると語っています


スティーブ・ジョブズは

「僕のビジネスモデルはビートルズだ」

と語っていています


私は 『創造性を高めて』と『生産性を高める』には 大きすぎる組織では難しいと考えているので

ジャズコンボ型組織・・・破壊的イノベーション向き

オーケストラ型組織・・・持続的イノベーション向き

という考え方なんです



『創造性』と『生産性』


一般的に『創造性』と『生産性』は相反するものとされていて 私のイメージは次の通りです

【創造性の高いやり方】

やり方を自由に考えながら 失敗による手戻りを厭わず進めていくイメージ

【生産性の高いやり方】

ゴールを明確にして ゴールにたどり着く手順をできるだけ標準化して 無駄のないものに改善していくというイメージ


超獏ッとした話になりますが 

『生産性とは?』

インプットとアウトプットの比率を示す指標で インプットに対してアウトプットが大きければ大きいほど 生産性は高い

と考えると

アウトプットするものが 創造性が高くて 新しい顧客価値を創造する 

これが『創造性が高く生産性の高い組織』と考えていいと思います


『創造性』と『生産性』は相反の関係ではなくて 


『生産性』を語るときに『創造性』を考えない ということが問題である


『生産性』にこだわりすぎると『創造性』を殺してしまい

『創造性』にこだわりすぎると『生産性』が低下する


この”塩梅”が難しいところですが、、、



心理的安全性への第一歩


『創造性』と『生産性』のシナジー効果を最大限に発揮できる組織

これは『ぬるま湯体質』では絶対に実現できません


経営陣の 『生産性』と『創造性』のシナジー効果に対する視座を持って 行動に移す”勇気と覚悟”


この”勇気と覚悟”をオープンに表明することが 心理的安定性 が育まれる 第一歩ではないでしょうか?


まとめ


リーダーにも適材適所があって メンバーにも適材適所がありますが

日本においては 企業内外ともに『人材の流動性の低さ』というものが イノベーションが創造されない大きな障壁 になっていると考えます


日本の『人材の流動性の低さ』を変えていくことは不可能に近いと考えますが オープンイノベーションという考え方 が浸透するのは 不可能ではないと考えています


私にとってのアイドルの一人 落合博満氏は プロフェッショナルな人

落合博満氏の生き様は 『職場にウェットな関係は不要』 と語っていると感じていて 

監督解任後の会見で語った一言に 集約されています

「契約ですから」

この プロフェッショナルな考え方が 大企業でも中小企業でのスタートアップでも 必要と思います



「For the team」「One team」というスローガン

「個」が寄り集まった自律的な集団だからこそ効果があるのであって 「個」がまだ育っていない状態で強調すると 何もしない受動的な人間が紛れ込んでくるだけ



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