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「変化を起こすときは一気に全てを変えなければならない」~実現してくれる各分野のプロの雇用~

毎年どこかで「予想外」「想定外」の出来事が起こってきた。
“何十年に1度”しか起こらない自然災害が毎年世界のどこかで起こっている。

顧客ニーズの変化は、コロナ禍に関係なく常に起こり続けている

企業経営戦略は、刻々と変化する顧客ニーズをリアルタイムで捉えて、その変化に対応させていかなければならない。

それは、いつ、いかなる時代であっても、どんな状況であっても変わらない。


不確実性が高いと 何が正しいかが見通せないので、

『皆がやっているから』という理由だけで『同じようなもの』を採用した方が“安心”

と思うのだろう。


先般の“トイレットペーパー購入騒動”や“うがい薬購入騒動”も同じ【模倣的圧力】による群集心理だろう。


コロナ禍は様々な局面で

『今日は昨日の延長線上にあるのではなく、明日は今日の延長線上ではない』

と言うことを再認識させてくれた。

“何が起こっても不思議じゃない時代”だからこそ、行動指針・行動規範を示すリーダーの“発信力”というものが重要だ。


リーダー・経営者の“発信力”


企業経営戦略において、ダイバーシティ施策もSDGsも導入すべきと思う。

しかし、自社にとって有益なので導入するのなら理解できるが

『政府が推奨しているので』
『社会的な常識なので』


といった曖昧な理由で目標に掲げているのならば上手くいくはずがない。

SDGsのバッチをつけてるスーツ族の方々に

「御社は何でSDGsに取り組むのですが?説明してください。」

という問いに簡潔に回答できるとは思えない。

スポーツのW杯での“にわかファン”なら許せるが、“なんちゃってSDGs企業”なんてマーケットから退場して頂きたい。

どんな会社であろうと、どんな組織であろうと、必要不可欠なものが3つある。

① お客様に喜んで頂くこと
② 働く人に幸せになってもらうこと
③ 社会のお役に立つこと


コロナ禍であろうとなかろうと、経営者は、①②③を実現するために、
まず『在るべき姿』を描いて、現状とのギャップを見える化する。

(在るべき姿)―(現状)=(取り組むべき課題)

“取り組むべき課題”を解決していくための

“What<何をやるか>”という戦略を決めて、確実に収益を確保できるベースを作らなければならない。

経営者は、まず社員に対して

『何処に向かって』という方向性である【ビジョン】を示して理解してもらう。

『何のために』という意味である【ミッション】を示して理解してもらう。


【 ビジョン 】 = “未来の姿”
【ミッション】 = “存在意義”

そして『何を大切にしたいのか?』『何を大切にしなければならないのか?』という“共通の価値観”が【バリュー】だ。


どんな人でも『何処に向かって』『何のために』ことを理解してこそ積極的な行動に移せる。

それぞれの部署・チームの

【目的】 = “達成すべき使命”
【目標】 = “その目的を達成するために経営資源を投入する的”

が明確になって、社員は“自分の役割”を果たす。


リーダー・経営者も“すべて完璧にこなせる人”ではない


創業経営者であっても、自分一人だけで、すべて完璧にこなせる人などいるはずがない。

自分自身の“強み”と“弱み”をしっかり客観的に把握できることが重要。

自分には何ができて? 何ができないのか?

その上で、どういったところに誰かの助けが必要なのか?を適切に判断しなければならない。


会社の初期段階であれば、創業経営者が1人で、営業も開発も採用も行ってきたはずだ。

しかし、より大きな事業体、組織体になるにつれ 『より専門性が高い人の力を借りる必要』が分かってきて、“それを実行できる人材”をしっかり探して、手伝ってもらわないと仕事は上手く回っていかなくなる。

自社内に“それを実行できる人”がいるのならば、適材適所に配置転換すればいいが、任せられる人がいないなら、社外から適任者を連れて来ることを考えて実行しなければならない。

だからといって、社員募集をして適任者が簡単に見つかるものではない。
大企業出身の中高年(退職者など)を採用した中小企業の失敗事例は後を絶たないのが現実だ。

ここで経営者は客観的に改めて冷静に自社を見つめ直さなければいけない。

【 ビジョン 】 = “未来の姿”

この実現に向けての“力を貸してくれる人”

この実現に向けての“機械化・IT化・DX”

“経営資源”の棚卸が必要になる。


自社の“独自性”と他社・他者の“独自性”の出会い


コロナ禍は、ゼロからイチでプロダクトを生み出す【0→1】の初期フェーズしてくれた。

「それは妄想だよ。」
「まず根拠をしめさなきゃ。」

と言われたって、誰も正解はわからない。

初期フェーズだから、一見、根拠のない“直感” “妄想” “幻想”を現実に重ね合わせ、現状をどうやって発展的に脱却できる?という“停滞感”を打ち破る思考方法が絶対に必要だ。

自社で事業として確立する【1→10】も必要で、【10→100】に大きく成長させていくことも必要であることは間違いない。

しかし【0→1】の初期フェーズの今は

自社が【やれること】の独自性と、他社・他者が【やれること】の独自性を合わせることによって、双方にとっても新しい【やれること】を生み出す

“オープンイノベーション”が急務だ。

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自分がやったことはフレーム作りで、それを実現してくれる各分野のプロを雇用しただけ


2003年のFCバルセロナ(サッカークラブチーム)は、クラブの収入が1億2300万ユーロに対して支出が1億9600万ユーロ、7300万ユーロもの赤字を計上していた。

変えるしかない最低最悪の状況で、経営陣が一新された。

『とにかく変革しよう』という強い意志をもって、当時のCEOフェラン・ソリアーノ氏は“大胆な経営改革を行った。

明確なビジョン・ミッションの下、経営陣・チーム監督・サッカープレイヤー等はそれぞれの役割を果たす。

その役割を果たすことができなければ、即“クビ”という厳しいプロフェッショナル軍団を作り上げた。

『興行からビジネスへ』の大転換が現在のFCバルセロナの成功に繋がっている。

CEOフェラン・ソリアーノ氏は

「自分がやったことはフレーム(枠組み)作りで、それを実現してくれる各分野のプロを雇用しただけ」

と語っている。

リーダーは明確なビジョン・ミッションを示し、それに沿ったフレームを作り、実際の運用は専門家に任せる方法。

伝統を守るよりも迅速に体制を変化させるほうが重要だった。

「単に“変える”だけでは良くはならない。変化を起こすときは、一気に、すべてを変えなければならない。
そして変化を進めるには、不確実な状況を極力、短くして切り抜けることが大切。
そもそも変化を求められているのだから、早いほうが人々は変化の取り組みに対して寛容だ。
変革のために、人によっては職を失うことにもなるかもしれない。
最初のうちは、より厳しい状況に陥らないために努力が必要だ。」


とも語った。


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