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就職に関して思うところ〜博士は使えない?

よく言われてきたんですよね、『博士は使えない』って。
ココに関して民間企業で働く一人の博士としての個人的見解。

使えるって何?

そもそも使えるという定義はなんだろうか?
会社や上司にとって有用な駒であれ、ということなのか?
じゃあ「有用な駒」って?
考え出すときりが無いのだが、1つに適材適所のうち、適所の適用範囲が狭いということがあるのかもしれない。

個人の問題

よく博士は社会性に乏しい協調性がないなどと言われる。
それは何故か?
1つはプライドが邪魔をして人に聞くとか頭を下げることができない人もいるかも知れない。
1つは個人で解決しようとして、周囲に協力を求めないスタイルが染み付いているせいかもしれない。
ただこうした「特性」に関しては正直採用段階で見抜けるものではないだろうか?そういう設問を用意し、判断すれば良いのではないだろうか?

組織の問題

学部卒であれば22歳、修士で24歳、博士で27歳(ストレートで)。
入社1年目にはそれぞれ23歳、25歳、28歳になる。
確かに23歳の人間を5年間、みっちり教育すれば最早博士が新卒1年目には立派な戦力となり使える存在となる。
それはその会社のしきたり、やり方が身についており、OutputをするためのImputは少なく済む。一方で博士は同じ年齢、もしかしたら同じかそれ以上の給与を払いながら、同じOutputを求めればImputは多く必要になるだろう。
そりゃ「使えない」と言われるかもしれない。

中途採用との違いは?

じゃあしきたり、やり方を教えなければいけない中途採用者との違いは何処だろうか?社会に出た際に学ぶ一般的な教養?経験?
でもそれは中途も博士も変わらないと思う。
ある特定の業務に関し、経験者が欲しくて採用することの多い中途採用ならば特に。博士だってそれぞれの専門があり、見極めて即戦力として採用するのであれば。

思い込み

会社側も博士側も「思い込み」過ぎている気がする。
確かに専門性を追求し、論文を書いて、その世界では評価を受けた人材かもしれないが、たかだか修士から3年研究に勤しんだだけである。
スーパーマンではない。
会社側からすれば中途人材と大きな差はないだろうし、逆に博士側からすればほんの少し専門に詳しいだけの人材と認識すべきだ。
その認識がないから、いざ異動になると会社側からすれば他の部門部署で使えないと思うのだろうし、博士側からすれば専門外のことをやりたくない等と思ったりするのだろう。

フラットに考える

他の人材と大きく変わらない、対等な存在と認識すべきだろう。
異動も専門性ではなく、個々人の特性を加味して考えるべきだろう。
実際に工場の生産現場に入って自分自身も楽しくてやりがいを感じたし、成果も残してきたし、変なプライドを持たないこと、変な先入観を持たないことが一番だと実感している。

就職希望の博士(予定)へ

n=1の意見に左右されるような人たちではないと思うが、個人的結論を。
あなたの専門性で、会社は利益を生むことができるでしょうか?
会社は永続的に事業を継続できるでしょうか?
自信がないのであれば、会社でGeneralistになる覚悟を持ってください。
いろんな部署、いろんなことを経験するつもりでいてください。
そしてそういう情報をこれまで専門分野で頑張ってきたように、その分野で処理してOutputしてください。ちょっと横の分野に移ったくらいに思ってください。
それが会社で働くということです。

逆にもし自信があるのなら、最早起業するが良いでしょう。
あなたはピラミッドの1つの石になるべきではない。
ピラミッドを作る側に回った方が良いでしょう。

まあ個人的に今の起業するやつ=凄いやつという風潮は好きではないのですが、若いうちは自信があるならやってみれば?とおっさんは思うのです。

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