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若手指揮者インタビュー!榊真由 3/3今回の公演に向けて

2021年7月5日(月)に開催される「若手指揮者と特別編成オーケストラによるトライアウト・コンサート2021」には4名の若手指揮者が出演します。
公演を控えた6月下旬、オンラインインタビューを実施!プロフィール文だけではわからない、それぞれの素顔を探るべく、制作担当がインタビューを行いました。

4人目は、榊真由(さかき・まゆ)。
《オフィシャルウェブサイト:https://www.mayu-sakaki.com/
今回の公演ではトップバッターとして、ベートーヴェン:交響曲第2番を指揮します。

前回までの記事はこちら:
1/3 指揮と私編(https://note.com/tryout_concert/n/n94c32b0e22a2
2/3 プライベート編(https://note.com/tryout_concert/n/n2725ab4dfe8f

—少し哲学みたいな質問ですが・・・あなたにとってオーケストラとは?
NHK交響楽団のアシスタントをしていて、本番に向けて、奏者のみならず、ライブラリーやステージマネージャー、オーケストラスタッフなど多くの人が関わってひとつの舞台になるということを、実感しています。椅子一つとっても、譜面台も一つとっても、この人にはこの椅子とか、ちょっと大きめに印刷してあるとか、ものすごくケアがされています。そういう小さなことも、全部思いやりだったりとかから始まっていて、それが本番という瞬間に必要な要素だと思います。
奏者だけではなく、様々なスタッフが関わって一つの舞台となるオーケストラは、「ナマモノ」だと思っています。指揮者として前に立つとどうしてもそのリハーサルの時間をどうかしなきゃってやっぱり焦るんですが、音楽を通して対話をしながらも、人と人としての生身の触れ合いがある。その触れ合った時の色々な温かさを感じていただけるのが、オーケストラではないでしょうか。

—今回の企画のどんなところに魅力を感じて参加することにしましたか?
実は昨年の試演会に、開催数日前まで参加することになっていました。昨年、オーケストラの皆様も快く集まってくださって、そしてメンバーが驚くほどすごかったんです。諸事情で参加することが叶わなかったのですが・・・。そして今年、第2回が開催されるということで、なんとしてでも出たい!という思いがありました。昨年は自主運営の形での実施でしたが、今年は運営に関わってくださる方もいて、より「出たい、出るしかない!」という気持ちになりました。

—今回の曲を選んだ理由を教えてください。
モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンあたりの作曲家で考えたときに、やはり各種オーディションで出る曲となると、ベートーヴェンが最多で圧倒的に多いのはおそらく《運命》ではないかと思います。最近のオーディションで《運命》が多く、曲を決めるころは、《運命》=オーディションの良くない結果を思い出してしまう状態でした。
演奏頻度から、1番、2番のどちらか、と考えていました。やはり2番のほうが自分のレパートリーとして長く持っていて、大学の後輩のレッスンで伴奏として弾いた経験もありました。ベートーヴェンの曲の中では、一番こうやりたいってことが身体に入っている時間が長いという意味で昨年、2番を選びました。今年もう一度曲目を選ぶ機会をいただきましたが、やはり2番を、ということになりました。私にとって初めての2番の指揮となります。

※指揮のオーディションでは、15分くらいで、オーケストラパートは2台ピアノや弦楽四重奏などで撮影することが多いとのこと。

—今回の演奏への意気込みをお願いします。
今回、トップバッターということで、今のところ緊張と恐怖が混ざった感覚です。舞台袖から舞台に出るあの瞬間が好きなので、あまり緊張とか固くなりすぎずにリラックスしてできたらと思っています。
今回は、1楽章だけで1時間もいただけるので、自分のアイディアもいろいろ試したいと思いますし、オーケストラから意見をもらえればと思います。
演奏順は1番ということもありますので、本番まで時間が一番あります。他の方々も見て、そこでリハーサルから本番の間に、どういう風に1日の中で成長ができるかっていうところに重きを置いて、本番を迎えたいと思います。

榊真由2(c)井村重人

—ありがとうございました

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