見出し画像

「好きなことを仕事にしたのだからこそ、自分の“好き”を大切に。」

このタイトル。
音楽を演奏したり舞台芸術を作ることを仕事にしているからこそ、大切にしている言葉です。 
この世界で仕事をしていると、実に様々なオファーがあります。
脱サラしてすぐの頃は、「なんでも出来る奏者」になろうとしている部分がありました。
でも、そうじゃなくてもいいのだと思い、以来17年。今に至っています。
なぜそう思うようになったのか。今回はそんなお話です。 



あの言葉は、ある大先輩ミュージシャンが駆け出しの頃の私にかけてくれたもの

もう一度書きます。
「好きなことを仕事にしたのだからこそ、自分の“好き”を大切に。」

以来、この言葉をずっと心の片隅に置き大切にしています。

私は音楽のフィールドにいますので、より具体的には
「好きな音楽を仕事にしたのだからこそ、自分の感性から生まれる音楽像や表現性を大切に。」
ということになります。 


「趣味でやっているうちが一番楽しい。」
「プロはやりたくないこともやらなくてはならない。」

など、よく世間で聞かれるセリフがありますよね。 
冒頭の言葉は、これらのセリフを踏まえ受け止めた上で 「どうあるか」 を導いてくれる"灯台"のように私は感じています。 

画像1

自分のスタイルや感性と周囲のそれは大体マッチしてくるようになる

すると、その後こういうことが私に起こるようになりました。

「声をかけてくださるミュージシャンやイベンターさんなどから、新しいアイデアや楽しさをどんどん戴く」

オファーというのは様々あります。
そこには、音楽的に並びに興行的になんらかの構想があります。その構想のことを「好きになれる」パターンがほとんどなのです。

「河村に頼もう」「河村を紹介しよう」
と思っていただけたこと=私がワクワクするもの なのです。
これは有り難く、そしてなにより楽しい!

たまにオファーの最初の段階で「んー、よく分からないなぁ」「これは辛いやつかもしれない(笑)」ということもあるにはありますが、しかし、構想と向き合っていると、そのアイデアを徐々に好きになり楽しい気持ちになっています。結果として残る達成感も大きいです。

これは不思議な事のように思えそうですが、私が思うに、明確に理由はあります。

オファーの様子を逆から見れば、
「私の音やスタイルやフィーリングが構想の中で必要と思って頂けている」
ということ。
これはほんとに嬉しいことです。
そうあれるのもあの言葉のおかげのように感じます。

私のもつ「音楽やステージ作りの感覚」を好きでいてくれている方からのオファー。信じていてくれる方の紹介。
そのような方が描き持ち合わせる芸術観はこちらも感覚的に分かります。
するとこちらもそこに対しアイデアが湧きますし、相乗効果も生まれます。こうなると良い仕事が出来る確率はグッと高まります。


そういう方々との縁の中で、私は音楽家としてずっと生かされています。
そして様々な表現性に触れることで感覚も磨かれ続けます。更に、自分なりの表現を続ける中で縁は繋がり広がっていきます。
本当に有り難いことです。

画像2

表現により誰かの役に立てるようありたい

何でも出来るプレイヤー。もちろんそういう道もアリでしょう。そして音楽産業の中にそのような職人は絶対必要です。
ただ、それは私っぽい道ではないのでしょうね。
それを大先輩はズバリ見抜いておられたのでしょう。

「好きなことを仕事にしたのだからこそ、自分の“好き”を大切に。」

この言葉のおかげで、今があります。
自分の表現性はこれからもずっと磨き続けなければなりません。当然自分で。
ですので、自らの感覚を信じていられるか、は大切だと思っています。迷ったらブレますから。


まだまだな私なのですが、その言葉の意味を少しずつ吸収し実感もしながら、今日まで来られているのかな。

ご縁をくださる皆様、いつも私に素敵な場所を与えてくださりありがとうございます。
私の中にある表現性が、世の中に必要とされているならば、つまりそれは誰かの役に立てていることなのかなと、思います。 
あの言葉を胸に、これからもそんな仕事をしていきたいです。 


トランペット奏者 河村貴之

画像3


この記事が参加している募集

転職してよかったこと

サポートくださる皆様、そのお気持ちがとても励みになります。ありがとうございます^_^ 不定期ではありますが、日常の中での想いを”伝わる記事“にしてお届けできるよう、今後も心を込めて執筆を続けていこうと思っています。