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4-6.スラー

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何が「滑らか」なのか

スラー(slur)は「滑らかに演奏する」と解釈することが多いです。

そもそもアーティキュレーションは「聴く人がそう感じる」ことが前提であり、奏者の主観で納得しただけでは聴く人へ届きません。

ですから、この「滑らか」も、聴く人が音の流れが滑らかであると感じてもらうために奏者はどのようにすべきかを考え、実験・研究し、練習を重ねる必要があるのです。

レッスンで「滑らかに演奏しましょう」と伝えると、体までもが滑らかな動作になる方がとても多く(もしかするとイメージの中ではイカやタコになっているのかもしれませんが)その心がけは素晴らしいのですが残念ながらそれは方向性が全く違います。体が滑らかになると、例えばピストンアクションが鈍くなったり、持っている楽器のバランス感が損なわれたり、タンギングなど演奏に必要な筋力が正常に働かなくなるなど、様々な面でマイナスになってしまうのです。

では聴く人が滑らかさを感じる演奏とは、どのような状態なのでしょうか。いまいちピンときませんね。


アーティキュレーションの表現に迷ったら、真逆のことをイメージし、実践すると見えてきます。


対照的なイメージを持つ

スラーが「滑らかさ」を要求しているのはわかりましたが、具体的なイメージを持つことができるでしょうか。

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試しに辞書で「滑らか」を引いてみましょう。すると、このように書かれていました。

1.表面が平らですべすべしているさま。つるつるしているさま。また、すべりやすいさま。
2.物事がよどみなく運ぶさま。すらすらと進むさま。

うーん、確かに言う通りですが、言われなくても知っていることだったというか、いまいち想像力をサポートしてくれる情報ではありませんでした(もちろんこれは辞書の質にも左右されます)。


例えばスタッカートが書かれていた場合、それを書いた作曲者(編曲者)は、音を長く引っ張って欲しくないと思っているに違いないので、敢えてその最も望まれていない表現をイメージたり演奏してみると、今度は求められている対照的な演奏が具体的に見えてきます。スタッカートと単に音の長さだけで考えてしまうと、どこまで短くすれば良いのだろう?とそればかり気にしてしまうのに対して「音を引っ張ってほしくない」と考えれば「ではどのようにするのがベストなのだろう?」とイメージを多方向へ広げるきっかけになるわけです。

したがって、スラーの「滑らか」も対照的イメージを具体化すれば良いのです。

では、「滑らか」の対義語はなんでしょうか。

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4-6.スラー

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トランペットを吹く人、教える人、荻原明による「技術本(2019年1月公開開始)」「ハイノート本(全記事掲載完了)」の記事です。技術本では様々な演奏テクニック習得と練習とは何か考えます。 荻原明オフォシャルサイト→ https://www.trumpet-ogiwara.com
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