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4-7.フェルマータ

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アーティキュレーション共通の認識

フェルマータ。教科書では「音をほどよくのばす」などと書いてあります(2倍延ばすという解釈はあまりにも酷いのでここでは言及すらしません)。
この「ほどよく」がクセモノで、中高生の頃は何を持ってしてほどよいのかがわかりませんでした。なので、吹奏楽部では指揮者の棒が動き出すまで音をのばしているだけの大変よろしくない受け身の演奏だったことが多いのですが、音大受験の課題曲であるアーバンの「華麗なる幻想曲」にはたくさんのフェルマータが出てきて、誰にも頼れず入試という場でソロを吹くため、フェルマータをどうして良いのかとても悩みました。

フェルマータに限らず、これまで紹介してきたアーティキュレーション記号はすべて、その意味を知るだけでは演奏に反映することはできず、「それが書いてあることで作品がどのような結果になるのか」を具体的にイメージしなければなりません。

フェルマータの基本

後述しますがフェルマータは楽譜のどこに書かれているかで解釈が大きく変わります。
その中で最も多いのが音符(休符)に置かれたフェルマータで、先ほどの「音をほどよくのばす」はこの状態での意味にあたります。
では、フェルマータによって音を延ばされるとどのような効果が表れるのでしょうか。ヒントはイタリアにありました。

[バス停]

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イタリアではバス停のことをフェルマータと呼ぶのだそうです。

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荻原明(おぎわらあきら):トランペット

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