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『1%の本質を最速でつかむ理解力』(山口 拓朗 著)~理解力こそ仕事力へのファーストステップ~

理解力。それは、情報を取得し吸収する上で欠かせない能力です。
 いくら情報をインプットしてもその本質を理解していなければ、自分の役にも立たないし、他人に説明することもできません。

学校の通知表などでも理解力という項目は各教科にあり、 物事を学んでいく上で必須な能力だといえるでしょう。

理解力を学ぶ

学校でも必須な「理解力」。それを網羅的に学べる本があります。
『1%の本質を最速でつかむ理解力』(山口拓朗 著)です。 
今回は当書で学んだ内容をシェアしていきます。

当書を読み進めていく前提条件として一番大切なのは、理解力の定義です。
著者が考える理解力とは「理解したつもりという壁を乗り越えて深みへと踏み込む力」のこと。
つまり、理解が進んでも慢心せず、より深く理解したいという気持ちを持つということです。

理解力を伸ばすために必要なこと

理解力を伸ばすためにまずやらなければいけないこと、
それは、「理解の箱」を増やし、育てること。
「理解の箱」が多ければ多いほど物事をさまざまな視点で多角的に見ることができます。

例えば、テレビで流れているニュース、あるいはネットの記事についてそのニュースや記事での知識しか持ち合わせてなかったとします。
そうすると偏った 情報になるので、視野狭窄に陥り誤った情報を発信してしまい、偏った視点での物事の理解に繋がってしまいます。
逆にニュースやネット記事だけでなく、他の情報源や読書などで知識を得ていれば、どうでしょうか。
多角的な視点で理解できるので、視野狭窄に陥る確率は少なくなり、情報の取捨選択ができるようになります。

では、理解の箱を増やすにはどういったことをしていけばいいでしょうか。
そのために必要なのはインプット、すなわち「聞く」「読む」「体験する」「思考する」といった行動です。
 それぞれのインプットのポイントについて当書の内容を要約してみました。

・聞く・・・質問を考えながら聞く
・読む・・・文章の構成をつかみながら読む
・体験する・・・積極的に体験する
・思考する・・・能動的に「どういうこと?」「なぜ?」「どうすればいい?」などの問いを持って思考する。


「理解の箱」の育て方

 さらに「理解の箱」は育てて活性化させることも大切です。
 そのためには推測力を発揮して文脈を読むということが必要になってきます。 簡単に言うと相手が求めているものを察知して提供する能力のことです。

つい先日、社内チャットでこのような依頼が来ました。
「とぅるーたさん、2016年度の売上データを教えてくれませんか?」

私はその依頼を受け、回答をすぐにチャット欄に文章で送信しました。
送信したあと、私は「このデータは社外向けのパンフレットに使うから、昨年度の売上と比較したほうがいいな」と即座に判断し、「Excelで比較表を作成して送ります。」とチャットに打ち込んだところ、依頼主から「ありがとう!」と感謝の言葉をいただきました。

当書を読んでいなければ、このような行動は取れなかったかもしれません。
目に見えない文脈や行間を少し意識しただけで、相手のニーズを読み取り、行動に移すことができたのです。


「理解力」とアウトプットはセットである

 当書は、理解力を高めるために「何を、どのように」理解すればよいかが網羅的に書かれており、具体的で実践的な内容ばかりです。
理解が進むと、アウトプットが簡単にできるようになります。
アウトプット、つまり言語化がうまくできるようになると、よりよい人生を送ることができるようになります。

アウトプットがうまくできず悩んでいる方、相手の意図を汲み取って仕事ができる人になりたい人にはぜひ手にとっていただきたい一冊です。
また、同著者の『9割捨てて10倍伝わる要約力』と合わせて読むことで、さらに理解が深まります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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