見出し画像

腕振りを考える。結論、個人差ですよね。

どうも、先日友人と作業イプをしたのですが、結局テンションが上がって、ただただ話をし続けてしまった、もっさんです。(次こそは!笑)

さて今回は、「腕振り」に着目して、論文をベースにまとめていきます。

後日、youtubeの方でもアップしますね。(9/19アップしたので追記)

https://youtu.be/hg_asrj5v6U

皆さんは「腕振り 」についてどのようにお考えですか?

色々な意見がありますよね。もちろん、短・長でも考え方が変わるかもしれません。

そんな、「腕振り」を論文をベースに見ていきたいなと思います。

今回、参考にさせて頂いた論文はこちら!

◉スプリント走における腕振りの役割 (前田ら,2010)

◉短距離走における腕ふり動作の反動効果が疾走速度に及ぼす影響          (木越,2015)

◉ランニングの腕動作のタイム変化による下肢の流れの抑制と接地時間の短縮を目指した試み (田村ら,2018)

今回は、この3つの論文をもとに書いていきます!

腕振りの役割とは?

ランニングにおける腕動作の役割については

⑴体のバランスを保つ ⑵地面反力を増大させる ⑶タイミングを図る
などがある(阿江ほか,1992)

とされています。

他にも、下肢動作を相殺すると言った役割も。

皆さんは、いかがでしょか?どう思いますか?

ちなみに今回参考にした3論文は、全て短距離選手を対象にしたものです。

特に、タイミングを図るという点が、最も重要な役割と考えられているようです。

腕振りによる効果とは?

2通りの方法で、腕振りによる効果の検証が紹介されていました。

⑴シンプルで、腕振りありと腕振りなし(上肢固定)での計測

腕を固定することにより

①速度;1.07±0.26m/s低下 ②ストライド長;0.11±0.07m低下 ③ピッチ;0.31±0.09steps/s低下 (笠井,1982)と報告。また、接地距離;0.08±0.05m増加し、離地距離;0.12±0.04m減少した。

とのこと。古いデータですが、わかりやすく参考になりますね。

⑵腕振りの速度と下肢運動の速度を比較

ハイスピードカメラ(木越,2015)やドローン(田村ら,2018)を用いて計測がなされています。

結果①(木越)

本研究において下肢の動作項目として挙げた脚全体の後方スウィング速度 、腿上げ角度、回復脚大腿部の前方スウィング速度は、これまでの先行研究か ら疾走速度に影響を及ぼすことが明らかにされた項目であり、本研究においても疾走速度との間に有意な相関関係が認められた。

本研究の結果、両者の間には有意な相関関係は認められなかった。

腕振りは、下肢の動作には直接影響は及ぼさず、動きの効率などを介して疾走速度に影響を及ぼしている可能性が考えられる。一方、 腕振りそのものが地面反力、ストライドやピッチに 影響を及ぼしている可能性も考えられる。つまり、 大きな加速度によって腕振りを行うことによってその反作用として地面反力が変化する可能性は十分に 考えられる。そして、この場合にも下肢の動作には直接的に影響を及ぼすことはないものと考えられる。

直接的には、ないというのは意外でした。

結果②(田村ら)

スクリーンショット 2020-09-14 16.28.50

有意な相関にあったのは第 2 局面の上腕動作、大腿動作である[2]屈曲後半 U2、[6]伸展後半 A2 と疾走速度、接地時間であり、接地以後の上腕の屈曲動作、大腿の伸展動作に要したタイムが短い場合に疾走速度が高く、接地時間が短縮される傾向にあった。

スクリーンショット 2020-09-14 16.59.12

腕振りは素早く、コンパクトにということが言えそうですね。

こんな話もあるみたいです

競技者の感覚として腕を必要以上に前方へ振りすぎないことがポイントだと言える。そのために例えば、接地瞬間を“上腕動作を終える目安”と捉え屈曲動作から伸展動作へと素早く切り替えると、協調する脚動作の動作タイムも短縮し効率的な疾走動作につながると推察できる。朝原(2015)や為末(2007)は著書の中で腕と脚のタイミングを合わせることの重要性を共通して述べており、本研究ではトップアスリートの身体感覚を解明するためのひとつの手掛かりを示すことができたのではないかと。

また、朝原さんは疾走局面に合わせて腕動作を自在に制御している様子。(凄すぎ。この感覚は私には分からないです。)

まとめ

腕振りに関して、一定の効果はありそうですが、その効果や、動きに関しては個人差が大きいそうです。

また、トップアスリートになると、局面に応じて腕振りを変えている可能性もあり、従来の「大きく振りあげなさい」だけでは、指導としては不十分かも。

それぞれにあった腕振りを見つけていくことですね。(バシッという結論にならずすみません)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?