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リーダーには、どうしても知っておいてほしいこと

今回から数回、組織やチームを組織を率いるような立場にいらっしゃる方々に向けて書いていこうかと思います。
私が関わらせていただいているクライアントさんの中にも、このような立場の方、あるいは、これからそうなって行かれる方が多くいらっしゃいます。

その方々に知っておいてほしいこと。
それは、「自分の放っているインパクトに意識的であれ」ということです。

私たち一人ひとりは、どんな人であれ、何らかのインパクトを放っています。
言動はもちろんのこと、何もしなくても、ただそこに座っているだけでもインパクトを放っています。

例えば、会議で誰かが難しい顔をしていたら、この場ではふざけた話は控えたほうがいいかな、という雰囲気になりますし、
笑顔の人がいると、その周りはなごやかになって、ちょっとした軽いトークもしやすくなります。

これは、役職・役割にかかわらず、すべての人について言えることです。
ただ、トップが放つものは、どうしても、影響力が大きくなります。

カチコチの場を誰かが和ませようとしたとしても、トップがしかめっ面のままであれば、なかなか場は緩まないでしょうし、
逆に、誰かが失敗をしても、トップがおおらかに笑っていれば、場もほっとした雰囲気になります。

自分のあり方と言動がどんなインパクトを放っているのか。
それが周りにどんな影響を及ぼしているのか。

リーダーは、その影響力の大きさゆえに、他の立場の人以上に、そのことに意識的である必要があります。

しかしながら、大変難しく、かつ残酷なのは、
この「インパクト」は「周囲が感じ取ること」なので、「本人の意図が何であったのか」とは関係なく起きるということです。

相手のためを思って言ったつもりなのに、厳しすぎて傷ついたと言われた。
相手の気持ちを害さないように柔らかく出たのに、はっきりしない態度だと言われた。
など、「本人の意図したところ」と、「周りの受け止め方」のギャップを上げ連ねたら、もうキリがありません。

これはどちらが正しい・間違っている、良い・悪いという話ではありません。
どちらにとっても、それぞれの側からはそれが真実なので。


また、リーダー本人が自分自身について持っている自己評価も影響します。
「自分はこういう人間のはずだ」と思っているので、そのインパクトが出ているだろう、と思い込んでいるのですが、これが周囲の認識とズレているというのも、非常によくある話です。

例えば、自分は厳しすぎる人間だと自己評価している人は、必要以上に下手に出たり気を使いすぎたりすることがあります。
それは濁ったインパクトになります。
周囲からすると、あなたのいいところはクリアなところなんだから、もっとスパッと言ってくれていいのに、と見えます。

自分は能力が足りていないと自己評価している人は、必要以上に能力を示そうとしますが、それは何か過剰なインパクトになります。
特に、周囲が(本人の自己評価に反して)その人を能力ある人と見ている場合には、周囲の目には、もう十分できてるのに何でそこまでして完璧を目指すの?と映ります。

CTIジャパンでコーチングとリーダーシップを学ぶようになって私が知った厳しい現実は、
「自分が周囲に与えているインパクトを自分だけで知ることはできない」ということです。

自分のインパクトを知りたければ、誰かに教えてもらうしかありません。

部下でいる頃は、まだ、周りの人が教えてくれます。

ただ、経験を重ね役職が上がれば上がるほど、これを言ってくれる人はいなくなっていきます。
ご自身の〜イズムが完成されていくにつれて口を挟む余地はなくなっていきますし、
そこにわざわざ口を出すほどのリスクは、周りは取ろうとは思いません。
もし、それを言ってくれる同僚や勇気ある部下が周囲にいるなら、それは、本当に感謝すべきことです。

なので、冒頭に書いた言葉は、正しくは、
「自分の放っているインパクトは、自分一人では完全には自覚できないことを知っておいて」
ということになるかもしれません。

じゃあ、どうすればいいの!?と叫びたくなりますね。
私自身も、ずっと試行錯誤の最中ですが、次回は、私なりに、自分のインパクトを知るためにトライしていることなどをご紹介してみようと思います。

では、今日もよい一日を!


◆今日の写真は、金沢では必ず訪れる鈴木大拙館。建物(=思索空間)の中からこの水鏡を見つめていると、じわ〜と満たされます。何時間でも居られます。海外の方にも人気ですね。

この記事は、2022年11月9日配信のここみち便りをリライトしたものです。
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