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【浦和vs大分】みっつのこと【J1リーグ 11節 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
だいぶ遅れてしまいましたが、大分戦の感想を書いてみたいと思います。

もう、仙台戦も終わってユンカー・・・いや、キャスパーの活躍が瞼に焼き付いていてオジサンはキュンキュンし始めているのですが、ザックリと簡単に振り返りつつ、リーグ戦が折り返し地点に来るまでに追いつけるようにしてみようと思います。

スタメン

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【浦和】
後半0分  杉本⇆伊藤(敦)
後半15分 山中⇆汰木
後半24分 武藤⇆興梠 関根⇆田中(達)
後半51分 小泉⇆阿部

【大分】
後半13分 伊佐⇆高澤 小出⇆刀根
後半20分 松本⇆井上 香川⇆高畑
組班31分 小林(成)⇆長沢

試合雑感

この試合、3カ所程度ターニングポイントがあったように思います。
ひとつは試合後のコメントでも伺えた通り先制点を取った後の振る舞い。

最序盤は大分のビルドアップに対して4-1-3-2のような配置になり、大分のセンターバックからのパスルートを制限しつつ、ディフェンスラインの前では柴戸が対応しつつプレスバックを伺うことが出来る形を取っていました。
西は試合を重ねるごとにポジションを高く取りに行く傾向が増している様に思いますが、ビルドアップ時に中盤が下りる時は柴戸が下りるケースが主だったように思います。
先制点の形としては武藤が下りる動きにあわせてディフェンスラインの裏への配球と明本と杉本の飛び出しが奏功し、クロス対応で下がるディフェンスラインの前への配球がドンピシャ、というものでした。ペナルディエリア角あたりからのクロスでディフェンスラインの前のスペースを狙うというのは今シーズンずっとやってきている所なので、今までやっていた頃が結実したという良いシーンだったのではないか、と思います。

ただ、先制点を取った後に選手間で攻め筋や守備時の対応で温度差が生まれてしまった様に見えました。
インテンシティの低下という言葉で片づけるのは簡単だな、という感じですが、槙野は攻めへの意識が強く出ており前線への配球のタイミングが早い場面もチラホラ見えていました。浦和が良い攻撃を見せた時にスイッチになるサイドチェンジについても関根が蹴れていれば、という場面もあった事から見えていないのか、そういうプレー志向を持っていないのか、それともスイッチを入れるサイドチェンジは限られた選手にのみ権限があるのか、どういった理由かは分かりませんが、約束事として用意しているシークエンスなのかどうか、というのは多少の疑問が浮かんだ場面でした。

先制点後、大分のビルドアップに対して、浦和は前から圧力をかけていく動きを見せた事からインテンシティの低下がチーム全体としてあったとは思えません。柴戸が予防的カバーリングをしつつ、前線の4枚が追い込みをかける動きを見せます。ポジティブトランジション時にパスがズレたり大分の陣地深くに侵入出来ても大分のディフェンスラインが整っているシーンがありましたが、インテンシティの低下というよりは大分の攻め筋を含めたトランジション時に浦和の陣形が徐々に広げられてしまった事が要因として小さくないのではないかと思います。
失点シーンは大分がビルドアップ時にキーパーが参加してから前線の噛み合わせが変わり、広げられていた浦和の陣形では対処が難しいシーンの繰り返しによって押し込まれたような形。
浦和の左サイドで伊佐と町田が入れ替わる形で交わされてしまい、クロスを入れられてしまった場面が起点となりましたが、一か所ほころびが出ればそこを起点に最終的に押し切られてしまう、という好例だったのではないかと思います。

ふたつめは前線の2トップの振る舞い。
浦和が4-4-2を敷く時にはここ最近は右サイド側がシャドー的振る舞いを見せる事で左右の攻め筋に変化を付けているような感じですが、選手の特性に合わせて、というよりは抑えるべきスペースに対してタスクが決まっている様な感じなんだろうな、と。
前半で杉本が交代となったのは、当然シャドーとして下がってボールを受ける逃げ道としての機能を期待される事と、ボールサイドがアタッキングサードに移行した際には機動的な動きが期待されるタスクに十分に応えられたとは言えないからだと思われますが、下がるタイミングや受ける時の駆け引きなども含めてプレーが少し淡白だったのではないかとも思います。
以前、田中(達)について書いた時も少し動きすぎとも思える振る舞いがありましたが、スペースに顔を出すタイミング、パスの出し手が感じるタイミング、出さざるを得ないタイミングなど、タイミングを計りかねているのか分かりませんが、相応に向上が求められるスキルなんだろうな、という気がします。

みっつめはサイドの順足・逆足を整理した事によるプレーの循環の改善、かかなと。
今節のスターティングメンバーはサイドバックに山中・サイドハーフに明本が入る形でしたが、山中が大外を取れるほど押し込めれば前を向けた明本もボールポジションが低い状態でのプレーぶりは難しいものがありました。
後ろを向いた状態でボールを受ける場面が増えてくると、左利きの明本ではバックパス以外の選択肢を持つことが難しく、ウイングプレイヤーではない明本が前を向いて仕事をしようとするとハーフスペースに陣取ろうか、ということになりますが、ハーフライン付近ではビルドアップからの局面でハーフスペースに位置取るのは小泉が主となり、ポジションかぶりも起きやすいためそれもアタッキングサードまで行かないと難しい。
明本と山中を縦関係で並べる事の是非を考えた時に、非常に難しい組み合わせなんじゃないかな、というのがこの試合を見ての感想でした。
後半15分に山中に代えて汰木を投入、明本をサイドバックの初期位置としてポジションを変えてからは汰木が下がりながらボールを受けた場面でも窮屈さを感じる事はありませんでしたし、得点の起点としても機能しました。
個人の能力やスタミナの配分以前の問題として、試合展開に対して利き足の配置が噛み合わなかった部分の整理がついた事が、最終的にこの試合の流れを手繰り寄せたのではないかな、と思ったりします。

さいごに

さて、これを書いているのは既に何試合も消化された状態なのですが、奇しくも明本と山中の同時起用というシーンはこの試合を境に減っていったように思います。この試合の後のプレーぶりを見ると山中のコンディションの問題とも思えませんし、パフォーマンスとしては明本の方が悩みを抱えつつあるのでは、というシーンが増えた様に思います。

今月中には追いついて、前半戦の総括という形でなにかしら記事を書きたいなと思っています。
次はルヴァンカップの湘南戦。期待の選手たちも出てましたし、リーグ戦でのパフォーマンスからもう少し向上を見たい、という選手も出ていた記憶があります。

前半戦が終わる頃には浦和の今シーズンがどの様なものになるのかも輪郭が見えてきているでしょうし、すこし踏ん張って頑張ってみたいと思います。

強い気持ち。

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