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【浦和vs福岡】お礼参り その1【J1リーグ 20節 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
積み感想もあと2試合、明日の相模原戦に間に合いそうな雰囲気も感じながら気分のいい福岡線の感想を書いていこうと思います。
とはいえ、浮かれすぎるのも良くないので強い気持ちで自制を。

とはいえ、表情筋が緩みそうになるのを頑張ってこらえていきたいな、と思います。

強い気持ち。

そして、毎度のことですが、だだだだーっと書いていますので試合内容のおおよそを感じる一助となれば幸いです。

スタメン

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【浦和】
後半20分 田中(達)⇆関根 大久保(智)⇆汰木
後半45分 柴戸⇆金子(大) K.ユンカー⇆宇賀神
後半47分 小泉⇆武藤

【福岡】
後半18分 金森⇆杉本
後半20分 山岸⇆B.メンデス
後半37分 湯澤⇆輪湖 重廣⇆渡

試合雑感

浦和のスタメンはこれまでの試合で好パフォーマンスを見せていた選手と、現時点で序列が高い選手のリカバリーが済んだことによる選出となりました。これまでスタメンで出場する事の多かった汰木は大久保に、右サイドには田中(達)が入ります。中盤の構成は柴戸と伊藤(敦)で、現状で一番攻守のバランスがよく、かつ攻守両面での表現の幅が広がっている選手となりました。ゴールキーパーは西川、左サイドバックは明本と、前回対戦の苦い記憶を払拭するにはおあつらえ向きでもあり、左サイドバックとしてのパフォーマンスを向上させ続けている明本の成長具合を測る一戦となりそうです。

福岡は前回対戦と大きくスタメンを変えてのラインナップ。それまでのパフォーマンスをチェックできませんでしたが、途中出場から圧倒的な存在感を見せたジョンマリがスタメンに名を連ねています。嫌な記憶。
とはいえ、怪我明けという事もありパフォーマンスがどの程度上がっているのかも含めて注目なのかな、と思います。

試合開始から、福岡はジョンマリをターゲットにして橋頭堡を設けようという展開。浦和のビルドアップに対してはジョンマリが中盤(噛み合わせ的には伊藤(敦))へのパスコースを意識している様子が見えますが、伊藤(敦)はすぐにポジションを修正し、さっそく福岡の守備の基準を崩しにかかります。
浦和のゴールキックに対しては湘南が見せた様に前線が枚数を合わせにいき圧力をかけていきますが、ロングパスで回避。これでボトムサードとミドルサードでの局面が浦和優位に傾きます。

第1プレッシャーラインを容易に越えることが出来る事、引きこんでから大久保・田中(達)の両翼が福岡の陣地奥深くを狙って侵入してくる事から浦和は福岡の重心を下げる事に成功し、それによって福岡の中盤とフォワードの間に大きく広がったスペースを活用する事が出来ました。
小泉の先制点はそうして生まれましたが、そのスペースの活用の仕方は刮目して見るべきだろうな、と思います。

大きなスペースが空いた時には前向きにスペースを活用したくなるものですが、このシーンでは田中(達)が柴戸へ配球したあとにすぐライン間のポジションを取る、小泉は裏への動き出しを見せて福岡のディフェンスに対応を迫る事で更に中盤にスペースを作り出しました。
この局面だけ見ると瞬間的に小泉がドフリーの状態となっており、展開しても良し、シュートを狙っても良し、ユンカーへの配球を選択しても良し、という状況が生まれます。
小泉は狭いスペースでも仕事をする事が出来る選手ですが、バイタルエリアで自分の仕事がよりしやすいスペースを作る事も出来る選手なんだ、という所を示したいいゴールだったと思います。

先制後も浦和はボールを握り続けて試合を進めていきますが、福岡の前線の守備とバックラインの守備に温度差があったためか、4-4-2の配置からマーカーを定めきれなかったからか、おおよそ人数過多ともいえる局面を作らざるを得なかった事がひとつの要因としてある気がしています。
ジョンマリがプレスバックをする場面が少なかった事も要因としてありますが、それ以上に福岡の守備の基準点、重心が後ろになっていた事によって槙野の持ち上がりや柴戸や伊藤(敦)へのクリーンな配球などで浦和自身が局面を選択しやすい状況にあった事が守備の局面で人数過多の状況を招いたのではないかと。

結果として、前半の浦和は自信が局面を選択できる事、それによってトランジション時のポジションも取りやすく、プレッシャーラインを越えにかかる際に重心を下げた福岡のディフェンスラインにその重心のまま基準を置かせる事によってラインを降りてレシーバーになる選手(田中(達)や小泉)がボールを受けやすくなる、という循環を見せる事が出来たのではないかと思います。

とはいえ、再三相手陣地の深くまで侵入するもユンカーへのマークは相当に厳しくクロスボールがユンカーに渡る場面を見る事が出来ず、追加点を奪う事が出来ないまま前半は終了。

後半に入ると初手から重心を上げてプレッシャーをかけてくるようになり、ロングボールを中心に前線に押し込もうと試みる福岡ですが、浦和のバックラインの迎撃によって思うように起点を作ることが出来ません。
逆に浦和はカウンターを狙いやすくなったことで試合展開としては打ち合いの様相を見せてきます。
徐々にお互いの陣形が広がりオープン気味になっていきますが、その中でも浦和守備陣の迎撃が効いていたり、距離感が離れてもうまくボールを循環させる事にって攻撃時の距離感が大きく狂う状況を回避していました。

63分の場面なんかは相手のプレッシャーを継続して受けている状況で後ろにボールポジションを移しながらプレス回避を試みた所、大久保が下がるタイミングが遅れた事でハメられそうになり危ない場面でしたが、ジョンマリがオフサイドポジションにいた事で事なきを得ます。
徐々に活動量が落ちてきた事による現象だったかと思いますが、これによって両翼が選手交代で入る事に。
この辺のマネジメントとして、どの段階で交代の決断をしたのかは非常に興味のある所ですが、交代の申請の5分前には決断していたんでしょうか。
そうであれば、オープンな状況が見えてきた段階で、という事になりますが意思決定の精度がすさまじいな、という思いです。

ここに来て頼もしいなと思うのは、交代で入ってきた両翼がプレー面でなんら劣る事のない選手だという事ですが、汰木と関根は明本と西とのコンビを考えても内外どちらでもプレーできる選手ですし、福岡からすると嫌な交代だな、と思う訳です。

しかしながら、福岡は依然として圧力を緩めることなくプレッシャーをかけることで飲水タイム直前のプレーではプレス回避を試みた小泉からボール奪取するなどやもすれば、という場面を作っていきます。

こうなってくると、ネガティブトランジション時やプレス回避の場面で小泉が下がる事で小泉に負荷がかかりすぎる状況は避けていきたいところですが、71分の汰木のインターセプトなんかは素晴らしいプレーだったと思います。ボールの往来でプレッシャーをかけていた浦和の前線が戻り切れない、かつ右サイドに寄っていた所を汰木が予防的ポジショニングを行っていた事で全体の陣形が重心を下げる可能性を回避できた点で非常にポイントが高いプレーだったと思いますし、昨年までの汰木だったらおそらく見ることが出来なかったプレーなんじゃないか、と思います。

そして、汰木の充実ぶりがご褒美として降りてくるかのように、汰木のシュートから得たコーナーキックで明本が追加点を奪います。
その後の80分のプレーでも素晴らしいターンからPKをゲットするなど、汰木のこれまでの頑張りと成長が結実の瞬間を見せている様な感覚になりました。ユンカーが蹴ったPKは残念ながら軸足がズレた事でゴールに繋がる事はありませんでしたが、後半の深い時間でも浦和が主導権を失わずに戦いきることが出来たのは汰木の成長とタイミングのいい交代を決断できたリカルド・ロドリゲス監督の功績だと言えるのだろうな、と思います。

追加点を奪ってからも試合の流れを手放すことなくキッチリ戦いきった浦和は福岡に点を許すことなく試合終了。
まさに「お礼参り」というにふさわしい試合内容とスコアで前回対戦の雪辱を果たしました。

さいごに

試合を観戦していた方は会心の勝利という手ごたえを感じた方も少なからずいたのではないか、という試合だったと思います。
事実、前半に浦和レッズが見せてくれたプレーは自身が局面を選択できたこと、目の前に広がるスペースを活用しつつ局面を有利に運ぶことが出来た事、そしてそれらを支えるバックラインの安定感と気持ちのいい試合展開だった事は疑う余地のないものでした。

しかし、その中でもハイプレッシャーに晒された場面では危うさを感じる場面が見られたりと向上の余地が残っているものでもありました。
活動量の低下など試合の展開が進む事で避けられない部分がある中で、どの様に振る舞っていくか、という部分が今後は向上していくのだと期待しながら後半戦を応援していきたいな、と思っています。

次節は、流し見していても眉間に皴が寄っていきそうな仙台戦ですが、強い気持ちで。矢印を自分に向けて感想を書いてみたいと思います。

それでは、また。

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