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【C大阪vs浦和】痛し痒しと徐々に見えてきた青写真【J1リーグ 10節 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
ルヴァンカップを含めた連戦がスタートしていますが、試合の感想を追いつけようと頑張って書いてみます。

前節の徳島戦では上手くいかないなりに勝ち点をもぎ取った試合となりましたが、今節はそれなりに攻め立てる事が出来たわりに勝ち点をもぎ取ることが出来なかった試合となりました。
今回の感想はゾーナルに理性的な守備陣形を敷いていた昨年から変わり、人に基準を置く意識が増したように見えるセレッソ相手に浦和がどう対処しようとしたのか、その結果感じた課題について書いてみようと思います。

そして、柴戸が帰ってきたぞ!!!おかえり!!!

スタメン

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【C大阪】
後半0分  清武⇆山田 西川⇆中島
後半37分 大久保(嘉)⇆加藤
後半42分 豊川⇆松本

【浦和】
後半0分  伊藤(敦)⇆興梠
後半39分 武藤⇆杉本

試合雑感

試合序盤は少しトランジションの要素が強かった事でセレッソの陣形がファジーな状態が続いた事もありますが、昨年と比較して人に付いていく意識が高め。中央への侵入を嫌がっている様子で、陣形自体はボールサイドに寄る傾向が強かった様に思います。攻撃時にはワイドに散開して浦和の守備陣形を広げながらサイドを抉るというよりは中央への侵入を狙っている様に見えます。
ビルドアップは2センターバックが大きく開きながら、相手陣形を広げるような形で相手がプレスに来たところで蹴り出すなら両翼というよりは深いポイントをターゲットにしている様でした。

対して浦和は4-4-2ブロックに対して2トップ脇を最初の起点として使おうという意図と、セレッソの陣形をボールサイドに寄せた後に出来る逆サイドのスペースを活用しようという趣。2トップ脇には伊藤(敦)が入ったり西が持ち上がってそこから縦パスを伺う様な状況、20分辺りでは小泉がそのスペースに入ってサイドチェンジを伺っていました。基本的に両翼で幅を取るのは山中と関根でしたが、ボールポジションが前に移行していくと西と山中がインサイドに入り、左サイドのワイドの位置には伊藤(敦)が入るシーンも。

試合展開としては、2トップ脇を使いながら右サイドは細かく、左サイドは広くスペースを使いながら、という攻め筋でしたがセレッソの守備ブロックの挙動から右サイドの攻略において狭く狭く、となってしまった事によって窮屈な場面が多くみられることになります。
狭く、無理して攻略するコストが高いと判断した時はバックパスで仕切り直しをする意識はあった一方、相手を釣りだしたとしてもほんの少しスペースが増える程度で、セレッソのバックラインの人数と配置が整理された状態での展開となる事が多かった様に思います。
左サイドからの惜しいクロスがあったり、狭いスペースでの攻防でもシュートを狙えるところまで行くなど、浦和のポテンシャルの高さは存分に感じる事は出来ましたが、ほんの少し合わない、足りない場面があった事によって最終的に得点とはなりませんでした。

そして、徐々にですが今シーズンの浦和の挙動が見えてきた感がありますが選手個々に動きやタスクがあるという局面は限られており、それぞれの局面で特にトランジションやボールポジションが移行していくにつれて押さえるべきポジションとタスクが定まっているのではないか、と思わされる挙動が多いように思います。
今節で言えば、ビルドアップ局面では相手が2トップであれば2トップ脇を使いながらボールサイドの中盤に3人が間に入るような形を見せ、ボールの出し入れを行いながら相手の中盤が釣られて来たところで、そのギャップを突いていく。押し込んでいくにつれて、ワイド含めて5枚が並べる高さを狙っていくように見えます。ここで、最前線で並べるかどうかは試合の展開にもよりますが、相手のラインを越えるステップごとに設定をしている様に思います。
このラインを越えるステップごとに、というのがネックだと思うのですが、攻撃時においてラインを越えるチャレンジが引っかけられてしまった局面などで相手のラインを基準にポジションを取る事によってネガティブトランジション時の守備がしやすくなる、という事が言えるんじゃないかな、と。
また、しっかり押し込んだ後のネガティブトランジション時においては柴戸はまさに「アンカー」として相手の攻撃を遅らせる第一歩として機能していました。

あわせて、右サイドと左サイドではその役割が対称的で、右サイドは西や小泉、関根や武藤が関わりながら細かくボールの出し入れをしつつスペースを突いていく一方、左サイドでは割と個人能力の比重が高まる傾向にある様に思います。ここ最近の相手が浦和の右サイドへのケアに比重を置いている傾向がある事からそう見えるのかもしれませんが、明本や山中にボールが渡った時にスペースがある場面が多い傾向にあり、明本は積極的なドリブルでの侵入、山中はクロスを狙いやすい状況にありました。
それが得点に繋がるかどうかはまた別の話ですが、少なくとも相手の守備ブロックの外から優位性を積み上げる事は出来ていたのだろうな、と思います。

それらを踏まえて、今シーズンの浦和の要石となるのはセンターバックとボランチ(アンカー)の3枚で、その周辺の選手の組み合わせによって攻略の糸口を見出したい、という状況なのではないか、と思います。
前半で伊藤(敦)が興梠と交代したのも、柴戸がいなければ解決できない状況があるという事なんだろう、と。
前線に関しては現時点では誰が出場しても微妙に足りない部分がある、という事なのかもしれません。武藤は偽9番的振る舞いをする際にはインサイドハーフの飛び出しや入れ替わる動きが必須ですし、武田(英)が負傷している現状で代わりになる選手の選定に苦心している印象があります。
杉本がトップに入った際にはプレーエリアが広い事からインサイドハーフに限らずサイドハーフとの連携も絡んでくるため複雑化しやすく、武藤がインサイドハーフに入った時にはシャドー的な動きが主となるためポジションを下げてボールを受ける動きが増える事から西が使いたいスペースと競合してしまうなど、程よいバランスを見出すのには苦労してしまうのだろうな、と。
そこら辺をどうにか上手い事誤魔化しながら武田(英)の復帰を待つのか、それとも4-2-3-1的な布陣で最適解を見出す方向に舵を切るのか、どうなるのか楽しみに見ていこうと思います。

とりあえず、今節は小泉のハンド判定に関わるVARとOFRによって流れが淀んだことが失点を呼び込んだ、と思っているのでモヤモヤしていますが、強い気持ちで。

ではまた。

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