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【浦和vs川崎F】リカルド・レッズ・プロローグ【J1リーグ 第6節 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
代表ウィーク直前、週2連戦シリーズの最後は川崎フロンターレとの試合でした。結果だけを見れば0-5の完敗。
やっとスカッドが整ってきて「よーし、これから!」という所でその気持ちごと折られかねない大量失点での敗戦、なんだかここ数シーズン見覚えのある様なタイミングだったりしますが、これまでとは少し趣が違うんじゃないかな、と思っていたりもします。
今回の敗戦で結構ガックリ来た人もいるでしょうし、もしかすると選手も相当にショックだった可能性もあります。とはいえ、ポジティブな部分が多く見えた前半にまずは目を向けて、強い気持ちで、今シーズンの浦和を応援していけたら良いのかな、と思っています。

今回も、こちらでは試合の雑感や気になった事を書いていき、SPORTERIAさんの方で(これからも増えていくらしい)データと突き合わせてその感覚との距離を測っていこうと思っています。

4節からはまだ書けていませんが、代表ウィーク中に書けたら良いな、と思っていたり。

なにはともあれ、強い気持ち!

スタメン

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【浦和】
後半11分 伊藤(敦)⇆阿部 汰木⇆大久保 関根⇆武田(英)
後半27分 小泉⇆明本
後半43分 山中⇆田中(達)

【川崎F】
後半28分 ジェジエウ⇆車屋 田中(碧)⇆塚川
後半36分 L.ダミアン⇆知念 長谷川(竜)⇆三笘
後半45分 脇坂⇆橘田

試合雑感(前半)

浦和のスタメンはこれまでフル稼働していた阿部に代わり金子が入り、伊藤(敦)と中盤の底を支える形。
川崎Fのスタメンはこれまでファーストチョイスだった家長と三笘に代わって長谷川(竜)と小林(悠)が入る形になりました。

(どうでもいいですけど、長谷川(竜)と小林(悠)で韻が踏めますね)

試合の入りはこれまで幅を取っていた両ウイングが中に入る形でザックリした見方ですが2-2+小泉のビルドアップ+出口としての宇賀神という様相。
展開によっては小泉から左サイドのオフェンシブサード(山中・汰木)への配球を狙う形でしたが、ネガティブトランジション時に6人でフロンターレの中盤を囲う様な配置となった事でフロンターレ側としては思うようにビルドアップからの前進を望めなかった様にも見えました。

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浦和は両翼の動きが杉本の配置を補完する様な動きを見せており、局面によって汰木と関根のどちらかはセンターフォワードとしての立ち位置を取ることが少なくありませんでしたし、動的な動きの中でどのポジションを補完しながら自分たちの優位を取っていこうか、という部分で見るべき所が多かった前半だったのではないか、と。
特に、これまでの試合で頑なに相手ディフェンスラインを押下げる+相手のプレスをはがす事で生まれる中盤のスペースを活かそうという志向からそもそもトランジションで中盤を制してしまおうという趣の配置への変更になるほどな、という気もしましたし相手の自由を奪うという所からのスタートが功を奏した部分はあると思います。

そして、前半のフロンターレ側にも少し目を向けていこうと思いますが、ボールポジションがディフェンシブサードにあった際のビルドアップでは田中(碧)が積極的に降りてきてビルドアップに関与しようとしていました。
これは、浦和が積極的にプレスをかけに来ることを想定しての動きだったようにも思いますが、結果的にフロンターレの中盤に人数が足りなくなることによってビルドアップが滞ってしまう原因となったようにも思います。
飲水タイムあたりで修正が入るかと思いましたが、田中(碧)自身のポジションやリアクションを見ていると「浦和を引き込んでひっくり返す」という部分を意図していた様にも見える事から特に修正の指示が入った訳ではなさそうです。

というわけで、それぞれの挙動としてこの2点が前半の浦和が上手くいった要因の大きなところだと思いますが、フロンターレに先制点を許してしまった事により状況が一変します。
失点自体は宇賀神からのスローインで狙っているポイントが読まれていた事やクロス対応の時に小林(悠)の外す動きにまんまと剝がされてしまった槙野、槙野が対応できると目測し(たと思われる)スペースを埋める動きが一瞬遅れてしまった岩波と連鎖的に失点につながるミスがあった事が要因ですが、失点後に前へのベクトルが強くなった事により浦和がここまで手にしていたバランスを手放す事になります。
失点前から兆候はありましたが、フロンターレがプレスに人数をかけ始めてからフロンターレがビルドアップを行う局面が無くなり、結果的に田中(碧)が下がる場面が無くなります。

試合雑感(後半)

後半に入ってもその傾向は変わらず、キックオフ直後から積極的にプレスをかける、点を取るんだという強い意識で入ったのは良いのですが、前がかりになった事により浦和がバランスを崩し始めていた事からフロンターレの中盤は浦和の守備ブロックに対してライン間を取る事が容易になっていたとも言えるのかな、と。

後半1

(GIFのポジション移動のブレは多少目を瞑って頂いて)
実際の映像ではディフェンスラインはもう少し高いですが、フロンターレの前線にピン止めされる形で浦和の中盤の4枚のラインが無効化される形が連続失点では続いてしまいます。
特に、2失点目はボールを持ちあがる事が出来てしまった伊藤(敦)が杉本への配球を失敗した所からの失点ですが、その後の守備ブロックの復元性などを見ても金子と伊藤(敦)をピン止めしつつ小泉の脇を使われてしまった事が決定的となりました。
前半の様に辛抱してブロックを形成した後に田中(碧)の挙動が前半と変わりない様であればフロンターレが中盤以降に避ける人数が一人減った状態で応対できたのではないかという部分で勿体なさがあります。

「相手を見てプレーをする」という事はリカルド・ロドリゲス監督が就任してからずっと言われていた事のはずですが、こういう部分でナイーブさを露呈してしまう所に成熟度が現れるのだろうな、と思わされる部分だと思いました。

さて、連続失点してから一気に3枚を変えた浦和ですが、阿部が少し後ろに残る事によってバランスを引き戻そうという意図が見えました。
武田(英)や大久保を投入する事で出来るだけ前で圧縮をかけたい様にも見えましたし、実際交代直後はその様な場面も見られました。
ある程度細かいパスで侵入される事は仕方のない事として、陣形回復によって4-3配置で跳ね返したボールを「3」で回収してカウンターという絵も見ていたのかもしれません。大久保が回収した所で脇坂に奪回されてしまったのはひとつの勉強として糧にしてもらいたいと思います。

さいごに

前回記事でこんなことを書きました。

これまではプロローグだったんや。
(プロローグ完成の為に川崎Fにボロ負けして復活を期する、みたいなストーリーが頭をよぎってかき消す動き)

まるでフラグみたいになってしまったな、グヌヌという気分でいましたが前半のプレーぶりから希望を感じ取った自分としては、果たしてプロローグのように本当になったのではないか、と思っています。
シーズン序盤で課題として挙げられる事もあった小泉が背負っている負荷の大きさをどう解決するか、という命題に対しても一定の成果が見られたのではないかという部分がそう言える理由の一つでもありますが、金子がボールの循環やトランジション時の守備においてまさに「アンカー」と呼べるプレーぶりを見せてくれたことで伊藤(敦)や小泉の振る舞いが整理されつつあるのではないかと思うのです。

絶大な運動量を誇る訳では無いものの、出足の鋭さやしっかりと当たれるスキル、ボール保持においても相手のベクトルを外す動きを意識してプレーしている所からすると、当然バランスが取れている前提ですが小泉が下がらなくてもバックライン付近のプレーを成立させる事が出来るポテンシャルは順分あるのではないかと。
伊藤(敦)もバックライン付近だけで仕事をさせるには勿体ないプレイヤーですし、金子がミドルサードでの守備やボールの循環を引き受けることが出来る局面が増えた先に前線で小泉が輝く未来を仄かに夢見れるのかな、と思っています。

あとは「相手を見て」プレーをする事の大事さ。
ここ数シーズン見られる現象ではありますが、失点後に「点を取らなきゃ!」と前がかりになった所をひっくり返されて失点をする、という場面を見る事が少なくありません。
この辺のナイーブさが表に出なくなるには自分たちがどの様にプレーをしてどの様に前線に侵入すべきなのかという所をしっかりと足を付けられる地面として確立する事が大事なんだろうと思います。
その点で言えばリカルド・ロドリゲス監督が就任してから短期間で目指そうという形が目に見えてきている事は喜ばしい事ですし、成熟した先に復元性が高く、そして再現性の高いプレーが見られるのではないかと期待しています。
ここまで見てきた感想を言えば、正面衝突的に「自分たちのプレーを押し付ける」わけではなく「相手にデバフをかけて、自分たちのプレーをしやすくする」事を志向しているのだろうと感じる監督でもありますし、デバフのかけ方と並行して自分たちがプレーしやすい環境の上で個性を最大化させる事が出来る監督でもあると感じます。

今節の結果に落胆した人も、いったん落ち着いて、深呼吸をして、強い気持ちでリカルド・ロドリゲス監督が浦和レッズを素晴らしいチームにしてくれることを期待して代表ウィーク明けを待ってみても良いのではないかな、と思います。

やっと時間的に余裕が出来そうな雰囲気が出てきたのでSPORTERIAさんのデータを使った記事も頑張って書いてみようかな、と。

今シーズンは「強い気持ち」です。

「強い気持ち」ですよ!!!

今シーズン終わりになるのか、来シーズン終わりになるのか、リカルド・レッズがいいエピローグを迎えられる事を祈って。


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