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【福岡vs浦和】【J1リーグ 12節 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
試合の積み感想が積み上がって、そろそろヤバいな、という事で強い気持ちで書き続けるシリーズ、やっています。
今回は、インテンシティと福岡の新加入選手にやられてしまった福岡戦です。
インテンシティの違いがそのまま結果に直結したとは簡単に言う事も出来るかとは思いますが、今回は明本のサイドバック起用や福岡のインテンシティの発揮を助けた振る舞いについてザックリと書いてみようと思います。

スタメン

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【福岡】
後半14分 石津⇆金森
後半32分 渡⇆重廣
後半37分 B.メンデス⇆ジョンマリ J.クルークス⇆湯澤

【浦和】
後半0分  柴戸⇆山中
後半17分 関根⇆汰木
後半42分 興梠⇆杉本

試合雑感

風が強い試合となった事から、浦和としては大きくサイドを変えるプレーにやりづらさが出てるのかな、と思う局面が少なからずありましたが、それは福岡にとっても同じ事。
多少パスがズレても収める事の出来る体の強さや駆け引きなどもあった事が両者の違いでもあった事には違いありませんが、それ以上に福岡のインテンシティの高さが発揮された場面が要所で見られた事が大きく影響したとみた方が良い様な気がします。

浦和は福岡の2トップ相手にサイドバックの明本を高い位置に置き3枚でビルドアップをする形が基本。明本のサイドバック起用は守備時というよりは攻撃時に押し込む事を想定したように思えますが思うようにボールポジションを高い位置で維持するには至りませんでした。
特筆すべきは福岡のネガティブトランジション時の中盤の強度。前線で橋頭堡として機能していた前線も素晴らしいプレーを見せていたと思いますが、その後のトランジションで中盤が積極的にフィルターを用意する事で浦和がプレスを避けながらボールを前進させようと試みてもプレスの網に引っかかる場面が散見されました。

2トップ脇から相手の陣形を崩してビルドアップを試みようとも、スライド対応もしっかりこなしつつ、中盤で好きにボールを保持させないような振る舞いが徹底されていた様に思います。
この時期の浦和はビルドアップからミドルサード、ファイナルサードに移行する為に、相手のライン間でボールを出し入れし、それぞれ数手を消費しながら前進する事を試していた節がありますが福島の布陣はライン間も狭く、仮に多少ズレたとしてもプレスバックとマーキングの強度で相手の侵入に対して自由を与えない、左右の大きな展開に対しても中での対応が充実している事から思い切ってスライドを行うことが出来ていた様に見えました。

前半の振る舞いをおおまかに見ていると、細かく刻みながら前進せざるを得ない浦和、パワーで大きなゲインを得ながら徐々に搾り取っていく福岡、という様相だったのではないかと思います。

後半から柴戸に代えて山中が入り、小泉がボランチの位置に入る布陣となりましたが、これによってミドルサードでの浦和の保持の質が変わります。
バイタルエリアと比較して、多少はスペースを得ることが出来る福岡のフォワード周辺で小泉が前後左右に配球できる立ち位置を取った事によって、前半では福岡の中盤にケアされ続けていた他の選手の振る舞いにも好影響が現れてきます。
左サイドは山中・明本の2人で押し込む力が増した一方、右サイドにおいても西が石津や志知のチェックを小泉が受ける事によって前に顔を出しやすくなりました。後半最初に石津が金森と交代したのも、消耗具合もあるとは思いますが、浦和の右サイドでの攻防での風向きが変わってきた事も影響しているのではないかと思います。

福岡の交代があって、それほど間を置かずに汰木が関根と交代し、明本が前線に、右サイドに武藤、左サイドに汰木が入る形に変更になりましたが、小泉のポジションを変えた事によって浦和が選択できるパスルートが増えた事によるものなんだろうな、と。
山中が大外、汰木がハーフスペースで位置取り、右サイドでは武藤と西がより流動的に位置を変えていく事によって、小泉が初手で福岡の布陣に歪みを作り出し、それらを前方の選手で活用していく流れを作り出す事が出来たのだと思います。

結果的に、クロスやラストパスがハマらずに得点を奪う事は出来ませんでしたし、福岡に加入したジョンマリのパワーにダメ押しを許す事になってしまいましたが、思う様なプレーを続けることが出来なかった前半と比較してとても良い修正が効いた後半だったと言えると思います。
リカルド・ロドリゲス監督の修正力が高い、と言われる所以を伺うことが出来た様な気がしますし、結局インテンシティの高いチーム相手には弱いんじゃん、という一部の見方に対しても一つの回答を示し続けてくれたんじゃないかと。

さいごに

最初は、天候のせいで云々・・・と書こうと思っていましたが、見れば見るほど試行錯誤が見て取れて、ネガティブになるような試合でも無かったかな、と思うようになりました。
シーズン序盤から輝きを見せていた小泉、小泉の負荷を軽減させる事の出来る西の復帰、中盤の底で小泉に頼らずとも時間を作る事が出来るようになってきている柴戸、左サイドや前線でパワーと運動量を出すことが出来る明本と、試合を追うごとにコマが揃ってきている感じがとても心強いな、と今となっては思えるような試合だったのかな、と。

そして、次の試合からは非常に質の高いプレーを見せてくれることになるキャスパー・ユンカーの登場、と川崎フロンターレ戦でも書いた通り「リカルドレッズ・プロローグ」から徐々に頼れる仲間が増えていく様が見える様でワクワクしてきます。

そんなわけで、次はルヴァンカップグループリーグ5節の柏戦です。


強い気持ち。

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