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【浦和vs富山】示したクオリティと試金石【天皇杯 2回戦 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
積み感想もやっと残り5試合を数える所となりました。
明日に仙台戦が控えているので、実質6試合ですが・・・

とはいえ、このペースで進めることが出来れば来週には現実に追いつきそうなので、強い気持ちで頑張ります。

さて、今回は天皇杯の2回戦のカターレ富山戦となります。
ジャイアントキリングが続出した2回戦でしたが、浦和も1-0とスコアだけ見れば辛うじての勝利、と言える数字でした。
しかしながら、内容を見てみると手ごたえを感じるものでしたし、結果と育成と組み合わせを試す、という欲張りセットを狙った結果として満足なものとなったのではないでしょうか。

今回もだだだーっと書いていますが、試合内容の大まかな所を捉える一助となれば幸いです。

スタメン

【浦和】
後半0分  デン⇆槙野
後半31分 阿部⇆興梠
後半36分 大久保⇆汰木 山中⇆宇賀神
後半46分 小泉⇆伊藤(敦)

【富山】
後半0分  吉平⇆高橋(駿)
後半18分 碓井⇆椎名 鈴木(翔)⇆林堂
後半21分 大野⇆花井
後半35分 音泉⇆安藤

試合雑感

今節のスタメンは結果と育成を考えつつ、出場時間の管理も考えたい、という欲張りセットだったように思います。
特に左サイドに起用された大久保ですが、サイドバックの山中とのセットで大外:大久保、ハーフスペース:山中、というセットが基本線になる事が想定されますが、大久保の貫通力が活かすことが出来るか、サイドでの攻防や中央や逆サイドが戦域の時の振る舞い方など注目したい部分がたくさんあります。

そして、中盤で起用された金子にも注目したいところ。
ここのところ、序列としては柴戸と伊藤(敦)が前を行っている様子が伺えますが、柴戸にせよ伊藤(敦)にせよボールスキルと守備のバランスを考えた時にボトムラインが高いという事が言えますので、金子がその辺をどの程度表現できるのか、成長の跡を見せることが出来るのか、という部分で今後の序列に与える影響力を測る意味でも見ていきたいな、と。

キックオフは富山ボールからのスタート。
先制パンチとしてロングボールを蹴り込んできましたが、直後にはボールを繋ごうという意識も見せます。
ビルドアップは3バックで、ミドルサードにボールポジションが移った際にはボールサイドではないフォワードの片方が下がって中盤の人数を厚くすることを志向してそうです。

対する浦和は左センターバックで珍しく出場する事になった岩波と縦パスのタイミングが合わない場面があったりもしましたが、小泉は富山のボランチ裏を基本ポジションとしてミドルサード以降の攻撃の仕上げを担う役割。
序盤の15分の中でも何度も深くに侵入を狙う大久保へ配球するシーンが見られました。惜しくもクロスが届くシーンは少なかったですが、良い形を見せる事が出来たのではないかと思います。
守備面ではミドルサードに降りていくフォワードに対してデンか金子が追いかけていき、アタックする、という形が基本線となっていましたが、前半時点でこれが穴になる雰囲気はないのは、富山の左サイドがそれほど深さを取りに来ていなかった事に助けられていたのだろう、と思います。

前半30分を越えてくると浦和がファイナルサードで相手陣形を押し込んでいきますが、富山守備陣のチェックが厳しくファウルでフリーキックを得ますが得点にはならず。やはり相手の守備陣形を間延びさせつつ、という事でジックリ攻める形へと移行していきます。
このあたりから金子がビルドアップ時にボールを受けて、渡して、の一連の動きでスムーズなプレーを見せ始めるようになります。
柴戸と比較すると少しファーストプレッシャーラインとなる相手フォワードの後ろを取る傾向がある様ですが、プレッシャー下でもボールの受け渡しや相手の矢印を意識したプレーが出来るんだな、という印象が強くなっていったのは好印象でした。

後半に入ると、デンに代えて槙野が入り守備時の挙動も多少の変化が見られるようになります。富山がロングボールを増やしてきた事にも関連しますが迎撃守備の機会が減り、トランジション時の安定感が増したようにも思います。この辺は陣形のバランスを取りながら、足場となるべき選手がフレームとなってエッセンスを加えるべき選手が流動的にポジションを移る、という従来の方向に戻ることを意味します。
これによって、後半の飲水タイムまでのほとんどの時間を浦和がコントロールする事となりあとはゴールを決めるだけ、という状況となります。

しかし、富山もプレスの人数をかけなくなってきた事と選手交代によって帰陣の強度がなかなか落ちない事から浦和もファイナルサードで攻めあぐねる場面が増えてきます。このまま我慢された場合の延長戦などもチラチラ見えてきたところで、79分にゴールが生まれます。
富山の交代直後に攻めに人数をかけてきたところを素早く大久保が前に運び、ユンカーへの配球と見事なコントロールからのシュートでした。

その後も浦和は試合をキッチリコントロールし、富山に危ない場面を作らせる事なく試合終了。点が入ったタイミングこそ遅く、連戦が続くチームにおいて小泉とユンカーを休ませる時間を取ることが出来なかったのは贅沢な悩みではありますが、手堅い試合運びで勝利を収めることが出来た、と言えるのではないでしょうか。

さいごに

今回注目していた大久保と金子でしたが、両者ともに浦和レッズでしっかりクオリティを見せる事が出来る選手だと示す事が出来たと思いますし、個人的に非常に満足な試合となりました。

大久保は前回見た時と比べても積極的なプレーがより見えるようになったと思いますし、相手陣地に侵入する速度と鋭さを存分に表現していたのではないかと思います。
インサイドに位置する事の多い山中とのポジションバランスも相性の良さを感じましたし、このまま槍として成長した先に山中とのスタメン起用が増えてくる可能性も感じます。

金子についても、守備時のアタックの鋭さはシーズン序盤から輝いていたと思いますがボールスキルの面でどうなんだろうな・・・という印象を持っていましたが、それもこの試合で少しずつ進歩を見せているのではないか、と示したと思いますし、金子の守備から良い形でポジティブトランジションを迎えるゲームプランや流れになった時に大きな武器となる可能性を感じさせました。これはボランチでコンビを組むのが柴戸であれ伊藤(敦)であれ阿部であれ小泉であれ大きな武器となりますし、汎用性の高い選手としての好印象を濃くするものでもありました。

両者とも、今シーズンこれからも勝ち残っていった場合の日程の過密状況で大きな力となると思いますし、その先に来シーズンのACLの可能性も考えると欠かす事の出来ない戦力として期待感が高まるものでもありました。
まだまだ気が早い話ではありますが、今シーズンの浦和が進んでいる道が非常に良いモノであると実感することが出来てとても嬉しく思っています。

さて、次はルヴァンカップのプレーオフ、神戸との2nd legです。
勝ち抜けが決まった事を知っていながらも、とても難しい試合だった印象がありますので、強い気持ちで見返してみたいと思います。

それでは、また。

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