【G大阪vs浦和】段取りとタイミング【J1リーグ 14節 感想】
サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
積み感想も少しずつ消化をしていますが、少し気を抜いた途端に代表ウィークが終わり、EUROが始まり、ついこの間リーグ戦が一周してしまいました(;´Д`)
というわけで、今回はガンバ大阪戦です。
正直、前節の仙台戦と同じく状態の良くないガンバ大阪相手にどれくらいキッチリ試合を作れるか、というのが焦点になってくるのかな、と想像していましたがそれとは別に、新加入後すぐに得点を取るなど早速結果を残しているキャスパー・ユンカーと現有戦力の相性や組み合わせにも注目したい段階でした。
前回対戦は武藤とのコンビを見る段階、今回は杉本とのコンビでもプレスのスイッチャーとして、ビルドアップの出口として、ディフェンスラインと前線の接続点として縦横無尽のタスクを背負っていた小泉とのコンビとなります。
相手の攻め筋や守り方との兼ね合いとしても、前線からの守備とトランジションにおいて前線の2人が大事ですし、どのような機能性を見せるのか、という部分で注目していきたいな、と思います。
スタメン
【G大阪】
後半0分 一美⇆レアンドロ.P チアゴ・アウベス⇆塚元
後半26分 宇佐美⇆パトリック
後半33分 井手口⇆チュ・セジョン 倉田⇆W.シウバ
【浦和】
後半11分 小泉⇆山中 K.ユンカー⇆杉本
後半22分 武藤⇆興梠 阿部⇆伊藤(敦)
後半34分 田中(達)⇆関根
試合雑感
序盤から、G大阪は中盤とディフェンスラインの間のスペースを狙いつつ、プレスも強めに狙っていく構え。
対する浦和は右サイドのハーフスペースで小泉が起点となりながら機を伺います。
G大阪は若干前がかりに来ている事もあって、圧迫できる状態ではボール回収も含めて攻め筋を作ることが出来ていた様に思います。
とはいえ、浦和の守備ブロックが決定的なポジションに対する配球を許さない状態ではありましたし、8分のカウンターの様にパスルートを封鎖された後の動かし方が手詰まりを見せたシーンなども含めて「自分たちのやりたい事」に注力していた感は否めませんでした。
そして、早速の先制点ですが浦和のビルドアップに対するプレスを左サイドに開いた槙野まで引き込んでからの展開で小泉が絡む事でチャンスが生まれ、最終的に田中(達)のクロスに上手く合わせたユンカーのゴール。
浦和のメカニズムとして明本が攻め上がれるタイミングで左ウイング(サイドハーフ)がハーフスペースにスライドし、その後方でセンターハーフが予防的ポジショニングを取る形が主になりますが、綺麗にポジションを取り、後手を踏んでいるG大阪の選手たちはクロス対応にもポジションが取れず、という趣きでした。
こればっかりは、G大阪の状態の悪さを感じずにはいられませんでしたが、追加点の場面も同様で。
おそらく、今節の浦和はチーム内のセオリーから大きく外れた振る舞いをする事なくG大阪のポジションが崩れていった結果としてチャンスを得ていた様に思います。
スローインに対しての守備陣形や抜けられてはならないポジションに対する認識が見られなかった事で、致命的な穴を献上してしまったのではないか、と。
というわけで、早々にユンカーと小泉の相性に目を向ける様相になってしまったわけですが、ユンカー自身は自身が基準点となれるばかりでなく、局面で人数が足りない場合や、しっかり錨にならないといけない場面をいち早く察知してパワーを出せる選手だな、という印象があります。
今節でコンビを組んだ小泉も局面で抜かせてはいけない場面やプレスバックでプレッシャーをかけに行かなければならない場面、プレスのスイッチを入れる場面と局面ごとにやるべき事を見出して振る舞える選手でもあるため非常に良い補完関係を築けているのではないかと思いました。
引き合いに出してしまって心苦しいですが、杉本とコンビを組んでいる時の小泉は、動きすぎる杉本に圧される形でポジションを後ろに取る事も少なくありませんでしたし、その際のパスルートは小泉が中盤で受けて逆サイドへ展開し、その時間を使って杉本が前線にポジションを取り直す、などプレー選択全般的にユンカーと比較して燃費が良くないプレーが目立っていた様に思います。
良し悪しではありますが、ボールの前進に合わせて適切な人数とベクトルを用意出来ないと窒息するシーンも増えてしまいますし、杉本を指して「動きすぎる」と形容した特色も、反転して考えれば「色々な局面に顔を出せる」という事でもあります。
全ては段取りとタイミングの問題で、それらが噛み合うかどうか、なんだろうな、と思います。
その辺がうまくいっていないのが今節で対戦したG大阪でもありましたが、どの様に段取りをするのか、どのポジションを起点として仕上げをするのか、という部分で各個人が同じポジションを狙ってしまったりしたことで「その次」の局面に対してポジションや局面を出現させるタイミングが噛み合わない、という現象がうまれてしまいます。
人数のバランスとベクトルの方向転換の向きや指向性にロスが多ければそれだけぎこちなくなりますし、チームのメカニズムに軋みが生まれてしまうんだろうな、と。
そういう意味では杉本の「動ける」という特色を活かすために(主に杉本側に)整理しなければならない部分というのは少なくないのだな、と思わされる試合でもありました。
さいごに
ユンカーと小泉について書くつもりが、結果的に杉本頑張れ、みたいな無い様になってしまった・・・
申し訳ない気持ちもありますが、それよりも、杉本には頑張って欲しいんですよ・・・もっとやれる選手のはずですし、一皮むけたらまた点を取ってくれるんじゃないか、という期待もしています。
後半、交代して早々に武藤と左右を入れ替えたりしたのも杉本ではシャドー的役割は難しいと判断したものでしょうし、頑張って欲しいと思ったとたんに武藤と興梠の交代があったりと、レギュラーメンバーが見せているメカニズムとは別の光を表現しないと難しい状況だという事も感じてしまって、じんわりと汗が出てきてしまいます。
なにはともあれ、スカッドの中でどれだけ周りの選手との相互理解を見せることが出来るのか、という部分はずっと応援していこうと思います。
・・・つ・・・強い気持ち(;´Д`)
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