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【柏vs浦和】周りが騒がしい時こそ、矢印を自分に向けて【J1リーグ 19節 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
積み感想があと3試合、上手くいけば明日には消化できるのではないか、中断前に追いつけば御の字だと思っていたら相模原線に間に合うのではないか!?とドキドキしはじめたくろだです。

今回は色々と騒動だったりが巻き起こった柏レイソル戦です。
江坂の移籍報道であったり、鈴木彩艶選手の登録未遂案件であったり、どうも焦げ臭い香りがプンプンな状況での試合でしたが、強い気持ちを持ってキッチリ勝ちきってくれた浦和レッズがどんな試合展開を見せてくれたのかどうか。

今回もだだだだーっと書いていますが、どんな試合だったかニュアンスでも感じてもらえれば幸いです。

スタメン

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【柏】
後半19分 アンジェロッティ⇆山下(達)
後半23分 イッペイシノヅカ⇆細谷
後半29分 ドッジ⇆戸嶋

【浦和】
後半16分 武藤⇆小泉 興梠⇆K.ユンカー
後半35分 汰木⇆明本 伊藤(敦)⇆金子(大)
後半46分 関根⇆田中(達)

試合雑感・・・の前に。

今節は少し特殊な事情の中でメンバーに変更がありました。

鈴木彩艶選手がオリンピック代表候補として選出、合流している間の検査結果に伴う出場資格の申請に係る手続きで不備があった事が判明し、急遽鈴木彩艶選手の出場が取りやめになる、という事がありました。
この件については本稿では特段触れる事はしませんが、少々腑に落ちない部分もあり、浦和レッズとして不服な点については申し入れがされる事が発表されています。

まぁ、顛末がどういう風になるかは見てみよう、という状態ですが良い形で着地して欲しいですね。

試合雑感

さて、視点を試合に戻してお話をしていこうと思います。
今回のスタメン、ゴールキーパーに西川選手がリーグ戦に戻ってきました。
ただ、鈴木彩艶選手が前節の湘南戦でミスをした事、西川選手は天皇杯などで安定したパフォーマンスを見せていた事から今節のスタメンに西川選手が戻ってくる事は騒動があったかどうかに関わらず既定路線だったように思えます。

前線の顔ぶれは前節での出場時間なども加味して選手の入れ替えがありました。注目は興梠と武藤。これまでの最前線の組み合わせの特徴から考えても特段違和感のない組み合わせです。特に、興梠についてはここ最近のパフォーマンスが上向きになってきた事からスタメン起用にも納得のタイミングだったのではないでしょうか。気になるのは杉本がベンチ外、という事ですが最近の序列から考えた時に興梠と武藤をスタメン起用すると考えた時に、小泉とユンカーに特別コンディション不良がない限りはベンチには入らないだろう、という状況でもあるので納得感があります。

試合開始から、最初の数分はお互いプレッシャーをかけ合いながらの展開となりましたが、徐々に形が定まっていきます。
ビルドアップから丁寧に繋いでいく指向で進む浦和レッズですが、ルヴァンカップでの対戦と同様中盤の構成を厚く作り、浦和のパスルートを封鎖しつつ閉じ込めてボール回収、アンジェロッティのキープを軸に攻撃を組み立てていこう、という趣きの柏を相手に中央突破は難しそうな雰囲気。

それならば、とパスを動かしながら柏の陣形を少しずつ伸ばしていきライン間での仕事を増やしていったり、左サイドでは汰木・山中・伊藤(敦)などが絡んで深くまで侵入したりとゴールへの道筋を探ります。
飲水タイムまでに興梠が何度も柏のディフェンスライン裏を狙って抜け出しますが、パサーとのタイミングが合わずに惜しくもオフサイドとなる場面がいくつかありました。
中盤で圧縮してボールを刈り取るような動きを見せている柏としては必然的にディフェンスラインが高い位置を取る様になるのですが、その形を逆手に取った狙いだったのだろうと推測します。

飲水タイム後も執拗に裏を狙い続ける興梠の動きが結実しそうなチャンスが生まれたのが前半の27分。武藤から裏への配球を収めた興梠が走り込んできた汰木へヒールで流した場面なんかは再三裏を取ることが出来ている状況からすると、継続して狙っていきたい形の一つだろうな、と。
その後、柏のディフェンスラインはズルズル下がる事はありませんでしたが、徐々に後手を踏む状況が増えていきます。
というのも、ビルドアップからの流れで山中へのサイドチェンジが悉く通る事からサイドバック含めて中盤が引っ張られる事によって興梠が駆け引きをする必要のある相手が減っていくという状況が生まれていたからですが、そうなると浦和がトランジションでも先手を取ることが出来る場面が増えていきます。

前半37分のカウンター局面のきっかけとなった伊藤(敦)のクリスティアーノ選手のドリブルから奪取した場面なんかは典型ですが、中盤でボールを落ち着けられる状況にもかかわらず1対1の場面を取らざるを得ない選択を見せた事が柏の状況の停滞を表しているのではないか、と思います。
ただ、このままいけばゴールが生まれるのも時間の問題・・・?と思いつつ最後の最後で身体を張った柏守備陣に決定的なシュートを打たせてもらえません。あともうちょっとなのに。

という訳で、後半も開始早々から前半同様のビルドアップから柏の厚い守備に阻まれ、アンジェロッティ目掛けたロングボールを跳ね返しつつ、興梠の裏への飛び出しからチャンスを狙う、という形が見られるわけですが49分の興梠のシュートは惜しかった。シュートまでのボディフェイントまで含めて完璧だったのですが、ボール一個分外となり惜しくもゴールならず。

その後も浦和が主導権を握りつつ時間が経過していきますが、60分に小泉とユンカーを投入。早速ユンカーにチャンスが生まれますが、ディフェンスにブロックされて枠は捉えられず。
しかし、その後の63分にはビルドアップからセカンドボール回収した小泉が後ろ向きドリブルで相手の守備陣形を引っ張った事によってクロス→関根の落としから宇賀神の素晴らしいミドルシュートが生まれます。

小泉の良い所として、両利きであることがクローズアップされがちですが、それ以上にボールを持っても前後左右にプレッシャーを避けながら動ける事、無理にボールを保持する事なく散らすべきは散らす事が出来る事、という部分にも触れておかねばならないのかな、と思います。
ゾーンの中でも立ち位置を調整する事によって自分が影響を及ぼせる対象とタイミングをコントロールすることが出来る賢さもありますし、チームに1人いるだけでボールの循環が非常に良くなる、というのは今シーズンの浦和を見ている人は誰もが納得する現象なのではないでしょうか。

そして、79分には明本と金子(大)を投入して試合の締めにかかります。幸運にもコーナーのこぼれ球から柴戸が叩きつけるボレーで追加点を奪えたことで試合のクローズに向けて状況が整います。
柏も諦めずに前への圧力を高めながらゴールへと迫ろうと試みますが、惜しくもゴールを奪えず終戦。

浦和も柏の圧力に屈することなく、リードを保った状況でも前への圧力を維持しつつ、キッチリ押し勝って0-2で勝利となりました。

さいごに

江坂の移籍報道などもあり、若干複雑な状況での試合となりましたがチーム戦術の練度の差がそのままスコアの差となって出た試合だったのかな、と思います。
チャンスの質を考えると実質0-4くらいで勝っていてもおかしくない試合展開だったと思いますし、それだけ浦和がチームとしての状態が良い証拠なのだろう、と思います。

特に、今節は小泉とユンカーがいない状態でも伊藤(敦)と柴戸が中盤で支えつつデンと岩波の両センターバックがビルドアップでしっかりアングルを作ったりボールを動かす事が出来た事によって安定した試合運びが出来たのだろうと思いますし、興梠の状態の上向き具合を見るとユンカーと組ませても良いなと思ったりとまだまだ浦和レッズが進歩する余地が見えてきている状況に表情筋の緩みを抑えきれません。

次節は福岡戦。
とうとうリーグ戦も折り返して2周目に入る訳ですが、リベンジしたい相手にはキッチリお礼参りをして、1周目で勝利を収めることが出来たチーム相手には更なる内容の向上を、引き分けたチーム相手には忘れ物を取りにいく、という強い気持ちで応援していきたいと思います。

結果を知っている状態だから言える事ですが、お礼参りが出来た試合がどんな内容だったのか、とても楽しみです。

それではまた。

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