【読書感想文】WhyとHowを意識する(for中受にも)
このNoteで紹介していくのは読書感想文を作るために、「自分の感想を説明するためのメモを作る」ことです。
そのために、「なぜ?(Why)」と「どのくらい?(How xx)」という2点を意識します。
気持ちが通じるには理由(なぜ?Why)が必要
まず、「気持ちが通じるには理由(Why)が必要」という話です。
以下の3つでどの時に、お子さんなら「買ってもらえそう」、親御さんなら「では、買ってあげよう」という気になりますか?
①「買って!」 「買って!」 「買ってーーー!」
②「買ってください」
③「○○○という理由で必要だから買ってください」
おそらく③だと思います。もちろん、〇〇〇に入る理由次第ですが
「気持ちが通じるには理由(なぜ?Why)が必要。」です。
実はこれ、物語文も同じです。かの有名な太宰治の『走れメロス』の冒頭
「メロスは激怒した」
これだけでは、読者はメロスの激怒に納得・共感できません。その後に、王が世継ぎや妹はじめ親族を殺したという「怒りの理由(Why)」が述べられた後で、再度、
聞いて、メロスは激怒した。
とくれば、読者も「そりゃあメロスは激怒するよな」と納得します。
気持ちの度合いを意識する「How xx」
次は「どれくらい?」です。先ほどの何かを買ってほしい、という場合は「気持ちの度合い」が分かりやすいのですが、文の感想のような場合にはもう少し「気持ちの度合い」を示す必要があります。
その時に大事になってくるのが「How xxx(どのくらい?)」の感覚です。
例えば、下の図で、右の王冠は、
・どれくらい先にあって(How far?)
・どれくらいの大きさ?(How big?)
があるでしょうか?
おそらく、人によって感じる大きさは異なると思います。人によっては、すぐ近くに頭にかぶれる大きさの王冠があるように感じるでしょうし、とても遠くにとても大きな王冠型の建物があるかのように感じるかもしれません。
そもそも書いてある人の大きさも、いったいどれだけの大きさなのか、分かりません。
こんな状態ではお互いどう感じているか、伝わりませんね。
度合いを伝えるには共通の基準が必要
自分がもった感想も同じです。きちんと「どれくらいの大きさか?」の基準がないと伝わりません。
ここでもし、このように、お互いが大体の大きさのイメージがあるものが置いてあるとどうでしょうか?
ここに書いてある人型は、本のサイズに載るくらいの大きさで、
遠くではなく、本2冊分(30㎝くらい)の幅の先、、15㎝くらいの高さのところに、5㎝くらいの王冠があることが伝わります。
ここでわざと、階段状にしておきました。実は、今回行うことのイメージは、「自分の感想までの階段を作る」練習です。
その強い味方が先ほどから何度も出てくる「WhyとHow」です。
WhyとHowで自分の感想までの階段を作る
この時、階段のイメージの内、
Whyが横線。人(気持ち)が乗っかる土台です。
・自分が、なぜ(Why)その気持ちになったか?
を相手に納得してもらう、土台です。ここがふにゃふにゃですと、相手に納得して同じ段に乗ってもらえません。
次に、縦線
・その気持ちの度合いはどれくらい(How xx)か?
です。
自分が、なぜそう思い、どれくらい思ったのか?
読書感想文をつくるというのはこの組み合わせです。
WhyとHowは仕事にも人生にも大事
そしてこれは、大人になってからの仕事でも同じです。一人で何もかもはできませんから、様々な場面で誰かに頼んで、動いてもらうことになります。
その時に、「なぜ(Why)それが必要で、どれくらい(How)の影響があるのか?」ということを伝えられるのか、伝えられないかでは、仕事のデキる、デキないが大きく変わってきます。
なお親御さんの中には「私は仕事はしていないし」という方もいるかもしれません。
しかし、仕事に限らなくても、何かをしてもらったあと後、「なぜ(Why)してもらったこと大事で、どれくらい感謝しているか(How)」を常々周囲に贈れるか否かで、その後の人生が徐々に上向きになるかそうでないかは決定的に違ってきます。
ぜひ、ご一緒にこの訓練をしていただければと思います。
物語はこのWhyとHowの繰り返し
再び『走れメロス』より。前述の通り、親族を殺す王に対してメロスは激怒しました。どれくらい(How xx)激怒したかと言えば、
「あきれた王だ。生かして置けぬ。」
メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。たちまち彼は、巡邏じゅんらの警吏に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。
という行動に出ます。実際に「短剣をもって王城にのそのそ入っていく」ほど激怒したわけです。そしてそれだけの行動をさせるだけのWhyが事前に述べられてるからこそ、メロスのこの行動にも納得感があるわけです。もし、十分なWhyとHowのバランスになっていないと、『ご都合主義な展開』と言われ、読者は離れます(「小説家になろう」で一部見られる稚拙な文章のように)。
WhyとHowを意識すると国語で点が取れる
きちんと人気のある本には、人物の気持ちに対して「納得感のあるWhy」と「度合いを表す行動(How)」がセットで現れます。
このWhyとHowを意識して読み、メモすることで、本(場面)のあらすじづくりができます。そして同様にWhyとHowを意識することで「自分の感想を納得感をもって伝える」ことに繋がります。
そしてそのことは、中学受験の国語の出来にもつながります。文の読解でWhyとHowが意識できること。また記述の際にもこのWhyとHowが役立ちます。
以上、WhyとHowを意識することの重要性について述べました。
次回はその練習として「ワンポイント自己紹介」を説明する予定です
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