見出し画像

嘘つきとパーソナリティ障害のはなし

※本編はすべて無料で読めます。

Twitterを始めとしたSNS界隈には、日常的に嘘をつくのがクセになっている「虚言癖」の人がしばしば見られる。

こういう人達に騙されないために、自身の身の安全とお金を守るために記載していく。

この日常的に、病的に、嘘をつき続ける人たちを精神医学的にはパーソナリティ障害(人格障害)として取り扱っている。
パーソナリティ障害は10種類に分類されており、A、B、C群にタイプ分けされる。
その中でB群として扱われる4つのパーソナリティ障害が噓をつく人達に当てはめて考えられている。
B群の特徴としては、演技的で情緒的な傾向がみられる。
また、普通では考えられないような嘘をついたり、日常的にたくさんの嘘をつくのが特徴でもある。

今回は、このB群の4つがどんなタイプの嘘つきかをまとめつつSNSにいるタイプの人に割り当てて考えていく。
これを書くことでフォロワーが減らないか不安である。

有料部分では、私が実際にSNSで出会った人の素人分析を、「虚言癖、嘘つきは病気か」(インプレス社)に出てきた虚言キーワード及び、関連性の高いパーソナリティ障害に当てはめて考えていく。
個人を特定できる内容も含まれる可能性があるため有料公開にしておく。(検索怖い)

自己愛性パーソナリティ障害

特徴
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分のことを特別な存在だと思いこんでおり、特別な存在である自分には、他人は便宜を図ったり、賞賛、特別扱いをするのが当たり前であると考えている。
Twitterだとお金持ちアピールをしているギャンブラー等に多いイメージである。よって男性に多い傾向もある。
実際に本当にお金持ちで趣味でギャンブルやってる人との見極めが必要である。
このパーソナリティ障害の人の場合、第一印象は良く好感を持てることが多いため後々嘘が露見してくるケースが多い。

その他のSNSにいる人の特徴(上記と重複する内容もあり)
①もったいぶったような口調で話す。
②自分が重要人物であることをほのめかすような言動がある。
③派手な格好やブランド物を好んで着用する。
④自分が特別であることを裏付けるために有名人の名前を出したりする。
⑤実際に社会的地位のある人に近づこうとする。
⑥周りに自分より下の人を取り巻きに置き、過剰な賞賛を求める。
⑦他人が自分を嫉妬していると思い込む。または過剰に嫉妬する。
⑧華やかな成功、権力、美しさ、理想の愛を夢見ている。
⑨傲慢な態度や行動で、思い通りにいかないと不機嫌になる。
⑩「天才」や「一流」といった言葉が好き。自慢話が好き。

他人からの非難に弱い
自己愛性パーソナリティ障害の人は、非難や嘘を指摘されることに弱い。
そもそも非難や指摘を受け入れない人や、聞く耳を持たない人もいる。
矛盾を指摘されたら怒り出したり、新たな嘘を重ねて認めようとしない。
プライドや自信が高いので人からの助言や教えを受け入れることができない。
プライドが傷つくことや、嘘が通用しなくなると脆さが現れ、精神的に病んだり絶望したり逆上したりする。

対応方法の例
生活上このパーソナリティ障害の人と関わらないといけない場合、非難をするととても面倒なことになるため、表面上だけでも賞賛して、嘘を聞き流すことに徹して接するのが平和的である。
SNSの場合は敵に回さないうちにフェードアウトしよう。

医学的観点での判定
上記に挙げた特徴とまた重複していまう部分もあるが医学的側面での判定方法についても抜粋して記載しておく。長いので飛ばして構わない。

誇大性(空想または行動における)、賞賛されたい欲求、共感の欠如の広範の様式で、成人期早期に始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ以上によって示される。

①自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないのにもかかわらず優れていると認められていることを期待する)
②限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとられている。
③自分が「特別」であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たちにしか理解されない、または関係があるべきだ、と信じている。
④過剰な賞賛を求める。
⑤自分への特別有利な取り計らい、または自分の期待に従うことに理由なく期待する。
⑥対人関係で相手を不当に利用する。自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
⑦共感の欠如。他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
⑧しばしば他人に嫉妬する。または、他人が自分に嫉妬していると思い込む。
⑨尊大で傲慢な行動、または態度。
(「DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引き改正版」(医学書院))

演技性パーソナリティ障害

特徴
演技性パーソナリティ障害の人は、他人を魅了しなければ自分が無価値になるという思い込みを持っている。
自分の周りにいる人(フォロワー等を含めて)を魅了し、驚かしたり、注意や注目を引くことが、自分の存在の価値を保つために、何よりも重要であると考えるのである。
そのために、そのままの自分であろうとするよりも、周囲にアピールする役柄を演じて完全な虚像を作り出してしまうこともしばしばみられる。
主人公気質やヒロイン気質とも言える。
作り物めいた、わざとらしい話もあるが、完全に自身の作った役になりきっているため、周囲が騙されてしまうことも少なくない。
どうでもいいようなくだらない嘘もつくため判別が難しいこともる。

SNS上だと女性に多く見られる傾向が強い(セレブアピールや、可哀そうな被害者・犠牲者や、モテエピソード等々)。
男性だとこれもまたギャンブラーや投資アカウント界隈に多い。
(投資アカウントの場合後述する反社会性パーソナリティ障害の場合もある)
そのため、自己愛性パーソナリティ障害と重複する部分も見られる。

しかし、自己愛性パーソナリティ障害と違い、他人の関心や注目を引くためなら、自分を貶めることや傷つけることも平気でやることがあるため、より不安定なパーソナリティ障害である。
自殺(未遂)、薬物乱用、犯罪まがいのことにも関ってしまうことが多い。

その他のSNSにいる人の特徴(上記と重複する内容もあり)
①他者(フォロワー)の目、評価を気にするし重要視する。
②自分に自信がないので、空想上の自分を作りだしてアピールする。
(学歴詐称、経歴詐称、職業詐称等のステータス的なものが多い)
③空想上の自分を演じることで現実の自分と錯覚してしまう。
④空想と現実の違いを埋める(誤魔化す)ために嘘を重ねる。
⑤虚言の内容は周りに心理的なインパクトを与えるようなものである。
(事故、重病、記憶喪失、犯罪被害、大金を失くした、猥褻(わいせつ)行為被害、暴力被害等々)
⑥異性を魅了することに特に熱心である。
⑦鬱になりやすい。(愛情飢餓や承認欲求が満たされないため)
⑧嘘をつき関心を集めるために他者を貶めても全く良心が痛まない。

注意すること
これらの嘘に対する耐性がなく、真に受けて信じてしまうと、貴方が全然関係ない人を悪人と勘違いしてしまったり、更に非難してしまうと自分が悪者になってしまう。
しっかりとしたエビデンス(証拠)が無いものは簡単に信じないようにしよう。

対応方法の例
このタイプにおいても嘘を指摘したり暴くのは危険である。
なるべく関わらずにフェードアウトするのが得策である。
無理に虚像の仮面を剝がそうとすると、相手から縁を切られるだけなら良いが、有ること無いこと(特に無いこと)を言いふらされ悪評を永遠に振りまかれてしまう。
SNS等で敵に回してしまうと、元々嘘が上手く注目を引くのが得意なのでとても厄介である。
事情をよく知らない人は真に受けてしまい、周りを固められて、常識も良識もある貴方の方が悪者として敗北してしまうこともある。
このタイプの虚言癖の人だと気づいた時点で徐々に身を引いていくのをお勧めする。

医学的観点での判定
これもまた重複する部分も多く参考のため長いので飛ばして構わない。

過度な情緒性と人の注意を引こうとする広範な様式で、成人期早期までにはじまる。以下の5つ以上によって示される。

①自分が注目の的になっていない状況では楽しくない。
②他者との交流は、しばしば不適切なほど性的に誘惑的な、または挑発的な行動によって特徴づけられる。
③浅薄ですばやく変化する感情表出を示す。
(※知識や考えが浅くて薄いため、感情を表情・口調・態度で示す)
④自分への関心を引くために絶えず身体的外見を用いる。
⑤適度に印象的だが内容がない話し方をする。
⑥自己演劇化、芝居ががった態度、誇張した情緒表現を示す。
⑦被暗示的、つまり他人または環境の影響を受けやすい。
⑧対人関係を実際以上に親密なものとみなす。
(「DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引き改正版」(医学書院))

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害は近年認知度が上がっているパーソナリティ障害で、「境界性人格障害」のほかに「ボーダーライン・パーソナリティ」等とも言われているので耳にしたことがある人も多いと思う。

しかし定義が難しいパーソナリティ障害でもあり、ほかのタイプ(上記の2つ等)も含まれていることもよくある。
長くなるのでできるだけ手短に書くことにする。

特徴
素人目で見た上での簡単で悪い言い方をすれば「メンヘラ」である。
特に躁鬱病的なタイプであると考える。

境界性パーソナリティ障害の特徴は、気分と対人関係において両極端に変動する傾向が強くみられる。
些細なことで傷つくと途端に気分が急転直下する。
そうなると鬱症状を発症し、虚無感や自分の存在価値を否定し、自己嫌悪に陥り自傷行為等に走る傾向がみられる。
しかし、そういった症状も一過性でありまた翌日にはケロッとしていることもあるのが境界性パーソナリティ障害の特徴である。

このパーソナリティ障害は女性に多くみられる。(男性の約3倍頻度)
自殺企図をはじめ、鬱状態、パニック障害、摂食障害、身体表現性障害、オーバードーズ等の行動もみられる。

その他のSNSにいる人の特徴(上記と重複する内容もあり)
(主観が所々含まれます)
①深夜に鬱々とした発言をした翌日には何事も無かったかのように普通である。
②よくツイ消し(投稿削除)をする。(特に病み発言や自傷写真等)
③極度の依存体質である。特に恋愛依存が強くみられる。
④依存相手に見捨てらる不安に駆られ続けている。
⑤愛情飢餓、承認欲求が強い。優しさにも飢えている。
⑥自己否定的であり、自分のことが嫌いであることが多い。

嘘との関連性
依存相手に見捨てられないように気を引くためにつく嘘などが多い。自殺示唆や自傷行為等により相手を繋ぎとめるために嘘をつくことがある。
被害妄想による発言もみられる。

注意すること
あえて書くほどのことでも無いかもしれないが、同情や優しさを見せると付け込まれてしまう。理想を押し付けられて依存されてしまうと非常に厄介なことになるので気を付けよう。(経験に基づく)

最悪のパターンとして挙げられるのが、最初のうちに本人の話を熱心に聞き、「何かあったら言って」とか「力になる」等のことを言ったことで、貴方に対して依存的になってしまうことである。
その結果、貴方に対して助けを求めたり深い関係を求められていくうちに、貴方が疲弊してしまい、投げたしたり逃げ出そうとして突き放したりしてしまうことになる。
このパーソナリティ障害への理解が無い人にありがちなことで、メンヘラホイホイ等と揶揄されることもこのパターンだったりする。
これは本人にとっても貴方にとっても最悪なパターンであるため気を付けなければならない。

対応方法の例
注意することにも共通するが、何より関わらないのが一番であるのだが、そうもいかない場合もあると思う。
最悪のパターンとは逆に、一定の態度で接することが重要である。対象者の気分が良い時も悪い時も変わらずに対応することが大事である。
対象者の気分に合わせて一喜一憂したり同情したりしまうことなく、一定の態度で接することを心掛ける。

自殺企図への対応
しかし、突き放したり逃げ出したことで本当に自殺されてしまったらたまったもんじゃない。寝つきが悪いどころの話ではない。

上述してきた通り、境界性パーソナリティ障害の大きな特徴としてあげられるのは、行動化による振り回しであると言われている。
自分の思い通りに相手を動かすための心理コントロールをしかけてくる。
心理的に相手を揺さぶる行動に長けている場合が多く、振り回されてしまいがちである。
これに対する有効な対抗手段は「行動制限」しかないと示されている。
物理的な行動制限でなくても、「〇〇(自傷行為や電話を永遠にかけてくる等)の行動をしない」という約束をし、守れなかった場合はどういった措置を取るといったことを明確に(文章で)取り決めておく。
守れずに泣き落としや謝り倒してくることもあるが屈せずに早めに逃げ切ることをお勧めする。
病院や施設における実際の治療では、こういった行動制限を行っていき有害な行動をコントロールできるようにしていく治療が行われているようである。

医学的観点での判定
例のごとく参考である。

対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で、成人期早期に始まり、以下の5つ以上にて示される。

①現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとすうなりふり構わない努力(ここでは、自傷行為等は含まない)。
②理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係様式。
③同一性障害(著明で持続的な不安定な自己像または自己感)。
④自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域に渡るもの。(例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、暴飲暴食)
⑤自殺行動、そぶり、脅し、または自傷行為を繰り返す。
⑥顕著な気分反応による感情不安定性(短期的で激しい情緒不安定)。
⑦慢性的な空虚感
⑧不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難。
(例:癇癪を起す、いつも怒っている、物理的な喧嘩を繰り返す)
⑨一過性のストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離性症状
(「DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引き改正版」(医学書院))

反社会性パーソナリティ障害

今までの3つとは毛色が少し違うパーソナリティ障害であり、悪意のある嘘をついてくるタイプである。単純に悪い奴である。

特徴
他人に対して良心を持っておらず、共感性も持ち合わせていない。
人を騙したりすることに何も悪びれることがない。
相手が裏切っても傷つくこともないし最初から信用もしていない。
裏切られる前に先に裏切り、自分を信じている相手でさえも、金のためであれば平気で裏切る
他人を害したりすることに躊躇や情けなど毛頭ないのである。
恋人や友人でさえも搾取する対象としか見ていない、漫画や映画に出てくるような典型的な悪人である。

社会的な規範や法律を平気で無視し、敵視することもある。
常識が一切通じないタイプのアウトローである。

このタイプのパーソナリティ障害は男性に多く有病率は男性3%、女性1%と言われている。

その他のSNSにいる人の特徴(上記と重複する内容もあり)
①Twitter等では主に詐欺を働くことが多い。
②情報商材や投資話等を持ち掛けてくる。
③(表面上)仲良くなってからお金を貸してくれといった要求をしてくる。
④お金持ちアピールが多い。

注意すること
儲け話を鵜呑みにしない。金銭を貸さない。
儲け話についてはポンジスキームのような詐欺と分かりにくい詐欺もネット上で横行しているため、大変注意が必要である。
自分でよく調べて納得した場合にのみ余剰金で投資しよう。

対応方法の例
SNS上では関わらないのが一番なので真っ先に逃げよう。
実生活上でも逃げるのが一番なのだが、まず否定をしないことが大事である。常識が通用しないので逆上させたりしないようにしよう。

医学的観点での判定
参考。

他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以降で起こっており、18歳以上が対象である。以下のうち3つ以上によって示される。

①法にかなう行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為を繰り返し行うことで示される。
②人をだます傾向。これは繰り返し嘘をつくこと、偽名を使うこと、または自分の利益や快楽のために人を騙すことによって示される。
③衝動性または将来の計画を立てられないこと。
④いらだたしさおよび攻撃性。これは身体的な喧嘩または暴力を繰り返すことによって示される。
⑤自分または端の安全を考えない向こう見ずさ。
⑥一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということを繰り返すことによって示される。
⑦良心の呵責の欠如。これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人の物を盗んだりしたことに無関心であったり、それを正当化したりすることによって示される。

嘘に関する引用

本編はここで終わりなのだが、ここで個人的に好きな嘘に関する引用を記載しておく。この引用は参考文献にも載っているものである。

虚偽はそれ自体、低劣で避難されるべきものであり、真実は美しく、賞讃されるべきものである。 
ー アリストテレス
虚言は、自己の人間としての尊厳の放棄であり、いわばそれを撤廃することなのである。 
ー カント
うそをつくというのは、呪われた悪徳である。
われわれはことばを持っているし、そのことばによっておたがい結びついているからこそ、人間なのだ。
だから、うそをつくことのおそろしさや、重大さを認識していれば、他の罪にもまして火刑に処するのが当然だと考えるのではないか。 
ー モンテーニュ
いつわりを語る人は地獄に堕ちる。
ー ブッダ

実体験に基づく例

では、実際にSNS上で遭遇した虚言癖の人の例について記載していく。


ここから先は

2,921字

¥ 555

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?