海野裕(株式会社インターテクスト代表取締役)

35歳で博報堂から独立起業。2つの会社を経営、1つの研究機関で研究員、医療法人で顧問を…

海野裕(株式会社インターテクスト代表取締役)

35歳で博報堂から独立起業。2つの会社を経営、1つの研究機関で研究員、医療法人で顧問をしながら哲学、理念、浪漫のマーケティングを推進する60歳。旅と冒険、ピアノ、ギター、アート、猫が好き。麻布十番と箱根の二拠点生活。風で魂が浄化されるようなオートバイを愛する。

最近の記事

ぼくは静かな静かな曲が好きだ。オーラブル・アルナルズをぜひ聴いて欲しい。

静かな曲に惹かれるぼくは結構な音楽好きと言っていいと思います。小学校4年生くらいから、クラシック音楽に目覚めてずいぶんとレコードを買いました。ライナーノーツ付きのLPレコードはまだ数百枚単位では所有しています。 CDもだいぶ減りましたが、1000枚くらいはあるかな。でも最近はサブスクリプションのストリーミングで聴くのが大半。ぼくのディスコグラフィもApple Musicなどでクラシックのライブなどを除くとほぼカバーされ始めています。 楽器もギター、ピアノを演奏します。大

    • かけがえのない普通の日々への深い愛。haruka nakamuraを聴いて欲しい。

      毎日の些細なことへの愛※これは2020年11月8日の投稿を元に再編集したものです。 ここ数日は世界の超大国、アメリカの大統領選挙の話題が世界中を席捲しています。老若男女、それぞれの言葉でこのテーマを論じています。世界秩序は当然大事なこと。地球規模で人を見つめる視線は大切。その場合、浮かび上がってくる課題は貧困だったり疫病だったり環境破壊だったりするわけです。 2020年は記憶に残る年。やはりインターネットが登場して、文字通りグローバルブレインが現出した世界で、初めて世界

      • 独りが好きだとしたらその性格を早く自覚した方がいい。16Personalitiesを試す。

        独りが好きな自分を自覚する何事を為すにせよ、現在地を知ることが大切。それはじぶんという存在についてある程度客観的に理解するということです。じぶんは主体であるため、じぶんのことは自覚できているという「形而上的な自覚」があるわけですが、この自覚は「じぶんはじぶん」という自覚でしかありません。つまり自己同一性(Identity)の自覚でしかないわけです。 「じぶんはじぶん」は正しいですが、そのじぶんがどんなじぶんなのか、が重要で、それをしっかり自覚しておくのは極めて有益だと思う

        • 自分を知るためのツール、クリフトンストレングス®がかなり有効だと思う。

          強み分析ツールを使ってみた自分のことはわかってる、っていう人もいるかも知れませんが、自分のことを自分で知るのって意外に大変じゃありません?仕事として調査分析に基づく戦略的な示唆をしているということもあり、データの分析はお手の物のぼく。しかし、自分自身を客観的にあるいは要素還元的な手法で理解しているか、と言われたら違うかもしれません。自分の得意不得意は一応わかっているつもり。でもそれは、要素還元的な理解ではなく、ホリスティックな理解だったということを最近知りました。それは自己

        ぼくは静かな静かな曲が好きだ。オーラブル・アルナルズをぜひ聴いて欲しい。

          ぼくが広告代理店を辞めた訳。むかしむかし、女川で思ったこと。

          ぼくはかつて大手広告代理店の博報堂という企業に勤めていました。そこでのぼくの仕事は商品をたくさん売るための仕組みや広告を考えることでした。その仕事は基本的に楽しいものでした。そう、平時なら。そもそも有事を前提にしたビジネスなんて、兵器製造くらいしかないか。(笑)  そんなある日、僕は東北地方の電力会社の仕事をしました。原子力発電所がある地域につくられる場合、電源交付金という名のお金が自治体に落ちます。要は原発という可能性と同時に夥しい危険を孕んだ存在を受け入れてくれた自治体

          ぼくが広告代理店を辞めた訳。むかしむかし、女川で思ったこと。

          ポストコロナ時代、みんなはどこに住む?

          通勤、それはぼくが最も忌み嫌う時間のひとつでした。それだけでも会社員を辞める理由になるくらい嫌いでした。ちなみに高層ビルも大嫌い。あのエレベーターを待つ時間も、乗っている時間も大嫌いです。だから独立して小さくても自分の好きな空間でストレスなく暮らしている、いまの状況はぼくにとってとても好ましいものです。 2020年初頭から現在までのわずか数か月。世界は新型感染症のパンデミックによって、大きく変わってしまいました。会社員の多くはリモートワークに移行しています。つまり、会社員時

          ポストコロナ時代、みんなはどこに住む?

          『運気を磨く』(田坂広志)を読んだら心が整えられたよ。

          意識を疲れ果てさせる現代COVID-19による不安の再生産、NYストックマーケットの暴落、欧州(特にイタリア、フランス、スペインなど)での感染の拡大。2020年3月の世界は、ぼくが見てきた50年超の歴史の中でもかなり混乱している。大混乱と言ってもいいかも知れない。見えない恐怖に脅かされた人々は恐慌に陥ってしまいそうだ。いやもう陥っているのかも知れない。 学校は休校になり、企業はテレワークを推進している。麻布十番で職住近接のライフスタイルを確立しているぼくには大きな生活の変化

          『運気を磨く』(田坂広志)を読んだら心が整えられたよ。

          ネコの日記念。我が家の猫さんたちを紹介します。

           ぼくの家には現在、4匹の猫さんがいて、奥様の絶対君主エカテリーナ2世様とぼくと4匹の家族で暮らしています。もともとは和歌山で拾ってきたヨッシー吉宗、オフィスに訪ねてきた果敢な女の子ももの2匹で、この子たちはとってもなかよく暮らしていたのでした。ヨッシー吉宗はぼくが和歌山市に活性化案件で出張した際、和歌山城の天守閣公園で保健所に捕獲されていた仔猫でした。その場に居合わせたぼくはその光景が忘れられず、和歌山市役所や保健所に電話をし、捕獲された場所の特殊性もあったのでしょう、なん

          ネコの日記念。我が家の猫さんたちを紹介します。

          幸福感に繋がる17の知見~大阪大学社会経済研究所のレポートを読む~

           大阪大学社会経済研究所の筒井義郎氏をはじめとするチームによる非常に興味深いレポートを発見しました。テーマは「なぜあなたは不幸なのか」です。調査概要を見ると、有効回答数4,423サンプルで日本全国から抽出。そのサンプルに対して10段階で「幸福度」の自己評価を取得して、これを目的変数とし、その他さまざまな属性項目を説明変数にして幸福感あるいは不幸感につながる要因を特定する試みです。調査は2004年に行われているので、若干古いですが、とっても興味深くないですか? 幸福論にはいろ

          幸福感に繋がる17の知見~大阪大学社会経済研究所のレポートを読む~

          最高のアイデアを創るためのクルマの活用法。

           ぼくは麻布十番にオフィスと自宅をまとめた職住近接のライフスタイルです。職住近接だから成り立つ部分もあるとは思いますが、自宅にクルマを保有しており、それを主に仕事で使用しています。麻布十番のオフィスのほか、クライアントや取引先との打ち合わせはほぼ都心で行われます。丸の内、神田、渋谷、恵比寿、新宿、虎ノ門、霞が関、永田町、麹町といったエリアが中心でしょうか。その際の移動はほぼすべてクルマです。  ときおり「都心で暮らすならクルマは要らないんじゃないですか?」と言われることがあ

          最高のアイデアを創るためのクルマの活用法。

          Landscape of Marketing Strategy マーケティングを俯瞰するために必要な15のキーワード

          マーケティングを俯瞰する視点 私が「マーケティング」という概念と出会ったのは1989年。株式会社博報堂のマーケティング局に配属されたときでした。それまではほぼ何の知識もなかった。そもそも音楽や文学が好きだった私は、出版や放送に隣接した領域に就職すれば自分が大好きな音楽や文学の近くで仕事ができるのではないか、という幻想に囚われていたに過ぎませんでした。まさか55歳を迎える今、こうした「マーケティング」の専門家になっているとは、その時は想像もしませんでした。そんな私自身の歴史語り

          Landscape of Marketing Strategy マーケティングを俯瞰するために必要な15のキーワード

          マーケティングの定義を巡って、ちょっと冒険的なことを書いてみた。

           「マーケティングの定義」はとてもポピュラーなテーマです。というのも「マーケティング」という言葉は極めて適当に使われている言葉でもあるからです。いまだに「マーケティングリサーチ」が「マーケティング」のように言われることも多いですし、「営業」と「マーケティング」の区別がついていない企業や人に、私自身もよく出会います。今日は「マーケティング」っていったい何だっけ?という素朴な疑問に答えられるように、これまで作った資料などを紐解いて説明していきたいと思います。 「マーケティング」

          マーケティングの定義を巡って、ちょっと冒険的なことを書いてみた。

          倫理観を数量化するための「24の倫理コンセプト」を編集した話

           「倫理観」という言葉聞いたことがありますよね。「倫理」は「道徳」などと近接した概念として語られることも多く、この二つを峻別するのは結構難しいことです。これまでの私の分析と研究から定義すれば「倫理」の方がやや抽象度の高い、別の言い方をすれば内省的な概念で「道徳」はもう少し制度的、あるいは外部への拘束力を伴うもの、と言えると思います。  昨今いえむしろずっと以前から、社会の荒廃あるいは劣化を代表する事象として「(特に若い世代における)倫理観の崩壊」などがメディアや学識経験者か

          倫理観を数量化するための「24の倫理コンセプト」を編集した話

          外資系企業就業人口比率、日本と香港を比較してみたら。

          香港の外資系企業就業率は23.6% 昨年9月と12月に香港で市場調査を実施しました。日本産の食材を世界市場に導入していくキャンペーンの効果測定の調査です。キャンペーンのカロリーが9月から11月に集中投下されたため、その事前事後での調査となりました。皆さんご存じのとおり、香港は社会的に混乱しています。それへの考察はまた別の機会に送るとして、このような混乱期の定量調査は前提条件の安定性を欠いているとも言えます。事前事後の調査結果をどう見ていくか、分析の質が問われます。 そのレポ

          外資系企業就業人口比率、日本と香港を比較してみたら。

          自由と権威はどちらが尊いのかな、香港で考えた。

          香港での市場調査 今年ぼくが手掛けたプロジェクトのひとつは日本の食料品の海外広報。具体的には日本酒を香港に浸透させるというのがそれです。日本酒を香港で、と聞くと不思議に思う向きもあるかと思いますが、日本酒の輸出額は対北米が最も多く、それに次ぐ市場が香港なのです。結構、意外でしょ。 そんな仕事に取り組まねばならないタイミングで香港では当局と市民との激しい対立と衝突が勃発。中国政府当局、警察と学生を中心とした市民の激しい対立は周知の通りだと思います。ぼくはこの数か月で数回香港を

          自由と権威はどちらが尊いのかな、香港で考えた。

          人間には光が必要なんだ。光がないなら、自らが光になればいい。

          民主主義を擬態している社会 2019年10月19日読了。15歳を対象とした本ですが、日本人の大半は読むべきだと思います。マッカーサーは日本人のことを12歳の子供に譬えたと言われるが、まさに戦後70年を経過しても、それは変わっていないのかも知れない。幼稚な大人と稚拙な自治。多くの近代国家が血を流して獲得した民主主義を理解できず、それを模倣し擬態している社会が日本なのです。 現状は若者にとってより酷薄です。しかし、それは酷薄な時間がより多いという意味であり、日本人の大半にとって

          人間には光が必要なんだ。光がないなら、自らが光になればいい。