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静電気の除電で省エネを実践

本件は「未来のことにできること」というよりは、「未来のためやっている」技術です。
この技術で効率を改善し、エネルギーの消費を抑制できます。
例えば、我が家のエアコンの設定温度は毎年、真夏でも29℃~30℃。
扇風機を併用する場合もありますが、静電気を除電すると設定温度通りに冷えるのです。

エアコンに除電ネットを付けることで冷却効率が高くなります

その理屈は、フィルターを空気が通る際に静電気が発生し、空気と干渉して吸入効率が悪くなるのを、除電で抑制するからです。
もちろん、除電ネットを取り付ければ全て解決する訳ではなく、冷えるための条件を揃える必要があります。

元々この除電技術は自動車やオートバイの性能を向上する発明で、マフラーやサスペンション、タイヤやエンジン等に発生している静電気を除電すると、未除電時より少ない力でスムーズに作動します。
その理屈はフリースに静電気が発生すると、脱ぐ際により力が必要になります。それを帯電防止スプレーで除電すると少ない力でスッと脱げる。
このように静電気は物(気体・液体・個体)が動く邪魔をしていて、エネルギーを無駄に消費する要因の一つです。
静電気由来で無駄に消費しているエネルギーを減らすと、部品が少ない力で作動するので、寿命が延びてコストも抑制できます。

タイヤが黒色なのはカーボンブラックが混合されているからで、目的はゴムの強化と、もう一つは車体に発生・帯電する静電気をタイヤから路面に流すためです。
「タイヤの放電量の不足」に気づいた友人から、自動車メーカーのテストドライバーの経験がある私に声がかかり、2012年から研究が始まりました。
タイヤメーカーはその対策として、一部のタイヤに導電性の高い部分「導電スリット」を設けていますが、アスファルト舗装も石油由来で導電性が低いため、車体の帯電問題は解決できていません。

タイヤのトレッドに設けられている導電スリット(色が違う部分)

ボルト・ナット形状で除電する発明は2014年4月に特許を出願、2018年12月に特許を取得しています。
タイヤを除電すると、タイヤの転がり抵抗(回転を邪魔する要因)が低減、振動をより吸収し、ECOモードでも軽く走り出します。

後付けでタイヤのエアーバルブに取り付けて除電する特許製品

転がり抵抗は燃費やタイヤの寿命に大きな影響があるので、静電気の除電は現在進行形の「未来のことにできること」なのです。


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