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電気の話 その1

電気は導通が命


数年前、大型のオートバイを一台レストアし終えました。友人の持っていたもの。それもン十年、納屋にほったらかし。
フレームもサビサビ、シートベースはボロボロ、ガソリンは変質していて芝生にこぼしたら、芝生が死んでしまった。そして、ものすごい刺激臭でした。要は乗ったまま、ほったらかして置いたのです。
自分では出来ないクランクシャフトの芯出し、ガソリンタンクやサイドカバーのウレタン塗装、再メッはプロに出しました。塗装は、フレームや三つ又、カバー・ステー等は市販の2液性ウレタン塗装を自分で吹きました。
再メッキも組み上げる途中で、「この部品がメッキしてあれば、今組める」という小物のユニクロメッキの一部は自分でやりました。サンポールと亜鉛板を使って自家製メッキが出来るのです。そうしてメッキしないと、時間がかかって仕方がない。
ベアリングはミッションも含めて全て交換。ベアリングについては別の記事で書きます。
シートベースはFRPで作った人がいたので、それを購入。リプロフォーム(スポンジ)や表皮を買って、きれいに張り替えました。スポークホイールも自分で組んで芯出しします。左右の振れはメーカーの指定値より大幅に少ない0.3mm以下。
部品は海外の部品屋から輸入。新型コロナウィルスの影響で流通が滞り、コンロッドは日本製の在庫が無い。それで、インド製を薦められました。「いい品質」と言われたが、「じゃあ、あんた使ったことあるんか!」。そもそも、インドはネジをちゃんと作れない国。
マジ軽ナットの特許を持っている友人から、「インド製のKTMのネジはセンターが出ていない」と聞いた事があります。締めていくと六角ボルトの頭が円を描くのだそう。
いくら安くたってそんな国の精密部品は使えません。それで、高くはなるけれど、日本に輸入されてストックされている部品を、何点か買わざるを得なかったのです。
本題の電気については、今は検電ドライバーやテスターを使う位で、小学生の時の方が抵抗とか、トランジスタ等を使ってラジオを作っていたから、その頃の方が電気には明るかった。
車とかバイクとかに電気が流れているのはご存じの通り。実は自転車にも流れているのですが、それはまた後で。
よく、「何か、調子が悪いんだよね」と質問されるのですが、皆さんほぼ認識がありませんので書きます。
古くなってくると何となく調子が出なくなったりします。一つの電気による原因は、熱による電気部品の経年劣化です。例えばホンダの軽自動車のオープンカーBeet。リアエンジンなのに、電子部品のボックスがシート後ろのパネルに付いているので、当然熱を持つ。すると、熱でコンデンサーが膨張して液漏れしたり、基板のハンダが外れたりする。それで、通電不良になってしまう。どこかの専門店がハーネスを作り、ボックス自体を助手席の下に移設するキットを作っていました。
これ、正解です。もともと電気は、熱を嫌います。熱が高いほど導電率が
低くなるのです。なので超伝導は液体窒素で冷やして実験していますね。
オートバイのレーサーでは、一番風が当たる所にイグニッションコイルを持って来ている場合もあります。自動車に関わらず、熱が出る、または、熱を嫌う電子機器にはフィンが付いていて放熱するようになっていますね。
「エンジンが冷えているうちはいいんだけれど、温まって来ると調子が悪くなる」というトラブルの多くは、電気系です。
それから、静電気が原因で電気の流れが悪くなります。これは、静電気の研究をし始めた2012年に知った事。なので、電気部品の徐電もやっていました。そうしたら、後にトヨタがセンサーの配線を除電して、誤作動を改善する特許を取っていました。
静電気の除電はオーディオの分野が遥かに早い。乗り物は少なくとも20年以上遅れています。本当のオーディオマニアが音質を向上・安定化させるのには2つの事を必ずしています。
まずは電圧の安定、家用の電源とは別にオーディオ専用の電源を引くのです。普通の家庭では電源は来ていればそれで良いのですが、分岐して配電していますから届く電圧が変化してしまう、そうすると音が安定しないからです。
もう一つが静電気の徐電です。配線に電気が流れると静電気が発生します。すると、流れる電気が不安定になる。すると音質が低下するのです。
逆を言えば、除電によって電気の流れが改善されて音質が向上する、という訳。

アンプにマジ軽ナット 仏式バルブ用を取り付け

写真は日本製超高級アンプの除電例。型番を見て「あれだ!」と分かる人は、真のオーディオマニア、「音が良くなった」と喜んでくれました。
そんな話をしたら、マジ軽ナットのヘビーユーザーのMさんが、物は試しとスーパーカブのプラグコードにマジ軽クリップを取り付けた、そうしたら「アイドリングが安定しました。さすが、マジ軽ナット」と連絡を下さいました。クリップなんですけどね。

プラグコードを除電

Mさんはエクスチェンジマートで知り合った出店者同士。本業は重機メーカーのメカニックなので、私の説明が理に適っている事が理解出来るのです。
マジ軽ナットシリーズを付けたら、タイヤでスムーズに走れて、インシュレーターで吸気が良くなり、ミッションで3速から2速に落ちる現象が無くなり、プラグコードでアイドリングが安定する。

チェンジペダルを通じた除電でミッションの動きが改善

スーパーカブの例だけでもこのような効果があります。除電ポイントはもっとありますけれど。次はチェーンをお勧めしましょうか。チェーンがスムーズに回転する気持ちよさを是非体験して欲しい。
本題に戻り、新車の時には10の電気が流れていたとして、配線が劣化したり、端子が酸化したり汚れると、本来10流れるはずが、電気抵抗が増えて8とか7位しか流れないという事象が発生します。
完全にゼロになるなら、「あ、電気が来ていないぞ」と分かるのですが、そこそこ来ているから気が付かない。電気が供給不足だから、調子が悪い。
それで、自分の頭で考えて、転ばぬ先の杖として2003年にアーシングケーブルを作った訳です。
最近驚いたのは、製造元の友人が大手自動車メーカーの電気回路設計をしている人と繋がった。それで、「いかに電気を効率良く流すか」という話をしていたら、「アースはボディーに落としているから問題ない」という認識で驚いたのです。ご本人はバッテリー⇒ボディーアースポイント⇒電気部品とマイナスが流れているのだから、それでいいでしょう?」という考えだった。それで友人が各金属の導電率を教えて挙げて、「今のを中学校の理科の先生に言ってごらん、✖になるよ」と言ったら、無言になってしまったとか。
ボディーアースを介すると、前述の10が8にはならないと思いますが、例えば9.5位にはなる。9.5でも流れれば十分でしょうと言う人が殆どだと思いますが、静電気を研究している立場からしたら、その0.5が結構な違いなのです。

旧車の修理でほとんどの人がやりたがらないのが、メインワイヤーハーネスの交換。目に見える所はお金を出しても、とにかくケチる。数年前に、やはり長くほったらかしのバイクをリターンライダーで整備に出した仲間には、「人間の血管と同じ、必ず交換して」と何度も説得したほど。それで、やっと分かってくれました。
ただ、電気が流れにくいだけではなく、断線寸前の状態もある訳です。配線が金属疲労して撚り合わせてある銅線の一部が切れる、それを繰り返しているうちに火花が出て、火が出る。
例えオイルがなくても、電気部品から発火した写真を見た事があります。
発売されて20年も経ったら、交換するべきです。今回のフルレストアでもちろんメインワイヤーハーネスは交換。上記のような、バッテリーのマイナスアース線を追加で、点火の要だから直接イグニッションコイルとヘッドライト(車検の光量確保ため)のマイナスアースを増設して繋ぎました。
ステーター等点火・発電系のハーネスをそのまま使う物では、ギボシ端子だけは交換。圧着の際には接点復活剤を入れてから圧着。手間はかかるかれど、必ずやる作業です。
このように、電気も小さい事の積み重ねで効率が良くなるのです。
流れてればOKというのは、はっきり言ってど素人の考えです。
全ての端子を外すから、面倒なのが繋ぎ直し。配線図とあらかじめ付けておいたタグ、そして撮影しておいた写真を見ながら戻すのですが、今回は途中で?の配線がありました。それは後回しにして、作業を進めます。でも、どう考えてもおかしい。
サービスマニュアルの配線図と色が違うし、「この流れの配線をなぜここに繋げる」という配線でした。
元々付いていたメインハーネスを確認しても、間違ってはいない。また、見なかった事にして(やはり最後に残りました)「おかしいなぁ、これだろう…こう繋がって…」他の配線は間違っていません。色の違う配線が2本余りました。
そこで思い出したのです。「プラスとマイナスをぶつけて(接続させて)いいのは、ホーンと電球だけ」という言葉を…。配線図と色は違うけれど、確かウィンカーの警告灯に繋がる配線でした。再度配線図を確認して、やっと解決しました。
ちなみに、LEDや液晶ではプラスとマイナスをぶつけることはありません。LEDのDはダイオードですから、方向性があります。一か八かで繋ぐと、それこそショートして壊れかねません。
電気の話として、また書きます。たぶん、核心の話になると思います。
静電気を放電させるには、例えれば1円玉を縦に3~4枚重ねるような微妙なバランスが必要です。理論と知識と材質が無ければ放電などしません。
適当にやって放電するなら、特許など取れません。
少し頭があれば、その位分かりそうなものですが、素人が素人を引っ掛けてだますという商法はネットでやりやすいのです。当ブログを勝手に引用した模倣(にもなっていませんが)品の除電詐欺に引っかからないようにご注意下さい。模倣品は除電の効果がなくても、使用者にも刑事罰が適用されます。
販売している立場で、本当に除電を理解しているのを示すために、企業秘密の部分を除いてブログを書いています。

この夏にホンダのスーパーカブ系(コピー製造車不可)で日本一周をする方、一名にマジ軽ナットのモニターを募集します。
やる事は簡単、マジ軽ナットをタイヤに取付け(2分程度)7日間走ったインプレッションを写真と共にXにポストする。7日経ったらマジ軽ナットを外し(1分)て、7日間走行してインプレッションをXにポストする。
要はマジ軽ナットあり7日間、なし7日間をローテーションして最低、週に一度SNSに投稿するだけです。
マジ軽ナットはスーパーカブ界のエンス―ジアスト、ちっさいカブ「プコちゃん」を作ったトモさんが大変気に入って下さり、ご自分の分数台分の他、知り合いもご紹介頂いております。
本日、当Xアカウントにて、過去にトモさんが自己分析されたポストを引用リツイートしています。
事前に日本一周の計画をお知らせ頂いた上で、選考させて頂きます。
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