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雨露と紫陽花とオールドレンズの話

みなさんおはようございます、こんにちは、こんばんわ。
とりです。

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今日も今日とて。

今日はといえば、防湿庫の中よりの登場。ロシアンオールドレンズと言えばこやつ以外考えられないでしょう。
最初に登場したのは1958年のことですが、旧ソ連崩壊後にも製造は続き、1990年代までは確実に製造が行われていたそう。

仮に最終型だったとしても、製造から30年以上経った今でも、十分第一線で撮影欲を満たしてくれる一本とは凄いレンズですよね。

また当時、大量に製造されていたため、現在に至っても販売価格は比較的安く、オールドレンズ入門としての一面ものぞかせます。
ただ、製造から年月が経ってしまっているため、それぞれのタマに状態の良し悪しが分かれているようです。オイルが滲み出ているものや、内部レンズが欠けているものだったりしているものetc.

もし、購入を検討される場合は、実際に店舗に足を運ばれる

これは何かのバクチと割り切って、インターネットで購入するのも一つかも知れませんね。ちなみに自分はインターネット経由で手に入れました。



話が逸れそうなので、そろそろ本題。

このレンズが大きく人気を集めている理由の一つに「ぐるぐるボケ」があります。
このレンズは先述の通り、まだ現代程レンズ製造工程が正確ではなかったため、レンズ内部で僅かではありますが、取り込んだ光が暴れてしまう現象が生じてしまいます。
「非点収差」と言う(らしい)のですが、レンズを通った光が完全に同じ点に集まらず、像を結ぶ位置がばらけることで、この非点収差が補正しきれず、絞り開放に近い位置では画面周辺部の描写が暴れることになるのです。

いわば、レンズ界の、○○○る君。

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凛々しいです。


それでは先程のぐるぐるボケをイメージしていただきつつ、本日撮ってきた作例をどうぞ。

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周辺の緑の茎がもわーんとなっているのがお分かりいただけますでしょうか。もわーんとなっていますよね。もわーん。

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f値2.0で撮影していますので、いい感じにボケています。

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絞りを開放(2.0)まで開けているため、正直ピントの山を掴むのがファインダー上で非常に難しく、手持ち撮影は限界があると感じた一枚です。(真ん中のピンクの紫陽花の手前の花びらにピントを合わせているつもりです)三脚があればモニターで拡大→シャッターが可能なのですが、なにせ人が多く行き来している場所に於いては、周りへの気遣いも大事。

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全国的にも、今が紫陽花の見頃でしょうか。

小さな花が寄り集まるようにして円形を作る姿、雨に濡れた紫色の美しさは、はるか昔から日本人の心をつかんできました。

「紫陽花や 帷子時(かたびらとき)の 薄浅黄(うすあさぎ)」
江戸時代の俳人、松尾芭蕉の一句だそうです。

紫陽花が咲き、今年も帷子を着る季節がやってきた。ちょうど紫陽花も帷子も同じ薄浅黄色をしている、という意味の俳句です。江戸時代にも、現代と同じように人々が梅雨から初夏の訪れを、花や衣服を通じ日々感じていたことを、私たちに教えてくれます。

夏本番が、目の前まで、やってきていますね。

それでは、またノシ

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