チェルノブイリ日記 19 ~ 無駄に危険を冒すオレたち
巨大な湖
前回のあらすじ。
線路を歩いて湖に辿り着いた。
おぉ、大きな湖や……。冷却塔の中に入ったり線路を歩いたりしていたときは全く気配を感じませんでしたけど。唐突に現れた感がすごい。
水面に木々が映っています。風で波打っていなければもっと綺麗だったのでしょうね。
空は相変わらずのどんより。惜しいなぁ……。
あまりズームが出来ないレンズですので分かりにくいのですが鳥も大勢いるようです。ずっとこのあたりで暮らしているのかな。原発事故から何世代目の鳥たちなのでしょうね。事故の影響はあるのかないのか……。
しかしどうして湖に? 観光地ならまだしもチェルノブイリで湖って、そんな見たいもん?
え!?
※ この記事はトリップウォーカーに掲載していた「チェルノブイリ日記」を書き直したものです。有料の設定にしていますが、全て無料で読めます。読み終わって面白かったと思われましたら投げ銭として購入の手続きを行って下されば幸いです。
いやいや確かに釣り堀というのか生け簀というのか魚を囲うような設備がありますけどもさ、そこってわざわざ歩かなあかんとこなん?
危険の代償
行くけどさ!
うえー、こえぇー! これってあんまし良くはない水やんね。
バランスを崩して湖にダイブしてしまったら、水を飲んでしまったらどうなるの? すぐにどうにかはならなかったとしても、「いつかどうにかなるかも知れない」と思いながら死ぬまで生きなあかんようになるの?
ガイドが日本語を聞き取れないのをいいことに三十路の男が「うわぁー!」「こえぇー!」「死ぬー!」と泣き言をわめきながら歩きます。
どこまで行くん!
いくら日本語を聞き取れないとはいえ「うわぁー!」のニュアンスはなんとなく理解していたのでしょうね。しかしもちろんそんな私を気にも留めず容赦なく進むガイド。
というか律義にガイドの後を歩かずとも陸地で待っていれば良かったのでは。
ちょっと分かりにくいですが写真の右のほうにイケメンがいます。水面に映っている太い影です。いつの間にあっちへ行ったの……。
というかわざわざこんな危険なところを歩くよりそっちが安全ですよね。
あぁ、太い道や。良かった……。
相変わらずさっさと歩いて行くガイド。私をガイドするだけでなく自分の趣味も兼ねてますよねというかそっちの方がウェイトが大きくないかい?
ここはさすがに歩きませんよね……。細過ぎて危ないというのと、体重を支えられるのか不安過ぎるというのと。
バランスを崩して湖にダイブする恐怖に怯えながら辿り着いた場所で撮影した写真がこちらです。陸地からこんなの何枚も撮りましたよね!
わざわざ危険を冒した価値ありました?
余裕の表情のガイド。モザイクを掛けておいてなんですが……。
しかしまぁ行ったということは戻らないといけないわけで、えーと、頑張ります……。
研究所を見学する
陸地に戻って来ました。おぉ、椅子がある……ちょっと休みたいのですが腰掛けたら崩れそうですのでやめておきましょう。
前回見ましたこの建物に入りますよ。
錆びた扉です。閉めたら開かなくなりそう……開け放しておきましょうね。
想像はしていましたがやっぱり汚いなぁ……。まぁ廃屋ですものね。いやしかしそれにしたってという気はします。何故にどうして長靴が、しかも片方だけ。
……ん?
ぎゃーす!
魚じゃん。びっくりした。しかし魚そのものは見慣れた姿ですが、チェルノブイリの廃屋でしかも白黒の写真というだけでものすごく不気味な気がします。
ガイドが言いますには、私のヒアリングが間違っていなければ原発事故が魚にどのような影響を与えたのか研究していた施設とのことです。
現在はもちろん廃屋になっていますが、どのくらいの期間ここで研究が行われたのでしょうね。
あー、さっきの長靴ってあの湖の生け簀で何かするときに履いていたのかな。スニーカーであんなとこ歩きませんよね普通……。
床に落ちている紙になんとなく目を向けますと……魚の絵が描かれています。缶詰の広告?
それが載っているのは偶然だったんでしょうけど、こんなところで魚の研究をしていて魚を食べたくなるものなのかなぁ。
奥へ進みます。扉が倒れてもうてるやん……。まぁ扉が壊れて閉じ込められるリスクを考えたらこうするのが正解なのかも知れませんけど、それにしたって豪快過ぎやしません?
ここは何の部屋だったのでしょうね。床に何やら色々落ちてはいますが、分かりません。
このスタンドのような物は何ぞ……。
タバコの箱は研究員が捨てたのか、訪問者が捨てたのか。
ホルマリン漬け注意
進みます。散らかりっぷりが酷くなっていくような気がします。
研究所と言われてとりあえず信じてはいますけど、研究のための設備はどこかへ持ち出したのかな? 本当に研究所なのかちょっと疑ってしまいます。
先程の写真の右手の部屋……だったと思います。研究員のロッカールームかな? 部屋の中には入りませんでした。床に散らかっている物を乗り越える気力が出ませんでして。
正面の部屋に進みましょう。
ぎゃーす!
破壊された家具に……ペットボトルが転がっています。
瓶を運ぶケースまであるやん。
さすがにちょっと多過ぎやしませんか。
まぁあくまでチェルノブイリの立ち入り禁止区域ですのでゴミの回収なんてことは行われていなかったのかも知れませんね。
容器をじっくり調べたら酒瓶もあるのでしょうね。魚の研究を好きでやっていたのかやらされていたのか分かりませんが、立ち入り禁止区域の外から毎日通っていたとは思えませんし、ここで寝泊まりするなら夜は飲まなきゃやってられませんよね。
しかしまぁ仕方がないとはいえ目を覆いたくなるゴミの山です。見てもいられませんので目を背けましたら
ぎゃーす!
おぉおおお、これはホルマリン漬けというのですかね。何年前の魚か分からない魚が姿を保っています。
何にも浸けられていない何かも残されていますが……じっくり見る度胸がありません。恐らくはグロい何か。
次回予告
研究所は2階もありますよ。
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