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我が青春のマイケル・ジャクソン

学生時代。
空前のビジュアル系ブームの中、私が初めて購入したCDは「MAX」だった。

決して安室奈美恵の後ろで踊っていた女子達ではない。いつから彼女達はスーパーモンキーズを抜け出したのだろうか。

MAXはコンピレーションアルバムで、当時世界的に売れていたアーティストの曲を収録したもの。JAPANのものもあったが、流行りの曲は日本で住んでいたら至る所で勝手に聞こえてくるので、海外のものにした。

経歴に「初めて買ったCDが洋楽」がかっこいいからってのもちゃんとある。

姉が2人いて、長女はX JAPANを聴いていた。
次女は洋楽派で、当時はロッド・スチュワートやビリー・ジョエル、たまにQUEENを嗜んでいたが、突然にヘビメタに舵を切った頃だ。
好きな男でも変わったのか?と思いながら、私は2人の影響を受けつつも独自の道を開拓すべく色んなアーティストの曲を聴くことにしてMAXを選んだ。

収録曲の記憶は朧げだが、よく聴いていたのはマイケル・ジャクソン、ダイアナ・キングとシンディー・ローパーだった。
曲調も歌詞も日本人の感性では作れない。自分が今まで聞いてきた中で類がない。
特に「Hey Now」は特に思春期の自分と重ねて聞いていたと思う。

ダイアナ・キングのシャイガイは、こんなに自信満々な女の曲を聞いたのが初めてで歌詞にドキドキした。
「私の事をおとせるかしら?」なんて言ってしまう曲を私は聞いたことがなかった。

初めての失恋を癒してくれたのは「MAX」に収録されていたマイケル・ジャクソンの「You are not alone」だった。

失恋は好きな人に受け入れてもらえなかった自尊心が傷つく。
そんな時に「1人じゃない」と優しく歌うマイケルにどれだけ救われたか。

これがきっかけで、マイケルは私の人生の選曲に欠かせなくなった。

なので、亡くなった時は絶望のあまり出勤途中の電車内で眼鏡を無くした
3日後に会った友人に「私は歯を食いしばって号泣してしまって、差し歯を落とした」と一本歯のない笑顔を見せれられた。

推しが死んで差し歯を落とす

友人の話が強すぎてジェラシーを感じたが、マイケルロスとかなりの出費と言う最強の共通点で私達の友情は深まった。

劇場で公開されたドキュメンタリー「THIS IS IT」は2人で意気揚々と新しい眼鏡と差し歯で劇場に赴き、鑑賞後は私達のスタンディングオーベーションに釣られた全観客が立ち上がった程だ。
今でも忘れられないあの光景・・・

終わらないマイケルコール、困り果てるワーナーマイカル。

本当にすまなかったと今も反省してます。

シルク・ド・ソレイユの「マイケル・ジャクソン ザ・イモータル・ワールドツアー」

パンフレットもかっこいい
選曲に悩む日はいつもMJを聞いている

演目中に片足のダンサーがキラキラと光る松葉杖で踊る姿を見て、差別を無くし世界を救おうとパフォーマンスを続けたマイケルを思い、聞いたことのない野太い声を出して唸ったっけな。

色んなアーティストが排出されヒットしていく。
でもどこか心の奥に「この先この人を超える人は出てこない」と諦めてしまう。
新しいものについて行けないと言うよりは、“超えてほしくない“気持ちもあるのかもしれない。

あの時代のアーティストは皆んなそんな楽曲を常に打ち出していた。
幸せな時代だったなぁ。


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